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これまでで1番のチャレンジ

 高校で演劇を始めたことだ。わたしは幼い頃から、とてつもなく引っ込み思案で人前にでることが苦手だった。授業中に先生にあてられただけで、手汗が止まらなくなり、声が震えてしまっていた。いつも周りの人にどう思われるかを気にして、目立たないように息を殺して生きていた。

 だが、中学三年生の時に、兄が出た演劇をみて、わたしもそっち側にいきたいと思った。舞台に立ちたいと思った。そう思った自分にとてもびっくりした。それと同時にやってみたいけど、無理だろうなとも思っていた。

 高校に入学し、部活を選ぶタイミングがやってきた。まだ演劇部に入ろうか迷っていた。だが、演劇部に入りたい子が他にもいると聞いて、その子と一緒に演劇部に見学に行くことになった。食堂と同じ棟にある部室にむかった。先輩たちはあたたかくむかえてくれた。なんとなく居心地がよかった。台本の回し読みをした。自分の番がくるのをドキドキしながら待った。ついに自分の番がきて震えながらセリフを読んだ。

「いいね!上手だね!」先輩はそう言ってくれた。

 わたしでもやっていけるかな。頑張れるかな。頑張ってみたいな。そう思った。そして、次の日には入部届を出した。そこから始まった日々はこれまでの日々とは違った。輝いていた。あの時の自分にグッジョブ!と言いたい。

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