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HacK ClaD基本セット環境のすべて

はじめに


 今回は、遊陽ゲームズ様より発売されているボードゲーム「HacK ClaD」について、私なりの考察を紹介させていただきます。プレイヤーとして各キャラクターで15回ずつ以上はプレイし、拡張ありの環境ではありますがハイスコアは90点を記録しておりますので、充分に正確であるものと自負しております。しかし、戦略系のボードゲームの醍醐味の一つは「自分の最強戦略」を確立することにあるとも考えておりますので、その一助としてお役立てください。なお、この記事では攻略情報のみの紹介になりますので、基本的なルールなどについては商品同封のルールブックや公式サイトをご覧いただきますようお願いいたします。

(下部リンクが『HacK ClaD』公式サイトになります)


目次

  1. 共通の思考・プレイの基礎

  2. キャラクターTierランク

  3. 各キャラクターの拡張スキル獲得ルート

  4. おわりに


1.共通の思考・プレイの基礎

 まずは、全てのキャラクターに共通して重要となるプレイについて紹介します。これらのプレイへの習熟がゲームでの勝利につながっていくでしょう。

手番スロットは「不要なカードを置く場所」ではない

 『HacK ClaD』では、ドラフトフェーズにより、4枚の手札から1枚のカードを手番スロットに置くことでプレイ順が決定されます。この時、「1枚の不要なカードを手番スロットに置き続ける」というプレイをする方が散見されます。確かに、手番スロットに置いたカードは手札から消えるので不要なカードの処理としてよい手段に見えるかもしれません。しかし、実際には手番スロットは次のラウンドに絶対に手札に加わるという意味で「4枚目の手札」です。それを不要なカードに圧迫され続ける状況は決して最適解ではあり得ません。例えば、ロゼットで遊ぶならば「ブレイズアウト」+「陽炎」のパッケージは確実に狙いたいものです。ですから、手番スロットを活用して撃ちやすい状況を待つのです。不要なカードについては、むしろ手札に入れてMP追加や移動のコストとして切ってしまいましょう。

積極的に4番手を選べ

 手番の概念のあるゲームでは基本的に、手番が早い方が有利になりやすいものです。ですから、ドラフトフェーズで2・3番手を持っていると2・3番手の手番が早くなる位置にカードを置きたくなりがちです。しかし、手番が2・3番手だと次のドラフトフェーズも2・3番手になることになります。このことは1番手が得る「カードを1枚引く」の効果を得られないことを意味しています。デッキを再構築する度にデッキが強くなる『HacK ClaD』ではカードを引く行為は単に手札が増える以上の意味を持ちます。そこで、4番手を選ぶプレイを取ることにメリットが生まれるのです。特に、攻撃系のカードを引けなかったり、クラッドとの距離が離れすぎたりして攻撃ができないターンに行うと、より効果的です。

移動系妨害をケアするな

 ミアのカード「おーい、こっちだ!」やフレアの「楔撃ち」、その他ノックバック系カードによりクラッドをずらされ、手痛いダメージを負った経験のある人は多いと思います。ゲームに少し慣れてくると、これらのカードを恐れてクラッドから離れた位置をキープしようとする方がいます。しかし、このようなカードはデッキに1枚程度しか入っておらず、クリティカルに刺さる状況になることは2~3戦に1回あればいい方です。これらのカードをケアするためにクラッドから離れたことで攻撃が覚束ないようであれば本末転倒です。(ミアの「カマイタチ」前やミッション「難攻不落」を獲得している時など、例外はありますが)基本的には妨害には目を向けず、自分の最大値を通しに行った方がスコアは出やすいです。

2.キャラクターTierランク

 推しのいる人には残念かもしれませんが、やはりこの手のゲームの宿命として「高得点が出しやすい」キャラクターとそうでないキャラクターがいます。ただし、それはあくまで「出しやすい」だけであり、ランクの低いキャラクターが「勝てない」ことを意味しません。むしろ、様々な相互作用的要素が嚙み合えば、爆発的な得点力を発揮することもあります。あくまで参考までにし、自分の「好き」を追及するようにすることをお勧めします。

Tier1.ミア&ルーナ

高い移動力と「大鎌乱舞」の組み合わせが凶悪。MP消費も軽く、リソースが枯渇しない

 ミアは、高い移動力と「クラッドの後ろ」というキーワードを持つカードでテクニカルに立ち回るキャラクターです。基本デッキの「加速」や「ヒットアンドアウェイ」の性能が充分に強力であり、拡張デッキの欲しいカードにVPの高いカードが揃っていること、ドロー効果を持つカードを2枚有していること、ミッションの受け幅が広い(達成が難しいミッションがほとんどない)ことなどが相まって、極めて安定して高得点を叩き出せるキャラクターになっています。CP3消費の「大鎌乱舞」をしっかり活用できれば、そうそう負けることはありません。

長射程により攻撃に当たりづらい位置から一方的に火力を連打可能

 ルーナはMPを消費する長射程の攻撃魔法カードを主軸に立ち回るキャラクターです。基本デッキの「触媒」や「フギン」といった補助カードの性能が極めて高く、特に「触媒」はジェネリック「魔力増幅」と言っていい強力なカードです。拡張デッキのカードは攻撃力とVPが全体的に高く、積極的に点を稼いでいけます。ミッションの受け幅は移動力に欠けるため、ミアに比べるとやや狭いです。CP3消費の「サバト」は強力ですが、CP2のドローを使った方が点に繋がる場面も多いため、常にMP繰りを意識しながら戦いましょう。

Tier2.ロゼット&アメリア


クラッドに張り付いて大量の攻撃を放つインファイター。強力なパッケージを複数有する。

 ロゼットはクラッドに密着して連続攻撃で畳み掛けるアグレッシブなキャラクターです。基本デッキでは「爆竹」が「燃焼活性」、「連撃」が「紅蓮撃」と強力なシナジーを形成しており、特に優秀です。先述の通り、拡張デッキのカードで強力なシナジーを発生させることができますが、これらのカードはVPが低めであり、Tier1のキャラクターに劣る点の一つになっています。しかし、移動力の高さからミッションの受け幅はルーナよりも広く、CP3消費の「ブレイズアウト」から「陽炎」による爆発もあるため、ミッションドラフトやクラッド行動との嚙み合いによっては充分に食らいついていけるでしょう。


「アップデート」により、再構築せずとも拡張に触れる特異な子。運用難易度高め。

 アメリアは「アップデート」により早い段階からどんどん拡張デッキに触ってデッキパワーを高めていけるキャラクターです。基本デッキでは「デフラグ」が山札を削れる点で他キャラクターのカードと比較しても群を抜いて優秀です。拡張デッキのカードを大量に入れられる上にVPも高いため、デッキVPは確保しやすいですが、その分序中盤からクラッドを攻撃して積極的に稼いでいくようなプレイはほぼ不可能です。ミッションの受け幅は中程度で、CP3消費の「プロネーシス」もかなり使う場面を選びます。しかし、「クロスファイア」→「リブート」→「クロスファイア」による最大値は凄まじく、1ターンで15点以上稼いでしまうこともあるため、一気に巻き返して勝利を掴むことが出来ます。

Tier3.フレア


対応カードを捨て札回収することでクラッドの攻撃を受け流し続けて張り付くディフェンダー。

 フレアはガード系の対応カードを多く有しており、その効果でクラッドの攻撃を受けながらも近くに居座り、近距離攻撃をお見舞いするキャラクターです。また、クラッドの移動を封じるという唯一無二の妨害を有しています。基本デッキでは「修繕」がデッキを削りながら対応カードを回収するという凄まじい効果で、大変優秀です。拡張デッキのカードVPは高いものほど効果が防御寄りであるため、能動的に稼いでいくことは難しいです。ミッションについては他キャラクターがほぼ取らない軽減系ミッションを取れる代わりに、移動や攻撃回数、ダメージの高ポイント系はほぼ達成不可能なので特殊な受け幅になっています。CP3消費の「アリストクラシー」はあまり使いたい場面がないので、移動やドローに切ってしまいましょう。移動封じで相手の事故を誘発しながら、クラッドに張り付いてじりじりと殴って虎視眈々と勝ちを狙いましょう。

3.各キャラクターの拡張スキルカード取得ルート

 『HacK ClaD』では、再構築をする度に1枚ずつ拡張デッキのカードを入れていく都合、取得の順番によって大きく強さが変わります。そのため、私がプレイする際は大体この順番で取る。というルートについて紹介していきます。

ミアルート

開始時:「義賊」
 一切のリソースを消費することなく1ドローする上に相手の魔石を動かして状況を自分に有利にできる意味不明のカードです。しかもVPが3あります。最初に取得するカードには以降の再構築を円滑にする役割のものが選ばれるため、このカードは満点と言えます。ミアに関してはこれ以外でスタートする択は現状無いと考えています。

再構築1回目:スティール
 「クラッドの後ろ」という条件こそついていますが、ミアの移動力にかかればほとんどの場合無視出来ます。出来ない場合は手番スロットに置いて次に備えればよいです。更なるドロー加速で再構築を進めましょう。抜くカードは「ショット」または「共闘」です。

再構築2回目:「カマイタチ」
 移動力を活かして突っ込むと火力の出るカードです。「加速」などを絡めて大火力を目指しましょう。射程も長いため、大抵の状況から撃ちに行けます。抜くカードは1回目で選んでいない方です。

再構築3回目:「身代わりの術」
 この段階でクラッドの攻撃がかなり手痛いものになってくるため、安定感を確保するために取得しておきたいカードです。魔石を落とすコストも、「大鎌乱舞」を撃った状態で後から回収できればメリットに変えられます。抜くカードは「ガード」です。

再構築4回目:「魔力増幅」or「ヤミウチ」「あっち向いてほい!」
 この段階では、ほとんどゲーム終了間近であるため、大抵は「魔力増幅」でデッキVPを稼ぐことになります。もし、上手く回っていて攻撃タイミングがまだありそうならば、残りの攻撃カードから好きなものを取得しましょう。ただし、「カルトロップ」だけはMPの消費が重いわりに安定感に欠けるため、2番手を複数回取ってMPが潤沢かつ、クラッドの「突進」が消化されていないというような特殊な状況に限られます。抜くカードは「ムーブ」です。


ルーナルート

開始時:ショック
 MP消費が軽いため序盤から撃ちやすく、3点火力で積極的に稼いでいけます。「ムニン」を取っていた時期もありましたが、攻撃魔法で染めるのが遅れることと、最初のターンに引かないとデッキ枚数を減らせないことを理由にやめました。

再構築1回目:「強襲」or「テンペスト」
 これまでの展開でMPを確保出来ているかどうかで決めるといいでしょう。出来れば4以上持っている(になる)状態で「テンペスト」を取りたいです。異常に広い攻撃範囲と高火力を持っており、ルーナのカードでは最も強力な1枚であるためです。「強襲」はスタートにすることで実質的な0MP2~3点火力として機能します。抜くカードは「ショット」または「ガード」です。

再構築2回目:「強襲」or「テンペスト」
 1回目の項を参照してください。抜くカードは1回目で選んでいない方です。

再構築3回目:「八咫鏡」
 クラッドの攻撃力4から来る薙ぎ払い系を返すために取っておくと相手の事故を誘発できます。VPも4で、このタイミングで取るカードとして優秀です。抜くカードは「リジェクト」です。MPを「テンペスト」に振りたいこと、射程が短く撃ちづらいことが理由です。

再構築4回目:「魔力増幅」
 ミアの項で述べた通り、デッキVPを稼ぐ段階です。「テンペスト」のMP3も賄えるため、これ以外は基本的に択に入って来ません。

追記:「エクスプロージョン」について
 特にルーナを初めて使う方は見た目の派手さから「エクスプロージョン」を取りがちですが、射程が短く他カードとの噛み合いが悪いほか、VPも低いため私はあまり採用しません。使いたい場合は「魔力増幅」でスタートして1回目の再構築で取得するのがよいと思います。


ロゼットルート

開始時:「紅蓮撃」
 デッキトップを捨て札にでき、「連撃」シナジーによって序盤から高いダメージディール力を有するカードです。積極的に攻撃を仕掛けたいロゼットのコンセプト的にも、最初はこれ一択と考えます。

再構築1回目:「燃焼活性」
 「爆竹」のコストとして手札から切ることで莫大なアドバンテージを獲得できるカードです。手番スロットを活用して2枚揃えましょう。抜くカードは「ショット」または「ガード」です。

再構築2回目:「炎滅」or「かがり火」
 「炎滅」はMP3と少し重いですが、ノックバック付きの強力な攻撃を仕掛けることが出来ます。ここまでに2番手効果や「燃焼活性」でMPが余っている場合に取りましょう。まだゲームに慣れていないならこちらがオススメです。
 「かがり火」はクラッドデッキの一番上を見るという独特の効果です。見た行動から自分の動きを考える必要があるため、ある程度ゲームに慣れてから取った方がいいです。デッキトップの捨て札送りもあり、再構築を加速できるので、ミッションでCPやデッキVPを取らされてしまった時はこちらを選びましょう。抜くカードは1回目で選んでいない方です。

再構築3回目:「陽炎」
 CPが3溜まるので、「ブレイズアウト」+「陽炎」によるノーコスト6点攻撃のパッケージを使うために入れます。抜くカードは「ムーブ」です。

再構築4回目:「クロスカウンター」
 ゲーム終了が目前なので、VPが高くて決まった時のリターンが大きいが条件が厳しく何度も使えるわけではないこのカードの出番です。抜くカードは「気迫」です。


アメリアルート

開始時:「リブート」
 アメリアの基本デッキ最強のカード「デフラグ」を戻すことで高速で山を削れます。一応「魔力増幅」も候補ではありますが、再構築を加速できるこちらの方がより強いと考えます。

アップグレード1回目:「フラクトグラフィ」
 「デフラグ」と「ムーブ」以外であれば何をコストに撃っても然程差はないので引いた段階で撃ちましょう。序盤は火力が出ませんが、重要なのは山を削ることなので問題ありません。

再構築1回目:「高機動アーム」or「魔力増幅」
 アメリアはMPの消費がかなり重たいキャラクターなので、大抵の場合は魔力増幅を取った方が動きが安定します。序盤に安全圏に位置取って潤沢にMPを蓄えていてかつ、リブートでフラクトグラフィが落ちてしまい、吐き先が少なかった。というような特殊なケースであれば「高機動アーム」が選択肢に入ります。抜くカードについてはアップグレードの項で述べた通り、「デフラグ」と「ムーブ」でなければ大差ないので以降も省略します。

アップグレード2回目:「攻撃補助アーム」
 VP2(=基本デッキのカードと入れ替えられる)のカードは2枚しかないので事実上一択です。この後アップグレードを使用することは一切ないので早めに再構築で抜きましょう。

再構築2回目:「クロスファイア」
 アメリアの有する唯一にして最強のダメージディーラーです。この時点で拡張デッキのカードは「クロスファイア」を除いて4枚、「攻撃補助アーム」の効果を受けて5点の火力が出るので出来れば撃っておきたいです。攻撃範囲がやや特殊なので処理を誤らないよう、しっかり確認して使うようにしてください。

再構築3回目:「身代わりドローン」
 「捨て札からも使用できる」というインチキ臭いことが書かれた対応カードです。適当にコストで切っておくだけで以降の安心が買えるスーパーカードなのでクラッドの攻撃が激化するこのタイミングで入れておきます。使用後は山上に戻るVP4のカードなので「フラクトグラフィ」とはデザイナーズコンボになっています。

再構築4回目:「魔力増幅」or「高機動アーム」
 1回目で選ばなかった方を入れましょう。「狙撃ドローン」は同じVP4ですがカードパワーが上記2枚に比べて低いので、選択肢には入りません。なお、この時点でデッキVPは22点になるためミッション「オーバードライブ」を達成出来ます。


フレアルート

開始時:「クラッシュエッジ」or「ボルテックス」
 「クラッシュエッジ」はクセのない攻撃カードで、序盤からしっかりクラッドに張り付いていければ強力に作用します。
 「ボルテックス」は取り回しやすいMP消費なしの攻撃カードで、クラッドの移動を封じる効果を持ちます。
 個人的にはMP消費のない「ボルテックス」の方が扱いやすいうえ、ボルテージ2の「突進」のような大移動に備えることが出来るのでこちらをオススメします。

再構築1回目:「フラックス」or「魔力増幅」
 開始時に「クラッシュエッジ」を選択しているなら「魔力増幅」、「ボルテックス」を選択している場合は「フラックス」を選択するとよいです。「フラックス」は回収した対応カードをコストにMPを増やせるので見た目ほど消費は重くないのがポイントです。抜くカードは「ショット」です。

再構築2回目:「ボルテックス」or「魔力増幅」or「リフレクション」
 「ボルテックス」と「魔力増幅」で選んでいない方のルートから取得します。ただし、再構築が遅れてボルテージ3が近い場合は「リフレクション」を取得しましょう。抜くカードは「スクイーズ」です。

再構築3回目:「リフレクション」or「魔力増幅」or「洞察」
 「リフレクション」と「魔力増幅」のうち、持っていない方を取得します。両方持っている場合は「洞察」を取得するとよいです。抜くカードは「ガード」または「アンカーショット」です。

再構築4回目:「オートガード」
 ゲーム終了目前なのでデッキVPを上げるために取得します。手札に「リフレクション」がある場合は与ダメージが減ってしまうので、手番スロットに置いてしまいましょう。抜くカードは3回目で抜いていない方です。

追記:「デスパレート」について
 7点出るとはいえ手札を切る都合、そのターン中に移動して撃つ動きがしづらく、他の行動も出来ないのは流石に弱いと思っていました。
全くそんなことはないです。4番手取るタイミングで手番スロットに置いて次ターン撃てば基本仕事しますし、MP要らないのが最高でした。むしろ初動で入れましょう。

おわりに

 ここまでの拙い文章にお付き合いいただき、ありがとうございます。『HacK ClaD』は5人のキャラクターそれぞれが全く異なる挙動をするほか、クラッドの行動や他プレイヤーの行動との相互作用の存在によって無数の展開が存在する非常に奥深いゲームになっています。この記事を読んだ皆様がよい『HacK ClaD』ライフを過ごされますことを祈りまして、結びと代えさせていただきます。

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