動機づけとお手伝い
利他的動機づけの影響
「人のため」と「自分のため」
特別支援の子たちはどちらの方が行動してくれるでしょうか。
長崎大学教育学部 准教授の前原由喜夫先生はADHDの大学生で実験を行いました。
「自分に報酬が発生する課題」と「他者に寄付金が発生する(無報酬)課題」ではどちらがパフォーマンスが向上するのか。
その結果、自分条件より寄付条件の方が成功率が高かったと報告されました。
ADHDの子で自己管理は抜けていても、他人のために喜んでお手伝いをしてくれる子がいます。
利他的動機が強い子だったのですね。
「内発的動機」で動けるように
心理学では有名な動機づけに「外発的動機」と「内発的動機」があります。
簡単にいうと
外発的→他者に決められて行動する状態
例「サッカーの試合で1ゴールきめたらおもちゃを買ってもらえる。」
内発的→自分で決めて行動する状態
例「サッカー好きで次の試合で1ゴールきめるなど個人目標をたてる。」
特別支援の子たちは特に報酬(外発的動機)に弱いです。
そのため短期的にみれば外発的動機づけが効果はあります。
しかし外発的動機づけは満足したらまた次、また次、という終わりのない報酬です。
真の充実感を味わえ長期的な成長を望める内発的動機で動いてほしい。
また、ASDの子たちはこだわりが強く外発的に命令されても抵抗を示します。内発的に動けるように誘いを入れることが大切です。
内発的、利他的動機を満たすお手伝い
お手伝いには素晴らしい動機づけの効果が隠れています。
①利他的動機
お手伝いは相手のために動いているので利他です。
人のために動いています。
②内発的動機
あくまで手伝うか決めるのは自分です。
強制してはいけません。
「~してくれると助かるなぁ。」
独り言のようにつぶやきましょう。
自分で決めさせます。内発的動機を促しています。
お手伝いは子供が自発的に動くことで内発的動機が育まれ、他者のために行動する利他的動機も高まります。
私は動機づけのことを学び、今ままで当たり前のようにさせていたお手伝いに改めて感心しました。
もちろん子供は動いてくれないこともあります。
(高学年はむしろ動かないことが多い💦)
だからお願いをするというより、お手伝いをつぶやくことで内発的に動くよう仕向けましょう。
断られても単なる独り言です。
お手伝いという単純な作業には限りない可能性があります。
お手伝いの中で子どもとのコミュニケーションを通じ、動機づけの豊かさが引き出せます。
ぜひ宝くじが当たるぐらいの確率でお手伝いトラップをしかけまくりましょう。
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