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"Daniel" Elton John–1973 

[RADIO DAYZ] 1973 あの頃ラジオから流れていた懐かしい名曲を紹介します。

1970年に「Your Song (僕の歌は君の歌)」のヒットでスターダムに上り詰めたエルトンでしたが、商業的に成功を収めるのは1973年になります。

73年1月リリースのアルバム『Don't Shoot Me I'm Only the Piano Player (ピアニストを撃つな!)』収録曲からヒットシングルが生まれます。

アルバムリリース前の72年にリリースした先行シングル「Crocodile Rock」が大ヒット。アルバムセールスに勢いをつけます。

そしてアルバムリリースの後に、73年3月に「Daniel」がシングル・カットされます。長閑なメロディとアレンジで優しく歌うこの曲は、USシングルチャートで2位を獲得。アダルト・コンテンポラリー・チャートでも2週間1位をキープ、UKシングルチャートでも4位と大ヒットになりました。

今まであまり深く考えたことも無かったけれど、そういえば「ダニエル」って誰なのでしょうか。この曲は長閑な雰囲気とは裏腹に、退役軍人をテーマにした歌なのだそうです。作詞のバーニーによると、「"ダニエル"という曲は、ベトナム戦争で失明した退役軍人が、地元に戻りヒーローとして讃えられるけれど、そんなことよりも心の傷を癒したいのだと、スペインに旅立つ兄(ダニエル)を見送る弟の話というフィクション」なのだそうです。

歌詞を聞いているかぎり、戦争からの帰還兵であることを示す言葉には気づきません。社会問題を背景とした複雑な心情を歌っているとは思いもしませんでした。
(https://eltonlinks.com/elton-john-faq/#qa2)



そして同じく73年10月にアルバム『Goodbye Yellow Brick Road (邦題: 黄昏のレンガ路)』がリリースされます。LP2枚組の大作で、制作コンビの創作意欲が炸裂していたということですね。

このアルバムの先行シングル第一弾、同年6月に「Saturday Night's Alright for Fighting (邦題: 土曜の夜は僕の生きがい)」がリリースされます。

典型的なオールド・スタイルのロックンロール・アレンジで、ティーン・エイジャーの若々しい日常を歌い上げます。この曲はジャマイカで録音され、貧粗なスタジオの機材が幸いして、結果的にオールディーズ作品のような仕上がりになったとのことです。

UKチャートで7位を獲得、9週連続トップ50位内にランクイン。USチャートでも12位を獲得して、商業的にも大成功となりました。

「土曜の夜は盛り上がり、みんなで飲みまくって踊りまくろう!」「どこのパブも人だらけ、可愛い彼女を見つけたら、俺のモノだと叫びたい」「やっぱり土曜の夜は最高だ!」と完全にはじけた曲ですね。(かなりの意訳w)


そして先行シングル第二弾として同年9月にタイトル曲「黄昏のレンガ路」がリリースされます。UKシングルチャートで4位、USチャートで2位を記録する大ヒット作となります。後にRIAAから74年にゴールド認定、95年にプラチナ認定、2020年にはダブル・プラチナ認定を受けるなど、時代を超えた永遠の名盤として讃えられることになります。

静かなピアノバラードの曲ですが、歌われている内容はあまりにも詩的すぎて解釈不能です。「Yellow Brick Road」とは、オズの魔法使いの主人公ドロシーの一行が永遠のエメラルドシティに至るまでの道程を指すとされています。歌詞にある「森の中のフクロウとかヒキガエルの狩猟」など一体何を比喩しているのか・・・作詞家本人に聞くしかありません(汗)。

最後のフレーズ「I've finally decided my future lies. Beyond the yellow brick road~♪」あたりに解釈の肝がありそうな気がしますが・・・。

当然のように、この時期のエルトンの曲はラジオでもかかりまくりでした。特に歌詞の意味など初めからスルーしていた私には、この「グッドバイ…」は当時からとても好きな曲でした。レンガ道ではありませんでしたが、当時私が暮らしていた街には壮大な銀杏並木があり、駅まで続く黄色い落ち葉で埋め尽くされた大通りを歩きながら「あぁ〜、あぁ〜、あぁ〜♩」とコーラスパートを(もちろん心の中で)繰り返していました。

歌詞の意味はさておき、この時代を代表する名バラードですね。

そしてこのアルバムからは翌年74になっても、シングルカットがまだまだ続きますが、そのお話は別記事で紹介します。



夢中になってラジオを聞いていた頃の思い出をこちらでも語っています。

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