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のほほん双六 #002 おはなし ブゥ家の三兄弟_02

第二話「災いの正体」

僕の名前はブゥブ。兄弟の一番上。
たまたま弟たちよりも先に生まれたから長兄ってだけの、頼りないポンコツなブタ。【災い】に遭遇したときのことをこれから話すよ。あと小さな妖精たちのことも。

その日は天気の良い日でさ、僕たち三兄弟は山でキノコを夢中で採っていたんだ。でも急にあたりが暗くなり、立っていられないほどの強風が舞った時、大きな大きな鳥がくちばしをめいいっぱい開け僕たちを捕まえようと目の前に、あわわっ絶体絶命!

まちがいさがし

「あわわっ」 まちがいは5つ 答えは下記

『わぁ!喰われる!!』と覚悟したその時、おび状の緑色の光りがどこからか飛んできて大きな鳥を攻撃。あっという間に大きな鳥は消えて、いつもの山中の風景に戻っていた。心臓がドキドキ、三匹ともパニック状態だったけれど、五つの緑色の光が陽光の中で輝いているのを見たら気持ちが落ち着いてきた。なんとも不思議なものだと思っていると、緑色の光をじっと見ていたブゥブブブがハッとして「君たちは妖精なの?」と聞くと、「そうよ」と返事をする声が聞こえたんだ。

妖精たちが「信じてほしい」と前置きしてから、なぜ僕たちの前に現れたのか話しをしてくれた。あの大きい鳥は【災い】という名前で、長い年月をかけ「不老不死」になることに執念を燃やす化け物。不老不死になれる条件のシルシが現れると目覚めてこの世に現れるのだそうだ。シルシを保護して【災い】が不老不死にならないよう力を尽くすのが妖精たちの役目だと教えてくれた。
「僕たちのうちの誰がシルシなの?それとも三匹全員がシルシ?」緊張した面持ちで聞くブゥブブ。「あなたたち三兄弟みんながシルシ。あなたたち三匹を食べると【災い】は不老不死になってしまう。」ということはこの先も今日みたいなことが続く、ってこと?

「ブゥブ」
振り返るとブゥブブが何かを指さしている。その先には数匹の仲間たちが慌てて村の方へ走っている姿が見えた。あぁ、村じゅうのみんなに今のことが知れ渡るのはあっという間だよ。恐怖よりも不安のほうが大きくなって胃がぎゅうってなってきた。痛みで顔色がみるみる悪くなっていくのを見ていた妖精が、
「もう今までのように村で暮らすことはできません。わたしたちがいる妖精の里ならばあなたたちを守れるし、安全に暮らせるように協力も出来ます。一緒に妖精の里へ行きましょう。」
申し出はありがたいと思った。僕たちが頼れるのは妖精しかいない。でも僕はこれを聞いてなんだか悲しい気持ちと怒りとがない混ぜになってしまった。ずっと続くはずのここでの穏やかな日々がいまこの瞬間、こぼれ落ちてしまったから。

妖精の話しを聞いて弟たちはどう感じたのか気になった。
ブゥブブは耳がパタパタしているから仕方がないなって思っているようだ。ブゥブブブは妖精の里へ行けるのが嬉しいのか笑顔で楽しそうに妖精とおしゃべりしている。まったく、おおらかで羨ましいよ。え?!妖精の里まで行くのにひと月もかかる?海が見られるかなって?知らないよそんなこと。しかし…ひと月も移動するのはしんどいな。そうだ、君たち妖精の魔法かなにかでパッと僕たちを一瞬で移動させることって出来る?えっ、出来ないの。残念…。   ーつづくー

まちがいさがしの答え

1.キノコ→りんご
2.大きい鳥の眼の色が逆さま
3.大きな鳥のくちばしの色
4.大きな鳥のくちばしから伸びている手、薬指の爪の色
5.ブゥブの口が閉じている

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