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ミツバチ大量死とネオニコチノイド系農薬の関係

蜂にも様々な種類のものがいますが、
中でも身近なものとして、蜜蜂がいますよね🐝

ミツバチはおとなしい性格で、基本的に自ら攻撃してくることはありません。

「ハチの一刺し」という言葉をご存知でしょうか?


これはミツバチの「一度針を刺したら死んでしまう」といった生態を模した言葉です。

ミツバチの針には「かえし」がついていて、一度刺すと皮膚からなかなか抜けません。
針とミツバチの体を結ぶ筋肉は弱く、針を刺すと内臓ごとお腹からちぎれてしまいます。

そんなふうに、命をかけて行うことが
他の生き物を襲う、という行動なんですよね。
自分以外のものに対して攻撃する行動に、自分の命をかける。
人間に、その覚悟ってあるのでしょうか。。。?

害虫と決めて(ハナバチ達は益虫分類ですが)
悪い菌だと決めて
悪い民族だと決めて
悪い思想だと決めて
排除しようとする。。。


話が逸れましたが、
そんな蜜蜂を含むハナバチがいなくなってしまうと、食料となる農作物(対象は約100種類にも及びます)の交配がうまく出来なくなってしまうため、重大な食料危機に陥る事をご存知ですか(T_T)?


ハナバチとは、ハチ目ミツバチ上科のなかで、花粉や蜜を蓄える種類のハチの総称です。そのためミツバチやクマバチ、マルハナバチなどは、すべて「ハナバチ」に含まれます。

人間だけではなく、
ハナバチたちの存在は人間を含む生態系の存続を左右するほど、重要なキーなのです。

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近年、地球上の生き物たちにとって重大な役割を持つハナバチ(ミツバチ)の数が急激に減少してきています。


ミツバチ大量死動画
https://youtu.be/yu9wbGcE5WE

〜「蜜蜂崩壊症候群」(CCD)とは〜
大量のミツバチが消える現象として、「蜜蜂崩壊症候群」(Colony Collapse Disorder, 略して“CCD”)があります。
CCDとは、たとえば突然巣箱にいた大半のハチの群れが消滅したり、
女王蜂や幼虫のみは巣箱に残っていても、エサを運ぶ働きバチが戻ってこないために、最終的に群れ全体が死んでしまったり、
女王バチの発生数が減少して新しい群れが作れなくなったりする現象を指します。


その大きな原因として
ネオニコチノイド系農薬(略して「ネオニコ農薬」)が挙げられます。

ネオニコは日本に住む私たちにとっても無視できない、世界レベルでの大問題を引き起こしている重要な物質です。

ネオニコチノイド系農薬は「神経毒性」を持っており、ミツバチをはじめとした昆虫の神経をかく乱させてしまう作用があります。


神経を乱された働きバチは、巣に帰ることができなくなってしまったり、死んでしまったり、生殖能力に異常をきたしたりします。

害虫を駆除するために散布されるネオニコチノイド系農薬が、
(人間にとっての)害虫以外の昆虫にまで作用するのは、当然と言えば当然の結果なのです。
また、昆虫は鳥の食料ともなることから、鳥類の減少に対するネオニコチノイド系農薬との因果関係も指摘されています。昆虫の死滅は生態系全体の問題でもあります。


ネオニコチノイド系農薬とは

ネオニコチノイド系農薬(8種類ある)とは、
タバコに含まれる有害物質ニコチンに似た作用を持つ、1990年代に開発された農薬です。
✔️神経毒性のほか、
✔️残効性
(長く効果が残る、残留濃度が高い性質)
✔️水溶性による浸透移行性
(葉・根などから薬の成分が吸収され、植物全体を移行することで葉や花自体が殺虫効果を持つようになる性質)
などの強力な殺虫作用があります。

その強力な殺虫力により、他の弱い農薬と比べて1回の使用量が少なく、長く残留するために散布の回数も少ないメリットがあるため、
水稲や野菜などの農作用以外にも、
家庭用殺虫剤やガーデニング用、ペットのノミ取り剤など、幅広く使用されています。

しかし、
ネオニコチノイド系農薬が持つ、
中枢神経の伝達物質の働きを阻止し、神経を乱す性質は、
昆虫だけではなく動物においても作用することは十分に考えられ、
残留濃度の高さから
人間の子どもの脳の発達への影響も懸念されています。

「ハナバチたちの大量消滅とネオニコチノイド系農薬には、直接的な因果関係は明白には認められていない」
「検証実験には正確性がない」
などという反対意見も見られますが、
その強い毒性が世界規模での生物多様性存続に対する危機感を高めている事実は否めません。


世界的な使用禁止の流れにも関わらず。。。


2018年9月1日より、フランスではネオニコチノイド系農薬の主要5種
✔️クロチアニジン
✔️イミダクロプリド
✔️チアメトキサム
✔️チアクロプリド
✔️アセタミプリド
の.農地使用(屋外、温室)が全面禁止になりました。

実は3種
✔️クロチアニジン
✔️イミダクロプリド
✔️チアメトキサム
は、2013年にすでにEU(欧州連合)が農地使用を制限しており、
さらに2018年には
「(農地使用での)屋外全面使用禁止」を決定し、2019年12月より施行しています。

ちなみに韓国は2014年3月にEUに準拠して3種を使用禁止。
アメリカでは、2015年に4種
✔️クロチアニジン
✔️イミダクロプリド
✔️チアメトキサム
✔️ジノテフラン
に使用制限がかけられ、

トルコでは2018年12月に3種を使用禁止としています。


※EUの「農地使用における屋外全面使用禁止」に関しては不十分という指摘もあり、今後も世界的に規制内容が見直されることは必至です。


そう言った世界的な流れに対し、日本におけるネオニコチノイド系農薬の規制状況はどうでしょうか。


驚くべきことに日本では、ネオニコチノイド系農薬を1種でも「使用規制・禁止」するどころか、
「食品残留基準値緩和」(食品にネオニコチノイド系農薬の含まれていてもOKとみなす値を引き上げること)を行っています。

たとえば2015年5月における食品残留基準値緩和処置では、
ホウレンソウは
「それまでの基準値の13倍」
に引き上げられました。

日本の農作物が、EUなどから(ネオニコチノイド系農薬以外の農薬も含めて)
「残留基準値」の大きな差異によって輸入拒否されることは珍しくありません。


農林水産省は、2020年4月施行の改正農薬取締法にて、影響評価対象に「飼育用ミツバチ」を追加しました。
さらに、農薬の容器に被害を与えない使用方法を表示することなどを義務付けました。

また、2020年6月に環境省は、新規に登録される農薬の安全性審査の対象となる影響評価生物に「野生のミツバチ」を追加する方針を固めました。

以上から、日本国内でもネオニコ系農薬の製造や使用方法が制限されることになりましたが、
状況は変わっていないように感じます。

ネオニコチノイド系農薬がこれほどまでに使用されるのは、
害虫駆除能力の高さや効果の持続性の高さ、
生産性が高くコストを抑えられる点など、農作物を育てる上でのメリットが挙げられるためであり、

農業従事者の中には、ネオニコチノイド系農薬の規制を良く思わない方々もいらっしゃるかもしれません。
代替案がなくては、害虫によって農作物が育たなくなる、という事を考えてしまうのかもしれません。


1962年に発刊されてベストセラーになった、レイチェル・カーソンの
「沈黙の春」
という本があります。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/沈黙の春

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その中に、こう言った一節があります。

「昆虫防除に化学薬品を使い出してから、私たちは二つのきわめて重大なことを見落していた。
まず、人間ではなくて、
自然そのものの行うコントロールこそ、害虫防除に本当に効果があるということ。
害虫の個体群は、生態学者のいう環境抵抗によってチェックされているが、
これこそ生命がこの地上に誕生してから、変わることなく行われてきたいとなみといえよう。」


「愚かなことに、私たちは天敵を殺してみてはじめてそのありがたさに気づく。
自然のなかを歩いても、その美しさに気づく人がほとんどいないように、自然の不思議、私たちのまわりでいとなまれている不思議な、ときにはおそろしいばかりの力に溢れた自然を見る人はいない。」


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人類は地球上で、最も多くのものを与えられた生き物でしょう。


大きな文明を築けるほどの知恵と力を持ちました。

しかしその発展は自然の力なくしては決して成し遂げられなかったでしょう。

現在でもほぼ全てのものを我々は地球に存在するあらゆる自然から享受しています。

当たり前のように存在してくれているそれらの物に、
人類は目を向けるのを忘れがちだと、感じさせられます。

それだけでなく「もっと、もっと」という欲望のまま、時には自分たちにとって害となるものを排除する。

今の人間社会を眺めるにつけ、
そう言った事を深く考えさせられます。

都合がいい(と勝手に決めて)
ものだけ重宝して
都合が悪いと感じるものは徹底的に排除しようとする。

果たしてそれは未来に繋がるのか?

わたしの答えは「否」です。


ひとりひとりが、
こういった事を知り、考える。

そうした小さな意識が日々の行動を変えていくのだと思うのです。
次世代へバトンを繋いでいくにあたり、
今、生きている者として必要な事だと心から思うのです。

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参考
ネオニコの他にも。


三大農薬・・・グリホサート(ラウンドアップ)系、有機リン、ネオニコチノイドについて
https://shinga-no-memochou.tk/?p=7257


人間ってほんま罪な生き物。