5筋位取り中飛車 3筋振り直し

 社団戦2日目の反省から、「有利な局面からどう決めるか」ということを主に勉強しています。今回は5筋位取り中飛車です。


①5筋位取り中飛車になる時

△6四歩~△6三銀の時にのみ▲6六歩と止める。

 金が右側に行っている+6三銀型には▲6六歩とした方が有利になりやすい印象です。

成功図。こうなれば9割勝てる

 基本的な狙いは上図のように▲6五歩と突くことです。△同桂には▲6六歩、△同歩には▲6四歩△同銀▲7四飛があります。

端から手をつくるのも一考

 ▲9七香~▲9五歩も狙い筋の1つです。単に▲9五歩△同歩▲同香△9四歩▲同香△同香▲9五歩もありますが、△8六歩や△9二飛もあるので決まるか微妙なところ。▲9七香が確実なルートになります。

②後手の対抗策

5筋交換+△4二角

▲6四歩に△同角と取る意図。

 この△4二角はこの前の社団戦2日目で初めて指されました。▲6四歩を封じておくだけで▲6五歩が効かなくなります。

 一目は▲4五歩と突き、△同歩なら▲同銀△4四歩▲5四銀と出て攻めが続きます。ですが△3三桂と辛抱されると手に困ります。▲4四歩△同金となれば4筋が手厚く後手が指しやすいでしょう。

△4二角の狙いは固めてからの△6五歩

固めきることができれば後手作戦勝ち。

 後手からは固めて△6五歩を突くのが狙いです。▲6五同歩に△8七歩と垂らす手、△8五歩と合わせる手などがあって後手が指しやすいです。

▲6五歩と開戦して悪くはないが……

 ①で見たように「単に▲6五歩」「▲9七香~▲9五歩」も効かないとなればシンプルに▲7七桂~▲6五歩とつっかけることになります。

 上図から△6五同歩▲同桂△同桂▲同銀△7五歩▲6六飛△6四歩▲5四銀のようにいけば攻めがつながって優勢でしょう。しかし後手の銀冠が手厚いので、陣形の堅さを活かされているきらいもあります。

5筋を抑えないという選択肢

5筋をとられても▲4七銀と引けば形が良い。

 5筋を明け渡すのも有力です。▲5五歩と押さえると△5二飛から狙う手が生じます。どうせ7筋を狙うのであれば6三の銀にどいてもらうのも有力でしょう。上図では▲7五歩~▲4八角のルートが厳しく残っています。

 ▲6五歩からの攻めは無くなりますが、7筋に絞ればこちらの方が銀冠に組まれていないぶん勝ちやすいと言えます。

8四飛・6三銀型への対応

先手が有利になる手順は少ない

この形への対処もしっかりしておきたい

 8四飛と浮いている形は△7四銀▲7八飛△7五歩と受けてくることも考えられます。

 部分的な形としては▲6七銀~▲7六歩と合わせる手があってまずまずなのですが、そこで△4五歩(下図)と開戦する手があります。

頻出の形。実際にやられて嫌でもある。

 ▲4五同歩△6五歩と進んだ局面は互角ながら△5五角の飛び出しを見て後手もやれていそうです。

角交換で先手まずまずだが

角交換になれば▲5五角が残る

 △5五角と飛び出した瞬間は後手がやりたいことを実現していて優勢に見えますが、先手はこれを受けるしかありません。下手に▲4七金と上がると陣形に隙が生まれます。また後手は穴熊を組んでくるので、組みあがる前に動きたいところです。

 そこで▲7七角とぶつけるのが一案です。△同角成▲同飛に△8八角は▲5五角で先手勝ち。△6五桂も▲7八飛△8六歩▲5五角△3三角で次の▲7三角成~▲7四馬~▲7五飛を見て先手良し。

 そこで△3三角(下図)が普通でしょう。

居飛車が勝ちやすい将棋だと思う。先手は正確に指さないと互角を維持できない。

 先手からは▲6四角や▲4六角と打って△8三飛を強要するのが良いと思うのですが、個人的にはやや後手持ち。ただし▲5六銀と上がって▲4七飛の転換を見せれば先手もかなりやれる形なので、先手をもってみたいという方も多いでしょう。

組み合えば先手優勢

組み合っても不満はない
 

 7四銀を咎めようと早く動いても後手の△4五歩が強敵で思ったほど優勢にはなりませんでした。そこで組み合ったらどうなるかを見ていきます。

 結論から言えばこの形が後手の7四銀をもっとも咎めていると言えます。7四の銀は中途半端な位置なので、囲い合いになると明確にその不利が表出してきます。

 上図から後手が仕掛けるのであれば△4五歩▲同歩△5四歩(下図)と進みます。

▲同歩なら△6六角▲7七角となって後手の堅さが活きそうだが。

 こういった局面では▲2六角と出てみたいです。やはり次の▲6二角成~▲7三馬が強烈で先手が良さそうに見えます。後手から手をひねり出さなければいけないので先手が評価値以上に勝ちやすいです。


 

 

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