棋譜を載せるだけ(4/21ー23版)


※後手番の棋譜は便宜上先手で表記しています。

①VS先手三間飛車:玉頭への振直し

序盤

30手目 ▲8八玉 

 石田流を牽制しながらの駒組みです。左で2枚の銀冠穴熊に組むのが工夫の構想で、△3五歩と石田流を目指す手は△3六歩と突くと反動が厳しいので成立しなさそうです。
 ただこの時点で後手は2手ほど不必要な手を指しています。▲5六歩と▲8八玉です。特に▲8八玉は先手の攻めを誘発する危険な手でした。この2手に代えて▲3六歩としておくのが一案で、単に▲6六歩▲5八金で銀冠を目指すのは石田流に組まれるのが怖いです。そこで▲3六歩と突いておけば先手からは争点が生じますが、最低限攻め合いになるので、囲いが遅れている先手は自信が無いように思われます。

中盤

39手目 △4五歩

 直前に突いた▲4六歩がかなり危険な1手で先手のペースになりました。この形は▲7九玉△9九角成に▲8六歩として簡単には潰れない形だと思っていたのですが、1歩渡ったことで攻めに弾みがついてしまいました。

 ▲4六歩に代えて▲6六歩~▲5八金は一考で、こちらの方が手堅かったように感じます。

 本譜は▲7九玉△4六歩▲8六歩△8四銀▲4六角△8一飛(下図)と進みました。

45手目 △8一飛 

 形勢はともかく、先手ペースの戦いです。攻めを切らすのは簡単ではありません。この戦型は攻め合いに活路を求めることが多く、後手の方が難易度の高い局面です。

 本譜は▲6四角と指しましたが、これが良かったかどうか。桂馬を取った時にふんどしが利く意味ですが、後手を引く手なので微妙です。▲2四歩も考えましたが、△同歩▲2二歩とした時に歩切れになることに加え、どの程度効いているのかわかりませんでした。
 
 ▲6四角に△6三金右▲3七角△7五歩▲8五歩△同銀の局面で最大の勝負所を迎えました。

終盤

51手目 △8五同銀

 ここで▲8二歩△7一飛▲5五桂としたのですが、△8六歩が思いのほか厳しく投了となりました。

 本譜に代えて▲8六歩△同銀▲同銀△同飛▲8七歩△8一飛▲8二銀△4一飛▲5五桂と進むのは一案で、とにかく飛車を玉頭から追い払う方が良かったかもしれません。

②VS丸山ワクチン風

12手目 △5二金 後手番ながら角交換をしてきた

序盤

13手目 ▲7七銀

 向飛車に振り直す作戦が好きなので、序盤はサクサク進めていましたが、よく見るとここで▲7七銀は逸機だったように思います。丸山ワクチンの手順だと▲5五歩は△6三銀で受けられてしまうので歩交換はできないのですが、このタイミングなら▲5五歩は突けたので得でした。

21手目 ▲8六歩

 逆棒銀の筋で反撃を狙います。丸山ワクチンに対して単調に組み合っていると作戦負けに陥ることが多く、▲4八金で軽く囲ってから先攻します。

 最近は角交換系の将棋を勉強する機会が多く、いざ実戦という気持ちで開戦しましたが結果的には良い仕掛けとは言えませんでした。

中盤

26手目 △6五銀 部分的には定石通りの展開

 ▲8六歩△同歩▲同銀に△7四銀は▲7八金と上がる予定でした。次に▲7五歩があるので△8五歩▲7七銀くらいですが、端歩を突いている効果で定石よりも1手早くなっています。囲いが美濃囲いでは無いので成立しているかは微妙ですが、部分的には有力な筋だと思います。

 本譜は▲8六同銀に△5四銀と上がってきました。これも丸山ワクチンではよくある手で、▲8五銀は△6五銀で次に△7六銀があって後手優勢。そこで本譜は▲8五歩△6五銀▲7七銀△5六銀▲8四歩(下図)と進みました。

29手目 ▲8四歩 ここまでは順調

 ここで△7四角と打たれました。これに対し本譜は勢い▲8三角から攻めて行ったのですが、今見返すと▲5八金左と上がる方が手堅かったように感じます。以下▲6六銀~▲5五銀や▲7五銀を含みに角を圧迫していけば先手の模様が良さそうです。

 本譜は▲8三角△8五歩▲7四角成△同歩▲8五飛△7三桂▲8八飛△8六歩▲同飛△6七銀成と進行し、後に飛車交換になりました。

終盤

53手目 ▲4五角 後手が指せそう

 ソフト先生曰く局面はまだまだいい勝負のようですが、後手に飛車を先着されているので気分は先手苦戦です。

 ▲4五角は△5六桂を消しつつ▲3四角から玉頭を攻める勝負手ですが、△5六桂がそれほど厳しくないのでケアする必要はありませんでした。並みに▲8一飛と打って勝負に行くところでした。この辺り金無双の距離感を計り間違えていました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?