棋譜を載せるだけ(4/24-30日版)

①先手中飛車vs2枚銀(10分切れ負け)

序盤

27手目 ▲5四歩 1歩交換に成功した

 先手中飛車では1歩交換ができればまずまずです。後手の△7三桂はよくある工夫なのですが、端歩が無いのでこの瞬間に限り歩交換が成立します。△5四同歩▲同飛△5五歩(次に△4五銀や△5二金右~△5三金の狙い)に対しては▲7五歩△8四飛▲9五角△9四飛▲6四飛△同飛▲7三角成のような狙いが一例で先手が暴れる展開になります。

 後手は▲5四歩△同歩▲同飛に△9四歩と突くのが定石化された対応です。

中盤

37手目 ▲7五歩

 直前で△3三角と上がられているので仕掛けとしては失敗だったかもしれません。仮に角が2二のままだと△6五桂▲同銀△同銀▲4五歩△同歩▲2二角成のような筋があるのですが、△3三角の一手でそれが消されています。また飛車が5四にいれば技をかけやすいのですが、引いていると▲5五角を狙う筋が基本になるので、ここはもう少しどっしり構えた方が指しやすい将棋だったでしょう。最低でも▲4七銀~▲3六歩、▲3七桂まで。もっと欲を言えば▲2六歩や▲9八香をいれてから▲6八角の筋を決行してみたいです。

 本譜は相手が▲7五歩に△8四飛と妥協してくれたので▲7四歩△同飛▲6八角として次の▲4五歩が狙いになりました。

48手目 △8六歩

 お相手も誤算があったか、銀を捕獲することに成功しました。が、瞬間悩ましい歩が飛んできました。次に△8七歩成~△7八との狙いは遅いのでなるべく手抜きたところですが、こちらからすぐに反撃する手はないので一度受け止めるしかありません。▲8六同歩△8八歩▲4五歩△8九歩成▲4六角△9九と▲2五銀△2二桂▲6四角△同飛▲7五銀打(下図)と進みました。

59手目 ▲7五銀打

 この辺りはほぼ互角の進行ですが、先手陣が薄いのがやや気になるところ。▲6四角と行ったのはやりすぎだったかもしれません。4六の角はいなくなると△4六桂や△4六香といった攻めが見えているので想像以上に重要な駒だったようです。改善案としては▲2五銀に代えて▲7二銀ともたれておくのはあったかもしれません。堅さを維持しつつ成駒を作っておくのは振飛車らしい指し方です。

終盤

74手目 △5三同歩

 この局面が最後の勝負所でした。本譜は残り2分で▲4九飛としてしまったのですが、△6六角成の味がよく後手が優勢になりました。ここでは代えて▲5六飛としておけば角成を防いで良かったようです。時間が切迫すると手が見えなくなるのは悪い癖ですが、お相手は6分残していたのでもっと序盤から早く指さないといけなかったですね。

②早石田VS穴熊(10分切れ負け)

序盤

34手目 △6五歩 石田流を阻止してペースを握った

 先手の▲6八銀に反応して△8五歩▲7六飛△6五歩を決行します。プランとしては穴熊に組みつつ、先手が▲6八銀と上がったタイミングでいつでも突く予定だったので、上手く仕掛けることができたと思います。

 以下▲6七銀△6六歩▲同銀△6五歩▲7七銀として石田流を阻止することに成功しました。1歩を使う代わりに銀の位置が悪いのが後手の主張です。3月中旬に大阪で開催された学生選手権で石田流にボコボコにされてから勉強をしていた甲斐がありました。

中盤

56手目 △9五歩

 7七に銀を引かせたのは良いのですが、この形に対する攻め方がわからず四苦八苦していました。7七の地点が桂馬なら斜め駒を持って△6七銀等を狙う筋、桂馬を持って△6四桂を狙う筋があります。また6三に歩がいれば銀を繰り出していくことができるのですが、歩を突き越している関係で△6四銀には▲7四歩と突かれてしまって失敗します。1歩があれば△3五歩や△8八歩の筋で打開できるので、その1歩が欲しいところです。

 後手の△2三銀を見て▲6二歩と垂らされてしまい、成算はありませんでしたが仕方なく攻めることにしました。以下△9五同歩▲同香△8六歩▲同角△8八歩▲9五歩△8九歩成▲2五歩(下図)と嫌味をつけてきました。

65手目 ▲2五歩
先手は飛車を助けたいが、△8八とが見えているためにその暇がない

 次に△8八とや△6四桂があるので先手は忙しい局面です。▲2五歩と突かれた局面は後手が相当良いと感じていました。先手から垂らした▲6二歩は働きが弱く、飛車角の働きや駒組みの堅さに大きな差があります。従ってここからの方針としては▲2五歩さえうまく受け流せれば確実な攻めを通せるので、玉頭攻めを丁寧に受ければ良かったんだろうと思います。本譜は時間の無い中(後手残り時間5分)、攻め合いのルートを選択してしまいました。△6四桂▲2四歩△同角▲2七香△7六桂▲2四香△同銀▲2五歩△3三銀引▲7六銀△7九飛▲1四歩△同歩▲2四桂(下図)と進みました。

 ただ、▲2五歩に対して丁寧に△同歩▲同桂△4四角とすると▲1四歩が一目厳しいです。端攻めが来るタイミングで飛車降ろしが入っているかどうかというのは非常に大きかったように思います。

終盤

79手目 ▲2四桂 
こういう展開になると△2二金上とする前に仕掛けたのが活きている

 本当はじっくりと△3五歩から攻めていきたかったのですが、さすがに先手の攻めが早そうということで本譜は△同銀▲同歩△2六香▲2三銀△2七歩▲1三歩△同桂と進みました。

 ▲1三歩には△2八歩成と1回取った方が良かったのですが、焦って手を戻してしまいました。そして迎えたこの局面。

93手目 ▲1八玉
時間も1分半残っている。

 皆さんならここでどういった寄せの構想を思い浮かぶでしょうか。まぁ何を指しても大体勝ちの局面です。今見返してみると駒を渡さない△2六歩、取ると詰む△1六銀が第一感でしょうか。

 本譜は△1七歩▲同玉△1九竜▲1八歩△1五金(下図)と縛りました。

98手目 △1五金
上部を厚くして攻防の1手に見えたが、▲1六香で逆転しかねない手ではあった。

 対局中は▲1二銀成△同玉▲1三香成△同玉▲2五桂(打)から詰まないという確証が得られず、「上部に手厚く指した方が安全勝ちを狙えそう」と考えて△1五金を選択しました。評価値的に言えば悪手なのでしょうが、私の棋力を考えた時に最善の一手だったと思います。

 

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