相中飛車

 お盆前の3連休、皆さんいかがお過ごしでしょうか。ちなみに私は草取りに追われています……。大掃除よりも外の方が辛いです。暑すぎてもうタヒにそうです。

 さて今回は相中飛車について書いていこうと思います。今までなかなか調べる機会が無かったこの戦型。現れることも少なく、明確な対策というよりは何となく不利にならない形を目指していきます。

 また私が相振り飛車を好かないので、基本的には対抗形に近しい変化を調べていきます。


①左玉

基本的な方針は5筋の奪取

⇩上図まで

 対抗形を指す人が採用しやすい(と考えている)のがこの左玉。居飛車急戦で▲5八飛と振り直す形とイメージは一緒で、基本的には右桂を連動させて5筋を圧迫します。

▲4六銀はイマイチ

居飛車急戦においても▲4六銀の形は悪形。

 先手は陣形を発展させにくいので、急戦らしく足早に銀を進出させます。仮に▲1五歩△5三銀▲4五銀となれば先手まずまず。△8八角成▲同銀となっても次の▲3四銀が受かりません。このようになれば先手ペース。

 しかし後手が△5三銀と上がらないと先手は攻め手に欠けます。仮に△5一飛と引かれてもどうするかわかりませんし、後手からは△8八角成や△4四歩など変化が多いです。先手は▲4六銀と出ても狙いに乏しいことがわかりました。

▲4七銀+▲3七桂

やや後手の駒がイキイキしているような気がしないでもないが。

 上図は▲4八銀から少し進んだ局面。次に△6五銀があるので▲6六歩と止めるのが自然です。以下△5五歩▲6八銀△3五歩▲同歩△5六歩▲同銀△3六歩▲4五桂△4四角▲5三歩△3二飛(下図)のような展開は▲6五歩を見て先手良し。ただし陣形がバラバラなので若干怖い意味もあります。

▲6五歩を見て先手良し。

 後手は単に△5五歩と攻めるのは▲6五歩の反撃があった上手くいきませんでした。そこで陣形を発展させてから満を持して△5五歩と突いてきます。

後手は△7三銀引とするスペースを作った。

 ここで先ほどと同じような変化に進んだ時にどうか。陣形がバラバラでいい勝負に見えますが、馬を作れそうな先手が手厚そうにも見えます。

②穴熊

先手はこれ以上ない好形だが、指す手が難しい。力が必要な将棋。

⇩上図まで

 先手は6六歩型よりも6六銀型に組んだ方が良いです。中飛車は右金をくっつけることが難しく、6六歩型は△5五歩からの速攻を許す可能性があります。

▲9五銀は難しい

筋として▲9五銀はよくある手

 ▲9五銀として攻めを繋げるのは難しいです。△9五同香▲同角△8三金となっても次に△6四銀左から手厚く構えられて後手優勢に見えます。

3筋からの打開も成否は微妙

△4二角~△7五歩の活用が見えている

 3筋を交換しても先手からの攻めが難しいです。次に後手からは△8五歩▲7七銀引△4二角~△7五歩+△9一飛の活用が見えており、展開は後手の方がわかりやすいです。

 先手から一番早い攻めは▲4六歩~▲4四歩と突いていくことですが、これでは単に居飛車穴熊の下位互換感は否めません。2筋を突いていないので、攻めが難しくなっています。

 穴熊に組むのは後手に有望な変化が多いようです。

③角道不突き銀多伝

とにかく4筋に厚みを築く

⇩上図まで

 最後に個人的に気に入っている指し方を紹介します。銀多伝を目指す指し方です。

理想形の1つ。評価値は芳しくないが、実戦的な勝ちやすさがある。

 ポイントとしては①△8四飛に▲7八金を用意しておくこと②金銀を打ち付けて4~5筋の厚みを維持することです。

 最終的には▲7九角から角を活用していきます。対振り右玉みたいな戦法なので、組みあがってしまえば結構勝てます。オススメです。


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