先手中飛車穴熊vs2枚銀 リメイク
①参考記事
②後手最速の仕掛け
![](https://assets.st-note.com/img/1709740415467-if8IwiCu5h.png)
△6五銀の攻めもあるが後に解説する。仮に▲6八角が入っていれば△6五銀には▲7七銀として問題なく受けることができる(但し▲6八角が入っているので△5五銀が本線になる。)
△6五桂▲6八角△5五銀左▲同銀△同銀▲7七桂までが本線の変化。ここから△6四歩と△5七銀、△5六銀打の3通りに分岐する。
変化①△6四歩
![](https://assets.st-note.com/img/1709741079060-zxF5rzyOm9.png)
このあたりは部分的な定石。以下▲4五銀△7五歩▲3四銀△8四飛▲5六歩△7六歩▲6五桂△同歩▲2三銀成△同玉▲5五歩△3八歩(結果図)
![](https://assets.st-note.com/img/1709743029006-t0mmHHIHc7.png)
また途中▲2三銀成は形を乱す筋ではあるが、それ以上に手番が渡ってしまうのを考えると単に▲5五歩と取ってしまい、△3四飛▲4五銀△7四飛▲5四歩の方が攻め合いに持ち込みやすいかもしれない。
変化②△5七銀
![](https://assets.st-note.com/img/1709743355032-QPmUnfUsgV.png)
部分的には何回か指されたことのある形。△5七銀▲6五桂△5八銀成▲同金△6四銀▲4六角(結果図)
![](https://assets.st-note.com/img/1709743714491-8jcIAIXyy0.png)
以下△5五銀▲5三桂不成△4六銀▲4一桂成△同玉▲5三桂△3二玉▲4一銀△4二玉▲5四銀と追っていけば後手玉を寄せることができそうだ。
変化③△5六銀打
![](https://assets.st-note.com/img/1709743886818-6O1oiwakek.png)
正直この変化が最も怖い変化。次に△6七銀成があるので▲6五桂△同銀とし、▲7七角△5四銀▲4六桂△6五桂と進む。ここで怖いのがは▲4六桂くらいしか優勢になる手が無いことで、知っていないと苦しくなる。
△6五桂以下▲8八角△8六歩▲同歩△同飛▲3四桂△4四角▲2二銀△8七歩(結果図)
![](https://assets.st-note.com/img/1709744183509-fl4WPhJRUs.png)
どこまでいっても難しい戦いだとは思うが、先手には駒が無いので直線的な攻めは決まりにくい。△8七歩を本線としたが、結果図以下は▲5五角△同銀▲2一銀不成△同玉▲2二銀△3二玉に▲5五飛が一例で先手勝ちになる。後手が受けるなら△8七歩に代えて△5二金左などだろうか。これには▲5六歩△6四銀▲4四角△同歩として思わしい攻めが無い。▲2一銀成などで駒を回収し、決戦に備える感じである。
③△6五銀の仕掛け
![](https://assets.st-note.com/img/1709752757180-LAjfQdaXG5.png)
△6五銀への対応は金の位置が6九にいるかどうかで変わってくる。順に見ていく。
6九金で受ける
上図から▲4五同銀△同桂▲5九角△5七銀▲9八飛△5五銀▲7七桂△6四歩▲4五銀(結果図)
![](https://assets.st-note.com/img/1709753054822-a7bywRdZZG.png)
やはり▲7七桂~▲4五銀の手順が部分的な定石手順で先手が指せる流れだと思う。
4八金左で受ける
![](https://assets.st-note.com/img/1709753192950-EjHwp30L9x.png)
▲6五同銀△同桂▲5九角△1三角▲4六銀(結果図)
![](https://assets.st-note.com/img/1709753573196-pBsgt79IwF.png)
角を4八・5九どちらに引くか問題は頻出。金が6九にいない場合は5九に引くのが正着だろう。△6九銀~△7八銀成の筋を消している意味がある。
結果図まで進むと△5七銀や△5五銀を消して先手が良い。途中端角ではなく△5五銀のルートなら▲7七桂~▲4五銀の反撃筋で先手まずまず。
ただ実際には左金を寄せるのは難しいので、参考程度に留めておく。
④△6五桂の仕掛け
![](https://assets.st-note.com/img/1709753931453-jQ0jkibCnx.png)
参考:▲5九角と引く形はどうか?
▲5九角△5五銀左▲同銀△同銀▲7七桂△6四歩▲4五銀△5七銀▲9八飛△8六歩▲6五桂△8七歩成▲3八飛△6五桂(結果図)
![](https://assets.st-note.com/img/1709820483672-TIzfWt3a7w.png)
▲5九角と引くと△5七銀が生じるのが悩み。但し受ける展開でも▲5八歩という明確な狙いがある分わかりやすい展開ではある。例えば▲3四銀△7八と▲同飛△8九飛成▲7九飛△同竜▲同金△5八銀成▲7七角△6六歩▲8一飛くらいでも先手が指せそうではある。飛車交換を避けるなら途中▲7九飛に△8八竜くらいだが、▲7七角があるので(▲3三桂の狙い)先手が良さそうだ。
このように最初は6九に金がいる・いないで場合分けして考えていたが、△6五桂・△6五銀どちらに対しても▲5九角と引いておけば受け流せることがわかった。▲6八角の方が▲3五歩の反撃を見ているので反発力があるが、△5七銀や△6九銀の筋があるので覚えることが多くなる。全て▲5九角で受かると覚えた方が良いだろう。
⑤駒組みが飽和したら
![](https://assets.st-note.com/img/1709824747580-1I2Dtlo4xQ.png)
仮に端歩を優先していると(△7三桂に代えて△1五歩)▲5九金△1三角▲7八飛△7三桂▲4八金左のように形勢はともかく、金をくっつけることができる。そこで端歩を保留するのが後手の工夫になる。
こうなると先手からは手が出しづらいところで、▲5九金には△1三角▲7八飛△6五桂のように攻めを喰らってしまう。▲6八角も形ではあるが、1歩損するだけに最終手段に残したい。従って▲5四歩が残された手段である。▲5四歩△同歩▲同飛△5五歩▲7五歩が最も気になる変化である。この変化では攻め切れないとされてきたから△9四歩で困っていたのであり、これで打開できるなら▲3六歩⇔△1四歩の交換を入れずとも攻められることを意味する、重要な変化である。
変化としては①△5三金②△4五銀③△8四飛の3通りだ。
変化①△5三金
![](https://assets.st-note.com/img/1709825853641-Qk2HlEh15S.png)
▲5三同飛成△同銀左▲7四歩(結果図)
![](https://assets.st-note.com/img/1709826294729-zMKolagQK1.png)
結果図以下、△6五桂には▲同銀△7三歩成が痛打。△8四飛なら▲7五金だし、△8一飛にも▲6三と△4四銀▲5三歩のように攻めて行けばつながりそうだ。
変化②△4五銀
![](https://assets.st-note.com/img/1709826527767-lorZYRD3Cw.png)
▲5二飛成△同飛▲7四歩△5六歩▲7三歩成△同銀▲5三歩△8二飛▲6五銀(結果図)
![](https://assets.st-note.com/img/1709826857624-5JdiMPqJ18.png)
途中▲5三歩に△5一飛は▲5二金と露骨に打ち込み、清算すると▲6三角がある。
結果図は次の▲2二角成△同玉▲5五角を見て先手が指せる。後手は△7七角成▲同桂△5五角と先着するが、▲3七角が用意の切り返し。△同角成▲同桂が銀に当たるので▲5五角が先着できる。4五の位置は狙われやすいのだ。
変化③△8四飛
![](https://assets.st-note.com/img/1709827186625-UhHA7T47ud.png)
▲6八角△5三金▲同飛成△同銀左▲7四歩△同飛▲4八角△8八飛▲7五歩△8四飛▲7四金△8一飛▲6三金△8九飛成▲5四歩(結果図)
![](https://assets.st-note.com/img/1709874396669-qzOaYklOqM.png)
変化は多いものの手順としてはどれも似たようなものである。途中△5三金として飛車を取りに行ったが、△4五銀もある。この場合は▲6四飛△同歩▲7四歩(△同飛には▲7五銀打で飛車が取れる)△6五桂▲7三歩成△5六歩▲4八角△8八飛▲7八銀打(結果図)
![](https://assets.st-note.com/img/1709875237497-N9qzkhU9v9.png)
最終手▲7八銀を打たないルートも有力。▲6五銀△8一飛▲6四銀としてと金をにじり寄っていけばまずまず。詰む詰まないの勝負になってしまいますが、攻め合いは有望。▲7八銀の意図としては△8六歩▲6五銀△8五飛▲6四銀△8七歩成▲7九金のように飛車⇔金銀交換をして攻め合いに持ち込もうとするものだ。
△8四飛を入れず単に△4五銀とされた場合に比べて異なるのは飛車の位置。基本的に8四の飛車は狙われやすく悪形なので、それを全力で狙うために▲5二飛成か▲6四飛の違いが生じている。
⑥攻め切れない変化:▲5四歩△同歩▲同飛△6五桂
![](https://assets.st-note.com/img/1709882008135-QLLk39lihH.png)
以下▲6八角△5五歩▲7五歩△同歩▲7四歩△7二飛くらいで無理筋。▲7四歩が入らない展開は攻め切ることはできない。
⑤⑥で▲5四歩が無理筋だとわかった。
⑦駒組み飽和▲6八角
![](https://assets.st-note.com/img/1709882313907-PLFQzNTEm6.png)
▲6八角と引けるかを検討する。これが成立すれば▲5九金から囲うことも視野に入ってくる。
▲6八角△5五銀左▲同銀△同銀▲3五歩△同歩▲同角△8六歩▲5四歩△4四銀打▲5三歩成(結果図)
![](https://assets.st-note.com/img/1709883110247-lt9RhYXjhW.png)
後手は▲3五歩を手抜くと6四銀~△9九角成に▲7七角のぶつけがあるので△3五同歩と取るよりない。
上図以下は△同金▲5五飛△5四歩▲4四角△同銀▲5八飛と引いておき、△9九角成に▲7五歩くらいで先手の攻めは切れない。△8四飛には▲6二銀があるからだ。
そこで後手は△8六歩はできず、△4四銀打くらいだろう。▲6八角△5四歩▲5九金(結果図)
![](https://assets.st-note.com/img/1709883534959-GQMfniBfIt.png)
後手は方針に苦慮することになる。△4五銀は▲3八飛△3六歩▲2五銀くらいだし、△6五桂は▲5六歩△6四銀▲6六歩で桂馬が取られてしまう。放っておいても穴熊が堅くなるだけ(端角の筋が消えているので有効な攻めがない)なので、間違えなければ先手ペースの戦いと言えるだろう。
⑧まとめ
・速攻の仕掛けは反動が大きいので先手指せる➡②
・後手が端歩を入れずに攻めてくる場合は▲5九角と引いて受ければすぐには潰れない➡③④(▲5九角と引けば合流する変化)
・後手が端歩を入れてきたら6九金型で仕掛ける➡⑤⑥
但し7七角では△6五桂の反撃があるので、▲6八角が必要➡⑦
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