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連載中のショパン2月号が発売になりました!表紙は、今月スタートのTBSドラマ「夕暮れに、手をつなぐ」に主演の永瀬廉さん。


連載14回目の「世界のピアノ教本探検」で取り上げたのは、米国作曲家 グレン・マック氏が書いた
「50の短いピアノ曲による 旋法と調性の冒険」
1973年米国で出版され、日本語版は1995年に全音楽譜出版社から世に出されました。
翻訳はお馴染みの中村菊子氏と渡辺寿恵子氏。
私が所有しているのは、第1版第1刷で、日本語版最初の版。
現在では表紙の柄が変わっています。
中身はというと、、
現代音楽で用いられる様々な響きの元、その音使いの仕組みについて
簡潔な文章と8小節程度の弾きやすい小品でわかりやすく解説した、とても便利な1冊です。
とても薄い、しかも教育的な配慮が行き届いていて読みやすく弾きやすくわかりやすい!
どんな教本とでも組み合わせやすく、単独でも使いやすいのが最大の魅力と言えそうです。
世界の多くの教本が長短調の世界で書かれているのですが、この曲集タイプの教本は、調性の域を超えた響きの世界にも触れ、長短調全般、旋法(モード)、ペンタトニックスケール、全音音階、半音音階、シェーンベルクが始めた12音技法や多調音楽についても、とてもわかりやすく書かれています。
私が12音技法を詳しく学んだのは、米国教本ペーメソッドが最初。
音の仕組みがあまりにも単純で驚いたことを今も覚えています。
仕事で12音音列で書かれた曲を弾いたり教える機会はほとんどないのですが、
シェーンベルクの楽譜の意味がわかった時は、とても新鮮な気持ちでした。
写真は12音音楽の学習ページ(この教本とペースメソッド教本)
多調または複調と訳されるpolytonality 
これについては、曲集の最後に解説されています。
普段ピアノを指導する仕事に携わっている私でも、
12音音楽や多調の曲を指導する機会はあまりないのですが、
いろいろな響きの混じり合う面白さを伝えるために、
時々メリーさんの羊など子供の歌をC major とG♭major で両手で同時に弾くと
子供達がすごく調に興味を持ってくれます。
調性の学習は音楽の構造をより深く理解したり、響きの違いを味わうためには不可欠。
調号から入ると難しく感じる子達もいるので、重宝している一手です。
音楽の楽しさを伝える事を大切にしたいものです。
連載もあと残すところ4回。
私にできるかしら、、と不安でしたが、
思いのほか、楽しみながら書くことができました。
年末にコロナに罹患してしまい、どこにも行けず終いのお正月でしたが、
原稿だけは進みました!(笑)
今回の表紙と特集部分には、永瀬廉さんの素敵な写真。
ジャニーズ事務所さんからの規制でアップできないのが残念。
ラフマニノフ生誕記念特集記事はとても読み応えがあり、いつもにも増して充実した内容の2月号です。

最後まで読んでくださりありがとうございます。
あと4回の連載も、健康で無事に書けますように
皆様とのご縁に深く感謝しつつ



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