がん病態栄養専門管理栄養士受験

がんの資格でがん病態栄養専門管理栄養士という資格があります。
管理栄養士の認定資格の中で加算算定の要件になっている珍しい資格です。
一昨年まではがんの研修を300時間受けなければ受験資格を得られず、資格取得のハードルがとても高かったです。
昨年要件が変わり、学会が認めた修練施設で研修を受けなくても、がん診療拠点病院またはNST稼働施設で300時間以上、学会の提示しているカリキュラムと同等の経験を有し、かつ病態栄養専門管理栄養士を取得後2年、セミナーや単位など細かな経験をクリアすれば受験できました。
今年度より病態栄養専門管理栄養士の資格を持っていなくても”がん病態栄養専門管理栄養士”と同時受験をすることでがん病態栄養専門管理栄養士と病態栄養認定管理栄養士を同時に取得することができます。すでに”病態栄養専門管理栄養士”を取得している方と差別化するために同時受験の場合”病態栄養専門管理栄養士”でなく、”病態栄養認定管理養士”という名称のようです。
がん病態栄養専門管理栄養士は診療報酬に係る資格のため資格に対する需要は多いのではないでしょうか。
今後資格取得を目指す方々のために、私が取得した時に経験したこと・試験を受けた時にこういう問題が出るならここは覚えておいた方がいいなと感じたことを書いてみようと思います。
あくまで参考として考えてください。試験問題の内容や制度の内容を保証するものではありません。


申請条件

まず申請条件ですが、下記の通りです。こちらは学会のHPにも書いてあります。2024年からはこちらから一部変更予定のようです。
(1)日本国の管理栄養士免許を有し、管理栄養士としての人格と見識を備えていること。
(2)本学会および日本栄養士会の会員であること。
(3)申請年度分までの両会年会費を完納していること。
(4)本学会認定「病態栄養専門(認定)管理栄養士」または、日本栄養士会認定「臨床栄養認定管理栄養士」を取得していること。
(5)実地修練において下記何れかを有すること。

  • ①本学会が認定した実地修練施設において300時間、と自施設における実地修練時間(実地修練施設における実施修練内容に準拠し、自施設内で700時間、がん患者のケアにあたること)700時間の合計1,000時間の実地修練を修了していること。

  • ②がん診療連携拠点病院またはNST実施施設で、過去3年間において継続して年間1,000時間以上、がんの治療と栄養管理に係る医師のもとに、がんに関わる栄養管理・栄養指導に従事し学会が指定する300時間の実地修練と同等の実務に従事したもの。

(6)実地修練施設で行ったがん患者の栄養管理実績のうち下記の5症例を有すること。 以下A区分より3分野4症例、B区分より1症例
A:
①呼吸器がん、頸頭部・口腔がん、脳腫瘍
②消化管がん(食道、胃、大腸)
③肝胆膵がん
④婦人科がん、泌尿器科がん、乳がん
⑤内分泌系がん(副腎、甲状腺など)、血液がん、その他
B:
①緩和ケア
②在宅医療

(7)本学会および日本栄養士会が認定する、がん領域の認定単位を30単位以上取得すること。単位取得の方法と単位数は、“申請・更新細則”に別途定める。

症例の書き方

以下A区分より3分野4症例、B区分より1症例
A:
①呼吸器がん、頸頭部・口腔がん、脳腫瘍
②消化管がん(食道、胃、大腸)
③肝胆膵がん
④婦人科がん、泌尿器科がん、乳がん
⑤内分泌系がん(副腎、甲状腺など)、血液がん、その他
B:
①緩和ケア
②在宅医療

症例の書き方で注意して頂きたいのがミススペルと検査値の単位ミスです。
おそらくですが、こちらは厳しく減点されます。
せっかく5症例書いてそんなことで不合格になっては悲しすぎます。

症例を書き始める前に、症例選びのポイントをお伝えします。
症例選択の際、起承転結をイメージして考えると良いと思います。
その患者さんの介入に起承転結で展開できるほど関わりや記録が残っているか、”結”の部分つまりオチはあるのかということを考えてみてください。
成功事例でなくても良いです。「自身がこうアセスメントをしたからこういう栄養療法・栄養指導となった。その結果〇〇となった。」その結果から何を得たか、今後にどう生かしたか。患者さんの心境の変化は?などを意識して書くと良いかと思います。
もう一度言いますが、「書き始めてからオチがなくて書くことに困る」ということがないように症例を選ぶ際に起承転結をイメージできるか考えてみてください。
多職種連携も「服薬できていないから薬剤師に報告」などではなく「ダイエットカウンセリングの際、”体調の悪い時にインスリンを打っていいかわからない。”と発言あり、カンファレンスにて薬剤師・看護師・医師に共有。薬剤師より服薬指導を行い、服薬方法の理解ができインスリンを打たないことはなくなった。」など具体的に書けると患者さんの心境の変化や問題に対しどう取り組みその結果どうなったが示せます。
もう一度言いますが決して成功事例でなくても良いです。

試験


試験内容は学会で公開されている通り60分で60問です。
オンライン受験のためテキストの持ち込みや他端末(タブレットやスマートフォン)で試験中に調べられますが、不正行為に当たるので注意してください。バレることはないですが、せっかく自身の知識を試せるいい機会ですので。
幅広い方に試験勉強して頂ければと思い書いてますのでそんなのわざわざ書かなくても日常的にがん患者に携わっているんだから知っているよ!という内容もありますがご了承ください。

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