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都会のねずみと田舎のねずみ

都会のねずみは言う
「田舎の景色に癒される」
・・・まぁ、何十年住んでても心からきれいだと思う景色はあるよ
「食べ物がおいしいよね。やっぱり水がいいからかな」
・・・コメ、野菜、肉、魚なんでも美味しいね。和菓子もピカ一だと思う
「星がすごく近くてきれいだったわー」
・・・そんなもんだと思ってたよ

田舎のねずみは言う
「『東京には空がないといふ…』って何だったの?毎日青空やんか!」
「田舎とは陽の光が違う、葉っぱの緑が違う!」
「バスや電車がこんなにあって便利!」
「普段の生活でこんなに歩くんだ!」
「こんなに子どもがたくさんいるの?!」
「パパと小さい子供だけで出かける人がいっぱいいるんだ」
「遠くから電車で通勤している人がいっぱいいるんだな」
「みんなこれから仕事に行くのに、死んだように寝ている人がいる・・・」
「お店の前が大行列なのは、人気だけじゃなくてお店の中が狭いからだ」
「なんでこんな狭いカフェにいつまでもいられるんだろう」
「散歩しても景色がくるくる変わって楽しい!」
「都会は騒々しいところだけじゃない、ちょっと離れると静かだよね」
「スタバや無印、三越に伊勢丹、銀座に青山・・・いつでも行けると思うと買いだめしないもんなんだな」

田舎のねずみは、わたし
数年前、家庭の都合で高齢化と過疎化が進む田舎から大都会に来た
長年都会に住みたいと想い続けていて、でも無理だろうなと思っていた願望というか野望が、巡り巡ってあっさり叶った瞬間だった

都会と田舎、どっちがいいとか、そんなことは人それぞれ
どちらにも良い悪いがあるから、合う合わないは個人の感覚

今のところ、私は都会生活を満喫している
都会生まれ、都会育ちのねずみさんに街の変遷を聞くのが面白い
ちょっとした老舗の名店や名所を教えてもらうのが嬉しい
教えてもらった気を付ける場所には行かない
少しずつ、わかってくることが増えて順応していく感覚が楽しい
恐ろしいほどの数の人の波の中にいる自分を俯瞰で見ると『生きてるなぁ』と感じて感謝する
夜空に映える高層ビルやタワマン、色とりどりのお店のネオンを見るのが大好きでときめきがチャージされる

田舎のおばちゃんねずみは
今朝も、冬なのに当たり前のようにある青空と太陽を見上げ、軽く感動している




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