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どうする団塊ジュニア世代(#12)<ホワイトベースは戦後日本の縮図>

「団塊世代」は文化的、思想的な部分で共通しているという特徴を有しており、この特徴こそが戦後日本復興の大きな要因であると考えます。

敗戦後の第一次ベビーブームにより誕生した世代は「団塊世代」と呼ばれ、戦後日本の復興に大きな影響を与えました。

私は戦後日本を早急に復興せさるため、何者かが恣意的に第一次ベビーブーマーを団塊化させたのではと推察します。

前回はこちら


あくまで個人的な見解ですので、ホラ話と思って読んで下さい。


ホワイトベース最悪の船出

パオロ
「防戦にまわった連中はほとんど壊滅だ。」
ブライト
「サイド7に入った者は技師、軍人共に全滅です。」
「たった二機のザクの為に」
パオロ
「…」
ブライト
「負傷兵の中で戦闘に耐えられるものは十名とはおりません」

『機動戦士ガンダム』第2話のセリフより抜粋

ホワイトベース艦長のパオロと地球連邦軍に入ってまだ6ヶ月で19歳の士官候補生ブライトの会話です。
*『機動戦士ガンダム』を知らない方は雰囲気で察してください。

ガンダム搭載のいわば主人公の船であるホワイトベース(地球連邦軍の宇宙戦艦)は、サイド7(スペースコロニー)から出港するタイミングで、敵国(ジオン公国)の奇襲を受けます。

普通なら敵の奇襲を見事に蹴散らし、物語的にも華々しい船出となるところですが、この戦闘でなんとホワイトベースの乗組員の殆どが戦死します。
まだ第2話の出来事ですよ。
今までのアニメの常識とは全く違う展開です。
お先真っ暗とは、このことです。

『信長の野望』で徳川家を選び、初戦で徳川四天王が全員戦死してしまった位の出来事です(『信長の野望』がわからない人ごめんなさい)。
私なら即リセットします。

後にホワイトベースの艦長になるブライトが、
「たった二機のザク(ジオン軍の人型戦闘兵器)の為に」
と嘆くのも分かります。
生き残る為に、この先、残った若いクルー(民間人多数)のみで、ホワイトベースを巡行していくことになるのです。

たった二機のザク

地球連邦軍のホワイトベースクルーは、「たった二機のザク」により、ほとんで居なくなってしまいました。
これって何かに似てませんか?

そうです。例の「一般幹部攻撃魔法」です。
*ご存知無い方はこちら(過去回です)。

今まで日本を動かしていた人達が全員追放された状態で戦後日本を復興させるという状況は、ホワイトベース出港に似ています。
そうなると「二機のザク」は「公職追放」ということになりますね。

「君は生き延びることが出来るか」

『機動戦士ガンダム』次回予告ナレーションの最後に発せられる台詞です。
大人になって意味を理解した上で、改めてこの台詞を聞くと、とても重たい言葉に感じてしまします。

果たして19歳のブライト君は、どのようにして生き延びることが出来たのでしょうか。

見習い士官ブライト君の苦悩

ホワイトベース艦長代理に大抜擢されたブライト・ノア少尉はまだ19歳。

現代なら就職活動がてらインターンシップで体験勤務していたところ、社員の殆どがコロナに感染してしまい「君、明日から社長ね」と告げられた感じです。
士官学校で優秀な成績を上げて、幹部候補生としてホワイトベースに任官したと思いますが、何せ、社会を知らないお子様です。

なのでアムロ(主人公)を殴ったり、やたら左舷の弾幕を気にしたり(超マニアックネタ)、当初は支離滅裂な指揮をとっていましたが、このままでは生き延びることが出来ません。

上層部から無理難題を押し付けられ、軍規が通用しない部下や民間人には振り回され、まさしく中間管理職の苦悩です(辛さは死ぬほど分かります)。

セイラさん(ブロンドヘアの女性乗務員)に出身地を聞くも「答える必要はあるのか」と拒否られますし、アムロを殴った時も「親にも殴られたことは無いのに」と逆ギレされる始末です。まさしくセクハラ、パワハラに翻弄される中間管理職そのものです。

そんなこんなで、ブライト君はもがき苦しみますが、徐々に抜群の柔軟性を発揮し出します。
民間人には「少尉」という階級や軍規が通用しないと理解したブライトは、ホワイトベースの民主化を図りました。

『機動戦士ガンダム』第3話(敵の補給艦を叩け)での話です。
敵から逃げ回っていたホワイトベースですが、敵を攻撃するチャンスが到来します。
従来なら艦長の判断で作戦を決行しますが、ここでブライト君はあり得ない行動を取るのです。

ブリッジに全員集めて「攻めるか逃げるか」の多数決を取ります。

本当に信じられない話ですが、多数決で「攻める」に決まりました。
結果、作戦も大成功してホワイトベースの団結も高まるのですが、通常の組織ではあり得ない事です。

私の中では第3話『敵の補給艦を叩け』は、タイトルもカッコ良く、「ブライト苦悩回」として特に気に入っていますが、一方で子供向けのアニメに奥深い要素を取り入れた制作者サイドに若干の畏怖も感じております。

そのような部分でも戦後日本が民主化したカラクリやGHQの意図が、『機動戦士ガンダム』と通して垣間見ることが出来ると推察します。

しかしブライトの改革はそれだけではありません。
生き延びるためにやむを得ず行った事だとは思いますが、むしろこちらの方が、話の展開上、重要な部分です。
それは「女性の登用」です。
<続く>

次回はこちら



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