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コロナ入社のZ世代若者と一緒に仕事してわかったこと

はじめに

筆者は生命保険会社でデジタル共創オフィサーという一般にはCDOの役割で働いています。また社外企業や自治体などのDX顧問もボランティアでやっており主にDX人材教育を担当しています。うちの会社だけではないですが、近年、多くの職場でZ世代職員の割合が増えています。

当社にも若いデータサイエンティストが10人以上働いており、コロナ入社だったので最初はコミュニケーションが取れず大変だったでしょう。名刺も渡したことがない、オフィスにいかない、先輩社員のことがわからないので不安だったと思います。不安は不満に変わり退職性向も高くなったと噂された時期もあって社内は微妙な雰囲気になりました。しかし今ではかなり改善されて意欲を高めていると感じます。(欲目かもしれませんが。)

うちの会社だけでなく、コロナ入社Z世代のこの若者たちの就業意欲をいかに維持・向上させるかが企業にとって重要な課題となっています。Z世代は、デジタルネイティブ世代であり、新しい技術やアイデアに対する適応力が高いという特徴がある一方で、従来の画一的な教育では満足感を得にくいと言われています。筆者は「人材育成」が好きなので、社内のZ世代社員の就業意欲を高めるための様々な教育施策に取り組んでいます。ここでは、その内容について紹介したいと思います。

生成AIを活用した可能性を想像してもらう

筆者は特にデジタル教育プロダクトの企画開発やデジタルマーケティングという新規業務で生成AIを使っています。生成AIを活用した自分の仕事の可能性について想像してもらうことは、Z世代社員の創造性を刺激し、学ぶことの意義を実感させる上で効果的な施策だと思います。AIが生み出す創造性あふれるコンテンツを社内で共有し、AIを活用したビジネスアイデアの発想を促しています。同時に、AIの限界についても議論することで、人間にしかできない価値の創造について考えるきっかけを提供しています。

この取り組みを通じて、Z世代社員は自らの強みを活かしつつ、AIと協働することで新たな価値を生み出せることを実感しています。また、AIの可能性を探求する過程で、自ら学ぶ姿勢が醸成されています。

ビジネス発想力を育成する研修

イノベーションを生み出すためには、ビジネス発想力が不可欠です。当社では発想力を高めるワークショップを定期的に開催しています。ワークショップでは、多様な視点から問題をとらえ、創造的な解決策を考える訓練を行います。また、過去の成功事例を分析し、自社の事業に応用する方法を学ぶことで、Z世代社員のビジネス感覚を磨いています。

研修風景
研修風景

この研修を通じて、Z世代社員は自らの発想力に自信を持ち、新しいアイデアを積極的に提案するようになりました。また、他者との協働を通じて、コミュニケーション能力やチームワーク力も向上しています。

社外活動による能力開発

当社では、Z世代社員に社外活動の機会を提供することで、彼らの能力開発を支援しています。例えば、業界団体の事務局を担当することで、業界の動向や課題について深く理解できます。セミナーの企画と事務局運営では、プロジェクトマネジメントやコミュニケーション能力が鍛えられます。コンテストやアイデアソン、ハッカソンの企画と運営を通じて、イノベーションを生み出すためのプロセスを体験的に学ぶことができます。

若者に事務局経験をしてもらう

社外活動を通じて、Z世代社員は自らの視野を広げ、新しいスキルを習得しています。また、他社の優秀な人材との交流を通じて、刺激を受け、自らの成長につなげています。

研修講師としての経験
当社では、Z世代社員に研修講師としての経験を積む機会を提供しています。研修講師を務めることで、自身の知識の定着と伝える力が育成されます。プレゼンテーションスキルの向上は、ビジネスの場で大いに役立ちます。また、後輩職員の指導を通じて、リーダーシップやコーチング能力が醸成されます。

講師は若者

研修講師としての経験を通じて、Z世代職員は自らの知識やスキルに自信を持ち、他者の成長を支援する喜びを実感しています。また、後輩職員からの信頼を得ることで、自らの存在価値を再認識しています。

自ら考える楽しみの体感

自ら考える楽しみを体感できる機会を提供することが、Z世代社員のエンゲージメントを高める上で極めて重要です。当社では、生成AIやビジネス発想力研修を通じて、彼らの自発的な学習意欲を喚起し、社内のプロジェクトにおいて、Z世代社員に主体的な役割を与えることで、自ら考え、行動する楽しさを体感してもらっています。

頑張った講師には講師バッチを授与

この取り組みを通じて、Z世代社員は自らの可能性に気づき、学ぶことの意義を実感しています。また、自ら考え、行動することで、仕事に対する当事者意識が高まり、モチベーションが向上していると思っています。

まとめ

Z世代社員の就業意欲を高めることは、企業の持続的な成長にとって不可欠な課題です。筆者はこの人達の特性を理解し、その強みを活かした教育施策を実践することで、一人ひとりが自らの可能性を最大限に発揮し、組織の発展に貢献できる環境を整えることが大事だと思います。これからも、社員一人ひとりの可能性を引き出し、就業意欲を高める教育施策を積極的に推進することで、組織の発展につなげていきたいと考えています。

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