ネタバレ有/東宝で良かった「シン・ウルトラマン」:居酒屋BGMとか


先に音楽流用についての感想を上げたけど、最初に書き始めてたのは「東宝マークのウルトラマンやっぱいいね!」と言う事でした。
今回は冒頭あたりの東宝と、後半のちょっと東宝に関しての雑感想。


まずはこの映画が東宝配給で良かったな、と言う満足感。

冒頭から引き込まれていったのは、東宝マークからの、シン・ゴジラからの爆弾ワイプのシン・ウルトラマンタイトルからの、ウルトラQ範疇要素を駆け足で紹介した形のウルトラマン前史からの本編突入までの連続した勢いですね。
僕はやたらと「シン・ゴジラ」を持ち出してきて今回の作品との関連性は?云々と言うのを滑稽に思っていた口なんですが。ほら、「大怪獣のあとしまつ」なんて、制作会社も違うのになんでそれの続編的要素を期待するん?と言う状況だったじゃ無いですか。一部でしょうけど。
今回の「シン・ウルトラマン」に関しても、ゴジラとウルトラマンははっきり違う作品群だから、そんなものまず除外してからみろよ、なんて思ってたんですよね。

それがあなた。いきなり「シン・ゴジラ」ってタイトル浮かぶじゃ無いのw
「シン・ウルトラQ」が存在しないから、じゃあゴジラからってサービスみたいなものでしょうけど、えーそう行っちゃうの?とか、いやそれでも何これだけで燃えるのなんで?!みたいな興奮をあそこだけで貰えちゃったわけ。
単純なやつめ。

ゴジラを作った東宝という映画会社と、ウルトラマンを生み出した円谷プロダクションの密接な関係というのは、検索でもすれば簡単に出てくるとは思いますが、昭和ウルトラマンが劇場公開される場合、当然の様にその作品は東宝が配給していたし(例外あり)それが当たり前の流れだったかと思われます。

ところが、これがある時期を境に、ウルトラマン映画は松竹系公開が当たり前になります。厳密にいうと富士映画にバトンタッチして、その流れのままに現代においてもウルトラマン映画は松竹公開、な状態なのですね。
近年の作品大体松竹マークじゃ無いでしょうか。

 これが、「シン・ウルトラマン」では東宝に戻ったわけですよ。まぁこのシン関連だけでしょうけども。
その意味の重いことよ。当然、冒頭のシン・ゴジラとの地続き的サービスが出来たのも、松竹じゃなかったからですよね。それだけでも東宝である意味の大きさ。
そんな事考えてたバカなので、東宝マークの段階、その次の円谷マークあたりでも、地味に感動しちゃってるんですよw
そこにきて「あータイトルのリブートもやるのねーQ存在しないのにどーすんだろー、って、ゴジラ!w」ですよw

前述の通り、僕はわざわざゴジラとウルトラの世界を近づける意味を感じなかった訳ですが、みんなは待ち望んでいたかもしれないシン・ゴジの空気を効果的な形で持ち込めたのは、東宝の映画だったからに尽きるわけですね。
なので、そこをね、もっとみんな褒め称えて欲しいなって思ってたりします。

まぁ何より、シン・ゴジのヒットなくしてシン・ウルトラはなかっただろうから(エヴァはあったでしょうが)東宝が頑張った松竹が何もしなかったというよりは単純な流れでしか無いでしょうけどw
そういう会社の関係性なんかを眺めてても、ああ、ウルトラマン帰ってきたんだな、なんて思ったりする人、僕以外にもいると思うんですけど。

また、当時の怪獣少年だった諸先輩方は、劇場用東宝怪獣からのウルトラQそしてウルトラマンによる怪獣ブームと言う過程を体験しているわけで、それを今回の冒頭だけで、前作と呼んでもいいかもしれないシン・ゴジラの影響力も利用して再現してくれたんですよね。
当時を体験できなくて、歴史としてしか理解できなかった僕らのような世代にも、そのお裾分けが貰えたんですよこれ。
ありがたみしか無いでしょう。
冒頭で燃えるのは、怒涛の禍威獣ラッシュだからと言うのは当然ですけど、そこに歴史の追体験と言うブーストがかかってるからに違いありません。

ほんと、東宝で良かった。

「シン・日本沈没」

さて、映画は後半、オリジナルのウルトラマンとは違う方向に動き出す、なんてのを前回も書いたのですけど。

そこでも触れたのですが、ウルトラマンとメフィラスが割り勘する事になる居酒屋のシーンですね。
あそこで店内BGMとして流れてる、五木ひろしの「小鳥」。
クレジットにもしっかりその存在をアピールしてるこの名曲ですが、調べればすぐ分かる通り、テレビ版「日本沈没」の挿入歌です。
あえてリンクは貼りませんが、ぶっちゃけどこかで聴けると思うので探すか、歌詞を探してみてください。この曲の出典、歌詞を理解すると、ここでこれが流れることの意味を深読みしたくなりませんか?僕はなりましたw

いきなりこの曲が流れた時、ああ、お好きだからね、不思議でも無いね、遂に持ってきちゃったね、と、「シン・エヴァ」の時の「惑星大戦争」やら「さよならジュピター」の後だともう慣れたもんだ、って気持ちだったんですけど。
この後の映画の展開とか、そもそもこの居酒屋での会話内容とかがね。
日本がどうかなっちゃう、と言う未来に向かってるじゃ無いですか。
そんな中で使うこの曲ですよ。え?やばい。そう思いましたね。

この映画、ウルトラマンの映画なんですけど、後半は「日本沈没」テイストも含んでて、実際、ゼットンに対処しようがない、もう何もしない方がいいじゃん!と言う選択肢といい、どこかで島田正吾と丹波哲郎が顔突き合わせてんじゃ無いか?みたいな。あ、でも総理が丹波だったらきっと違ったな。

そんなこんなで、僕としては前半の、怪獣ものとしてのウルトラマンの方がグッとくるんですけど、ウルトラマンがキャラクターとして覚醒していく中でなぜか日本沈没入ってきちゃう後半もニヤニヤはしてました。冷静でしたが。

この点でもね、東宝マークで良かったなと。ほら、「日本沈没」は映画もテレビも東宝ですから。
まぁこれの場合は例え今回が松竹マークだったとしても使ってそうですけど(別に松竹に恨みあるわけでは無いです)
ゴジラに始まって日本沈没で終わる。まぁ沈没しませんけど。

そうか、6月に日本映画専門チャンネルでこの企画やるのは、そう言う事か!

続シン・ウルトラマンがあるのなら、やっぱり東宝マークで、ジャイアント作戦とかやってくん無いかなー、と、今から無駄な期待しておこうと思います。
シン・シリーズ、次はまた東映マークですし、その次あたりで。


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