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ゲーセンで一番人気がない音ゲーを遊ぼう！

ヤスノリ

音ゲー界のファイナルソード。お前も喰らえ。

※アーケード音ゲーをよく遊ぶ人向けです。


こんにちは。今日はあなたに遊んでほしいゲームがあって筆を取りました。

クロノサークルというゲームです。

2025年1月でオンラインサービス終了してしまうので、早めに遊んで頂けると助かります。どんどん遊べる場所も減っているので尚更。総コンテンツ量はそんなに多くないので、今から遊んでも間に合います。

Google検索に引っ掛からない公式サイト

まず、ユーザー登録が複雑なので、覚悟してください。

ご存知の通り、多くのアーケードゲームでは、 IC カードを使うことでセーブデータを保存できます。 この IC カードはメーカー各社の企業努力によって近年ついに統一されました。令和6年のゲームセンターでは、Amusement IC のマークがついたカード１枚あれば、ほとんど全てのゲームを遊ぶことができるのです。素晴らしい！！

しかし、世の中には例外というものがあります。

独自規格カード AM.PASS

はい。クロノサークルがその例外です。 AM.PASS という独自規格のカードが必要になります。そんなもの、日本で売っているお店はほとんどありません。

「クソッ！俺はクロノサークルを始めることすら出来ねぇのかよ！？」

いいえ。まだ諦めてはいけません。今あなたが手にしているのは何でしょう？

そう。スマホです！（マウスを持ってパソコンで読んでる？そんな人とっくに絶滅したはずでは？？）

このゲーム、なんとスマホのQRコード読み取り機能を使ってログインできるのです！ というわけで、ゲームを遊ぶ前にまずは公式サイトでアカウントを作成しましょう！

※ここで登録方法を解説すると長くなるので、詳細はクロノサークル wiki ( https://seesaawiki.jp/chrono_circle/ ) をご覧ください。

https://chrono-circle.com/

はい。こちらが公式サイト。数ヶ月前まで「クロノサークル」でGoogle 検索してもヒットしませんでした。大袈裟な目次をつけておいて申し訳ないのですが、現在は流石に出てきます。

実際に検索してみると、上の方に設置店舗リストのページが出てきました。
肝心のトップページは今もヒットしません。

ラウワンへ行こう！

さて、登録できましたか？それではゲームセンターに向かいましょう！
あなたの家から近いゲームセンターはどこでしょうか？タイトーステーション？GiGO？それともナムコ？ 正直どうでもいいので、今日は ROUND1 に向かってください。

このゲーム、 ROUND1 の独占タイトルだからです。他のゲームセンターでは遊べません。ラウワンがない県にお住まいのあなた、どうぞ県外までお越しください。

まわせ！回転式コンドロラー

さて、遠路はるばるラウワンへ。

ありました！これがクロノサークルです。

一見セガの大人気音ゲーmaimaiの焼き直しに見えそうですが、実は一味違うんです。 ほら！ここ！なんとこのボタン回るんです！

回転式コントローラーです。

お披露目のポスターでも、しっかりアピールされています。回転式コンドロラー(誤字)

これにより、自らボタン自体の位置を動かすという唯一無二のゲーム性が実現。まるでmaimaiにもう一つ別のゲームが合体したみたいな新感覚！ちょっと複雑だけど、慣れると楽しい！

そしてボタンに関して、もう一つmaimaiと大きく違う部分があります。

まず、maimaiのボタンは"タンッ♪"と気持ちよく叩ける感触です。見た目の大きさとは対照的に、連打や回転といった配置も軽い力でストレスなく遊ぶことができる。遊んだことがある人ならわかると思います。

対してクロノサークルのボタンは、ボタンがとても重い。おそらく特殊な構造の代償です。 そして、しっかりと深くまで押し込まないと反応しない。"ガチャガチャ"とした押し心地と例えるべきでしょうか。

音ゲーのボタンとして、おそらく史上最悪の押し心地。

それなのに、高難易度帯ではmaimaiの軽いボタンで遊ぶことを想定して作られたかのような素早い操作を要求されます。ただの16分連打がいつもの数倍辛い。おまけに、乱打や流し配置の手の摩擦で回転機構が動いてしまうので、叩く場所がズレやすい……

このゲームの良し悪しの両方が詰まったパーツ、それがこのゲームのボタンです。

クロノサークルのボタンを触らずして音ゲーのボタンを語るべからず。なんて言ってみたくなるくらいに。

ちなみに、重さと反応の良さにとてつもない筐体差があるので、各地のラウワンを巡ってあなたのお気に入りの台を探してみましょう！

（音ゲー＋音ゲー＋音ゲー）÷１

残る操作デバイスは中央のタッチパネル。ここでクイズです。

ゲーム中、この円形のタッチパネルでは何をするのでしょうか？


【答え】 DJMAX TECHNICA や Cytus みたいな音ゲーをやります。

要するに、時計の針にノーツが重なった瞬間にタッチするというわけです。

具体的なゲームの遊び方が気になる方は公式のチュートリアル動画をどうぞ！なんとノーツが８種類もあるぞ！

一旦整理しましょう。

つまるところ、このゲームには「maimaiみたいなボタン音ゲー」「DJMAX TECHNICA みたいなタッチパネル音ゲー」「回転操作」という異なる3つのゲームシステムが共存しています。料理に例えるならトルコライスでしょうか。

次々に要求される色々な操作にあたふたしながら頭と体を動かす。そんなディープな音ゲーマーのためのパーティーゲーム。そう聞くと、結構面白そうじゃないですか？

いや本当に、このキメラ感だけは唯一無二です。

親切にも難易度幅は広めなので、音ゲーに自信がないあなたもどうぞ "EASY" から。 そして、音ゲーに自信があるあなたには "NORMAL"や"HARD" がオススメ。

１曲につき５難易度！

少しクロノサークルに慣れてきたら "EXPERT"や"MASTER" に挑んでみましょう。その時はどうぞ私も呼んでください。音ゲーの腕に覚えがあるからと調子に乗った人が皆等しくボコられるところを見るのは楽しいので！

ポップス・アニメジャンルから容赦ない難易度です。

クソ音ゲー・オブ・ザ・イヤー

そういえば、冒頭でこのゲームを「音ゲー界のファイナルソード」と形容したのを覚えていますでしょうか？

このゲーム、基本的に完成度が著しく低いのです。ただ、開発側の理想と熱意は確かに感じるタイプの愛すべきクソゲー。陣内智則が音ゲーマーだった世界線で遊ばれるようなゲームです。

しかし、そもそもの音ゲーというジャンルのニッチさ、ROUND1限定というアクセスの悪さ、前述の通りのユーザー登録の複雑さなど要因が重なり、ぶっちゃけ誰もこのゲームを遊んでいない。

令和の時代にこんなツッコミどころ満載のゲームがあるのに、一切ネタとしてすら消化されないのは悲しすぎる。せめて文字で記録を残しておこうと思います。

そんなわけで、クロノサークルのあれこれを振り返っていきましょう。

  • 無数の不具合

一時的にログインできなくなる、クラッシュする、突然画面が真っ暗に、などなどクロノサークルにはバグが沢山！稼働初期は高確率で、曲を選んだ瞬間にクラッシュしたものです。

でも大丈夫。今では、そんな不具合がそこそこの割合で解消されたと思います。そこそこ安心できるでしょう。

しかし、それでもスコア関連のバグはまだ健在なので、音ゲーなのにスコアすら信用できません。例えばゲームをスコア 99.000% ぴったりでクリアすると、減算方式のスコア表示では98.1000%と表示され、リザルトでは98.000%となり、実質スコアが1%切り捨てられる形となります。（下に引用した動画を参照）

同じようなバグに私自身も遭遇したことがあるのですが、公式サイト内マイページのスコアとリザルト画面のスコアもそれぞれ違う値が表示されてたので、本当のスコアはもうわかりません。

また、現実の回転コントローラーの角度に対してゲーム画面内の表示がズレてノーツや判定ラインが突然ワープするバグ、通称”位相ズレ”。これが筐体によっては多発するので、そのときは諦めて別の台で遊びましょう。

  • 怪しい日本語

公式サイト　ヘルプページより

日本の大手アミューズメントチェーン ROUND1 の独占タイトルであるにも関わらず、このゲーム怪しい日本語が多いです。初期の頃はキャラクターの名前すら表記揺れを起こす始末。

なかでも有名なのは、コンポーザーの「削除」氏を「除削」と誤植した一件でしょう。※修正済

このように、クロノサークルは韓国企業のアンダミロ社が開発・運営しているので、様々な点で海外クソゲーの雰囲気を感じることができます。ちなみに、韓国では稼働していません。

  • 新曲追加日は店員を呼ぼう

楽曲追加の告知画像

楽曲追加アップデート、私が音ゲーを遊ぶ上で最も楽しみにしているイベントです。「開店突撃」なんてワードがあるように、本作を除くほぼ全てのゲームでは、追加コンテンツをその日の朝から楽しむことができます。

しかし、クロノサークルではアップデートは昼間に配信されます。
そして、なんとこのアップデートは一度ゲーム機を手動で再起動しない限り適用されません。

つまり、アプデ当日に新曲を遊びたい場合には、店員さんを呼び、わざわざゲーム機の再起動をしてもらわなければなりません。いつも対応して頂き、本当にありがとうございました。

コラボや曲の追加をきっかけにクロノサークルを遊んでみたくなって、アプデ当日に遊びに来たけど、肝心の新曲が遊べなかったという人はそういうことです。

再起動＆アプデ適用中

ちなみに、今後このゲームがアップデートされることはないので、ついにこの手間から解放されることになります。それはそれで全然よくないけど。

  • ゲーム性全とっかえのマイナーアップデート

稼働３か月目のことでした。「このゲーム複雑すぎる！」そんなユーザーの声を受けて、なんとノーツを２種類消すアプデが敢行されます。チュウニズムのフリックノーツが廃止され、全てそのままタップノーツに置き換えるくらいの暴挙です。

既存の譜面で削除されたノーツが使われている部分は、機械的に他ノーツに置き換えたため、元々の譜面の運手が崩壊したり、明らかに難化した配置が出てくるなど、今までに築かれたゲーム性は崩壊。

実際のところ複雑さは多少解消されたので賛否両論ではあったのですが、その後の Twitter 上でのユーザーアンケートなど紆余曲折を経て、最終的に ”EXPERT””MASTER” 難易度に限り当該ノーツが復活することになりました。

【関連記事】当時の状況について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ▼

  • 幻の稼働直前キャンペーン

「まずは3000フォロワー達成で収録曲を5曲公開！」というTwitterキャンペーンは、稼働開始までに3000フォロワー行かなかったので、なかったことに。このタイプのキャンペーンで、最初の目標すら達成できないの初めて見た。

  • NAOKI と REDALiCE が K-POPで踊る

などなど……
数々の伝説を残してきました。ほとんどが悪い意味で。

荒削りな海外ゲームの雰囲気を日本にいながら存分に味わえるのが、かえって魅力になっているとも言えるでしょう。

正直、こんなものが全国のラウワンに設置されていること自体が何かの間違いじゃないかと思えるクオリティなんだけど……
でも……でもね……これだけは言いたい。

楽曲だけは超ハイクオリティ！

クソゲー解説における常套句。今度はクロノサークルも例外ではありません。

最大の特徴は K-POP が多く収録されている事！

韓国企業が作っているだけあって、他の音ゲーにはないK-POP版権が数多く収録されています。今までK-POPをあまり聴いたことがなかった私ですが、キャッチーなダンスミュージックの音ゲーとの相性の良さを思い知らされました。正直他の音ゲーにも輸入してほしい……！

YouTubeで12億回再生された BLACKPINK の”How You Like That”が、現役プレイヤーおそらく数十人のゲームで遊べていいんですか！？

そしてオリジナル曲のラインナップも超豪華。
onoken・TAG・NAOKI・削除 などのレジェンドから、HARDCORE TANO*C のお馴染みの面々、Cosmograph・HyuN・Zekk ら韓国系アーティスト、森羅万象・暁Records・豚乙女 といった東方系サークルまで。ゲーム自体の知名度が無さすぎて、どんな神曲も自動的に埋もれていく様はまさに悲劇です。

他にも「え？あの人の曲もあるの！？」と、ある程度音ゲーを嗜んでいる方なら驚いてしまうような豪華なラインナップ。公式サイトの楽曲リスト ( https://chrono-circle.com/page/sub3_1.php ) から試聴もできるので、ディグってみましょう。

最後に紹介するのは、このゲームのラスボスを務める、xiによる書き下ろし楽曲”MEGALØDON”。

この曲の MASTER 譜面は、オンゲキの Recollect Lines やWACCA の Möbius  が音ゲー界隈を震撼させたあの時期、ひっそりクロノサークルにも現れた人類への挑戦状でした。

現時点での世界記録は95.537%（理論値：101%）

本当に凄まじい難易度です！
他機種の最強曲たちが爆速で攻略される中、まだまだ陥落する気配はありません！

「こんなぶっ飛んだ譜面、きっとまとめ動画とかにされて音ゲー界隈で伝説として語り継がれるんだろうな……」

なんて思ってたら、本当に誰もやってなくて、全く話題にすらなりませんでした。

もしかして、まだ完全攻略されてないのは、ただ単にユーザーが少ないだけだったり……？

マジで誰か相手してあげて！！

というわけで、クロノサークルいかがですか？
クソ要素を愛せる寛容な心があれば、このゲーム唯一無二の隠れた魅力に気づけるはず。

他にも、このゲーム本当に天才的な譜面が数多く存在するのですが、それらを紹介していると流石に長いと思うので、ここでお開きにします。これからクロノサークルを遊ぶあなたが、きっと私に代わってクロノサークル神譜面紹介記事を書いてくれるでしょう。

それでは良いクロノサークルライフを。

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