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私なりに書き方の進めその④受験脳を使わない編

昨日の右の肺に引き続き、左の肺について書くために戻ってきました。本日は受験脳を使わずに書こう、楽しむために読む娯楽性の高い随筆等についてのお話です。

テケテンテンテンテン

音がないと気分が乗らないため、笑点で幕引いたりするときにかかっていそうな三味線の音を再現。

今日はちょっとダラダラと続くと思いますので、時間の無駄だと思った人は遠慮なく読まずに捨てちゃってください。すちゃっとね!まず受験脳についてです。高校生の時、大学に入学するために受験勉強をして、脳みその半分は壊れたなと思っております。頑張れば自分が行った大学よりさらに上のランクの大学に行けたかもなと思いますが、そうすると自分の脳みその破壊の範囲はさらに拡大しただろうし、あたしゃ多分今より学歴高くても人生で漂流し要領よくエリートになんざなれるような人間でなく(コミュ障なので)「あの人⚪︎⚪︎大学なのに」と近所の主婦にボソボソと噂され、不景気な顔で無職で街を歩く輩になっていただろう。

ひゅうううううううう

なんの話でしたっけ?受験が脳みそを破壊するという話でしたよね?この文章を読んでいる人に受験生がいて、もしかしたらこれを親に勉強したくない理由の根拠として使えるかもしれないとワクワクしてたらワクワクしないでください。大学にいける環境があって、働かないで一生生きていける身分でもないなら、正しい選択肢は脳みその半分を破壊して社会人になることだ!残った脳みそは大事にしとけ!お母さん、どうでしょう、このあたりで。息子さんのためになったでしょうか。

ところで、私が受験をしてからしばらく時が経ってますが、今の受験も昔と変わらずあんな感じなんでしょうか?いわゆる詰め込み勉強、暗記に次ぐ暗記で思考力を問われるものはほとんどない。推薦入試を受けた人は論文と面接だと聞きましたからそういうわけでもないのかもしれませんが、一般入試はひたすらの暗記でした。

これは、なんでこうなるんだろう?
途中で理解しようとして頭を動かそうとすると時間の無駄でした。
「いいか、これはAでBでだからCだ。これで覚えろ」
塾の先生は膨大な知識をどれだけコンパクトにして整理するかのプロで、我々は毎日自分の記憶力を上げてゆくゲームに参加していたと言ってもいい。この効率化はひたすらなんでこうなるのだろうと立ち止まり考えてしまう時間をカットし、寝ても覚めても機械的に暗記してゆくロボになることです。

最初は戸惑ってた。でも、ゲームだと思って参加した。急速に成績が上がり、塾の先生にも名指しで褒められたりして得意だったのを覚えてる。ただ、本格的に塾へ行き始めたのが遅かったので潜在能力に対して最大限のパフォーマンスの結果で大学へ行ったわけじゃない。わけじゃないが、多分学歴どんなに高くても立ち食い飲み屋の片隅でコップ酒を飲みながら世を儚む無職の高学歴の人になっていた可能性が高いので、(念のために言っておくが自分は女子ですが妄想の中では男性になっていることが多い)そんなのはどうでもいい。
それと、受験ゲームに参加したのが比較的遅かったのは幸いだ。暗記漬けになり思考力が壊れる範囲が狭まったからだ。

あれは軍隊に入ってたようなものである。いい大学に行かなければ死んでしまうというスローガンを毎日復唱しあい、強迫観念に駆られながら考えることを止めて大量の知識を暗記し続ける。落ちたらどうしよう、落ちたらどうしようという恐怖を背景にしながら黙々と暗記し続けるのである。時間との勝負だ。

非常に怖かった時の行動原理というか、行動パターンというのは一生つきまとうのだ。晴れて第一志望に受かった時は嬉しかった。大学での勉強を開始して時間は取り戻したのだけれど、何に対しても疑問を持ち、疑問を持ったらとことん考えるというスタイルはどっかに行ってしまった。

時間は今はあるのに時間の無駄だと思うようになってしまった。

これは正確に言えば、大学にいるときはまだマシでした。しかし、社会に入って働き始めたときに復活したんです。会社って軍隊みたいじゃないですか。そこで、過去受験で身につけた行動原理が再び立ち上がる。要領よく生きていくための行動様式。

無駄に考えるな、決まったことに従え

会社の中というのはベンチャーなど立ち上がったばかりの頃は新しいことを一から考えどんどん進めていく必要がありますが、すでに設立してから長い会社には今までやってきたやり方というのがあります。仕事の革新的な部分と保守的な部分で言えば保守的な部分の割合のほうが大きいでしょう。自分の頭で考えて色々変えようとする人は邪魔だったりします。
それで、考えなきゃいけない部分だけ考えることにして残りは受験の時のように黙々とこなしていく。そして久しぶりに考えなきゃいけないマターが来た時、

脳が動かない。また、無難なことしか言えなくなっている。

そこで、脳がちゃんと動いてアイディアが出せる人が仕切り、下の人たちはまた受験脳で働き続けるのです。

その脳みそ!もったいなくないですか?

100個アイディアを出し、99個捨てられて、1個から宇宙に飛び出すぐらいの成功が生まれるかもしれない。しかし、考えることは無駄なので、求められなくなった人は動かなくなった自分の脳みそを動かすことはやめ、どうせ没になるアイディアは口にしなくなり、一部の人だけがアイディアを出す。

しかし、考えることは無駄ではないのです。没になってもいいんです。次から次へといろんなことを考えればいいんです。考えているうちはまだそれはプランでありコストは発生していません!!山のようなアイディアから一番いいものを選ぶからレベルの高いものが生まれるのです。人を採用するときに山のような人に会って決めたほうがピカイチな人を雇えるし、映画のオーディションも未発掘の美少女を発掘できるかもしれないチャンスが上がるわけです!映画界、美少女に手を出すなよ!ちょっと話がそれました。

で、今日はビジネスの話ではないのです。受験脳に侵されてヘロヘロに疲れた大人たちの話です。ヘロヘロ。

社会の中でポジティブでアグレッシブでクリエイティブなエリアがあり、そこに所属して活躍している人たちはオーラもキラキラで、エンジョイされているかもしれませんが、多くの大人たちは今日も「悩むな」「考えるな」「いうことを聞け」「マニュアルに沿って辻褄を合わせろ」「よしなにー」(この最後のよしなには殿様みたいでいいな!)などと言われながら、能面のように粛々と自分を殺し勤め上げてるわけです。考えるのは会社の上に行ける人たちだけの特権なのですよ。
ロボットの着ぐるみを着てリーマンしていると疲れます。会社帰りにやっと行きつけの焼き鳥屋のカウンターに座り、ロボ着ぐるみの背中のチャックをジジジと下げて脱いで人間に戻ります。

ビジネスではなくて小説や随筆などの娯楽系の文章は、ロボ着ぐるみを着て大変な毎日を生きている人たちが、自分は人間であるということを忘れないために必要なものなのです。もう一ついうとここが大事なのですが、

小説や随筆というのは書く時間も読む時間も、受験脳からくる判断からすると、無駄な時間なんです。

受験脳の導き出す最大最高の結論は、ロボットのように生きろ。飯食ってクソして寝て次世代生産のために生殖行為をして今日も働け、悩むな!

それ、俺やなくてもええやーん、ふざけんなぁー!

流石にここは、ドロップキックで地球にのめり込ませてやりましょう!しかし、誰にキックをかませばいいのでしょうか?

ミヒャエルエンデの書いたモモという小説の中に『時間泥棒』というのが出てくるのです。あれを最近になってよく思い出します。自分たちは生きていて、非常にたくさんのものを金銭に換算してその価値を感じていますが、お金持ちだったとしても時間は持っているか?そこが気になってます。

時間というのは物理的な時間ではなく、心理的な時間です。
物事を立ち止まって考え、味わい、楽しむ時間を持っているか?

もちろん持ってるんですよ。たくさんの人が持ってます。人生を楽しんでいるんですよ。受験脳によって脳を完全完璧にやられている人ばかりではない。

現実では「お前は考えるな」と言われて生きていかなければならない時もある。そんな時に耐えるためには、ロボットのようになってしまった方がいい。でも、あなたはロボットじゃない。人間だし、生きることを楽しむ権利があるのです。

人が生きて死ぬ時、棺桶の中にまで会社がずかずか入り込んでくることは流石にないでしょう。だから、人間である自分をずっと大切に持ち続けてください。そして、時間の無駄だなと思いながら小説や随筆を読んでください。自分の好きなものを選んで、そこで、考えてください。好きなだけ。

そして、小説や随筆を書く人へ大事なのは
小説や随筆を書く時間も読む時間も結局無駄なのだと知っていればいい。
だから、生きることを感じることを楽しむことを、一銭も生み出さないがそれ自体をどれだけ大切にできるかが、それが書くことの秘訣ではないでしょうか。

お金持ちだけが正解ですか?そりゃお金は生活のために必要ですが、お金に支配されていませんか?あなたの脳は100%受験脳になっていませんか?

あなたはお金は持っているが、時間を持っていないのではありませんか?
時間泥棒、それは受験であります。

(共著:優等生、お笑い芸人)
2024.04.21



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