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人間関係その他

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人の悩みのほとんどは人間関係に発端する。起こりやすいシチュエーションごとに私という人間を軸にしてどう解釈して乗り切るかの記録です。詩的或いは小説風な書き方を目指してます。
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2024年10月の記事一覧

私は橋の途中にいる 続き

深圳の自宅から地下鉄で数駅の先にある美術館でミュシャ展をやっているというので、足を伸ばした。期待せずに見に行ったが意外と出展数も多く平日だったために人も少なくて楽しんで帰ってきた。 中国だけでしょうか。NOPHOTOの掲示がないし、写真を撮っても怒られないので、ルノアールばっかりを扉絵にしていたのをやめてしばらくはミュシャが続く。写真ではあるが、記事を書く際に一枚絵を選びその絵を眺めると心が癒される。無心に毎日絵を描いていた頃の自分に繋がるからである。 話は少し飛ぶが、い

私のコーヒー事情

低血圧だからかどうなのか、カフェインがないとぼーっとする人である。コーヒーは欠かせないのであるが、このコーヒー、ワタクシが中国に来たばかりの頃は、 ……なかった。だって、お茶の国の人だもの。 深圳にきたばかりの頃は、関外 ぐわんわい と言って、深圳市郊外に住んでいた私、コーヒーを飲もうと思ったら某西洋料理店へゆく、そこにはスパゲッティという名の焼きうどんがあり、コーヒーという名の色のついた砂糖水があった。それよりはマックのコーヒーの方が幾分かマシである。マックのコーヒーはマ

帰りたい

時々、時間の流れが曖昧になるというかおかしくなる時がある。本来なら遠いはずの過去や未来が近く感じる。秋の始まりを感じるときに、ついでのように私の時間の感覚はおかしくなることがある。 普段は忘れてたことをふと思い出したりする。その思い出の内容より、そんな記憶を持っていたことにぎょっとする。そのくらいどうでもいい記憶なのだ、それは。 二月に一回の全体会議の日、くたびれるの確定だったせいか、えいやっとばかりに唐突にコンサートに行きたいと上司がいうので、ジャズバンドと深圳オーケス

岩手県花巻市大沢温泉にて

家族で大沢温泉に行ってきました。私たちは新館に泊まったのですが、旧館の方でジブリ展をやっていた。解説を読んだ上でかいつまんでなぜここでジブリ展がやっていたかの事情を説明すると、スタジオジブリで長らくその背景を描いてきた鈴木敏夫さんは、この歴史の趣ある(創業江戸時代末の)大沢温泉を愛していたのです。この大沢旅館は川沿いの温泉宿で、目の前に切り立った崖をのぞみ、義経でもこれはおりられないだろうと訝しむ崖は一面の緑、秋は紅葉、冬は雪景色が美しい。その川を跨ぐように建てられた旧館へと

青島さん、出ないんですか?

家族で温泉に来た。爺婆姉夫婦甥姪プラス我が家2名の大人数。夕食どきにお酒を覚えたての姪っ子が、日本酒通になって、日本酒通の教授の気を引きたいと(もちろんこれは色の意味ではない)言うので、 「何のむ、何のむ?」 アラセブンの父が食事用の個室で張り切りだす。 「この飲み比べでいいんじゃない?」 リーズナブルかつ今回の目的に直接コミットメントしそうな飲み比べセットA、B、Cを指差す。一つでお猪口三つ、三種の酒が来る。3セット頼めば、9杯だ。飲もうと言っているのは姪と父と私。

絵を見る心 ルノワールに寄せて

歳を取ってもいいこともある。これはどう生きるかは人によって違うので、万人の答えではないだろう。若さを愛し老いを憎む者にとっては、私が言葉を尽くして歳をとるのもある面においてはいいものだと言っても耳を貸さないだろう。 私の言葉に耳を貸さない人にとってはこの文章はゴミである。それはほっといて先へ進むと、ここで話がちょっと変わりますが、私は昔絵を描くのが大好きな人間でした。高校生の時は最初に剣道部に入り、ダイエットを成功させ(これが目的で入ったわけではなかったが)、その部活動のあ