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高校化学演習(全15章 全問解答付き) さくら化学教室編

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さくら化学教室による高校化学演習の問題と解答・解説全15単元分を収録したマガジン。理系上級レベルの問題集・受験対策として好適です。
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2023年5月の記事一覧

第8章【平衡】

●平衡は化学の理論上最も重要な概念の一つで、熱化学や反応速度論とも密接に関係しています。平衡定数は素反応については反応速度のつりあいから導出できますが、もっと一般的には熱力学から導かれます。 ●平衡定数は濃度や分圧など、異なる形式で表すことができます。このため、高校化学では平衡定数は無次元ではなく単位をもつ量として考えます。この際、固体や液体の濃度は一定と考えられるので平衡の式から除外します。 ●平衡反応では反応熱の絶対値が小さいことが多く、正反応・逆反応の進行度が拮抗するた

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第9章【反応速度】

●反応速度は奥が深い分野で、熱化学が静的なエネルギー関係を扱うのに対し、速度論では動的、つまり時間のファクターが導入されています。熱力学からは速度論は出てこないので両者は独立した体系ではありますが、互いに矛盾なく理論構築ができる点が面白いところです。 ●反応速度論では微分・積分を使った方がよい場面が多く、物理で微分・積分が必須であるのと同様です。簡単な微分方程式も運用できた方が有利です。このあたりは指導要領の枠にとらわれずに学習していただきたいと思います。 ●温度依存性は速度

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第10章【酸と塩基】

●酸と塩基は化学反応の理論としてきわめて重要なものです。高校化学で習う酸・塩基の定義は古典的なものですが、平衡論に基づいて無機・有機を問わず適用できます。 ●pHの計算はしばしば化学の専門家にとっても難しいもので、各問題に応じた近似法を自在に適用できるかどうかが解法の鍵になります。この種の計算にはある程度の慣れが必要で、さまざまな技巧も知られています。平衡計算は現在では数値計算ソフト等を使って解くこともできますので、厳密解に興味がある方にはパソコンでの計算をおすすめします。

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