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【詩】脱皮

吐息に
溶ける夜

わたしを覆う
柔らかな
膜は

目覚めの
予感に震える

蠢き
熱を孕み

生まれてしまうなら
生まれるがいい

薄くよじれた膜に
爪を立てる

血を合わせ
目覚めた朝に

わたしは
蝶になっているだろうか

それとも
蛾になっているのだろうか

陽の中を舞い

火の中を踊り

蝶になって
蛾として生きよ 

生まれたての
自由な翅を
焦がしながら

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