【雑記】海に到着(つ)かない
女風(女性用風俗)をしばらくお休みする、と決めたのは自分自身なのに、日常のあれこれをきちんと整えて、また、何の気兼ねもなくこの世界を訪れよう、そう思っていたのに。
女風の再デビューのきっかけとなって、その後も、寄り添ってもらって、背中を押してもらって、いっぱい励ましてもらって、ドキドキワクワクするような新しい可能性の世界を絵巻物のように目の前で展げてくれて、悩みながら真摯に性と生に向き合っている、とても素敵でとても大切な人たちの中に、今は素直に入っていけない。
一緒にわいわいと楽しめない。スキもつけられない、コメントも返せない…、そんな情けないループの中にいる。
眩しすぎてはじかれてしまう…、その世界に手を伸ばそうとして、目に飛び込む、甲に浮き出たシミに唇を噛み、手を引っ込めてしまい、途方に暮れる。そんな現実。
自分の手の中にないものばかりを見てしまう、弱さ
自分が手にすることは決してないのだろうと思ってしまう、弱さ
自分が今いるところでさえ壊しかねない、弱さ
その弱さは、強さの対ではない。弱さは強さに似ている。その頑なさは同義語かもしれない。弱さは、強さではなく、しなやかさと対するもの。
捻れて、歪んで、どろどろで、身体や心にべったり張りついて剥がれない、ぬかるみにはまったらずぶずぶと沈んでいく、そんな厄介なもの。
勝手に沈んどけ
沈むだけ沈んどけ
そんな心の声も聞こえてきそう。
自分自身も答えられない
誰も答えられないような問いを投げかけて(「【連作詩】教えてください」)
わたしはまだ誰かが自分を救ってくれる、
と思っている
導いてくれると信じている。
愚か、だね。
もともと、新しい関係に飛び込むときは
それまでの関係を絶ってしまう大胆さ、硬直さ、激しさと、そうでなければ、今の関係や過去の関係の中で、自分自身を合わせていこうとする小心さ、柔軟さ、穏やかさが併存している。
再デビューのときに、「崖」という詩を書いた。
新しい世界に魅入られ、否応なく惹かれていく引力の強さを描きながら、「このままでいいよ」と誰かに引き止めてもらいたい願いも添えた。
崖から飛び降りてみたのに
片足が残っているような感じ
足首に絡みついたひもが
ぎゅーっと締め付けて
もう、自分ではどうしようもない
宙ぶらりんのまま
陽がきらめく水面に
飛沫を上げることもできず
碧の深さに
身を染めたいと
乞い望みながら
憧れ願いながら
疼き悶えながら
ただ、焼き付けるような
陽射しに
炙られるだけ
新しい世界への切符を贈ってくれたのに
それを活かそうともせずに
もやもやとしている、
そんなわたしを
きっともどかしく思っているかも。
でも、それを使っていいのか
どんどんわからなくなっている。
やっぱり
勝手に沈んどけ、
だよね。
碧い海が遥か下できらめいている。
〈追記〉
いまさらながらだけど、コメントは少しずつ返したい。それは、自分のために。自分を見つけるひとつの過程だから。そして、思うまま、詩を投稿していくのだけは、確か。こんな状況でも、言葉はとどまることを知らない。
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