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地球に優しい? 侵略者(最終話 第66話 これからの事)

 チャマンカ臨時政府から回答があったのは、ワランファが通告した締め切りギリギリだった。返信の内容はショードファ、ダラパシャイ、地球の独立を認めるというものだ。
 その件がショードファ、ダラパシャイ、地球合同艦隊の全艦にアナウンスされると、乗員達は朗報に沸きたった。最後の最後はあっけなかった気もするが、ともかく勝利を手にしたのだ。

「よかった」
 朗報を聞いた結菜が、そう発言する。
「これからあたし達がイチから、地球を変える。より良い惑星にするってわけ」
「だったら、おれは用済みだな。もうショードファ軍から離れてもいいだろう」
 蒼介が、口にした。
「あたし達と一緒に地球を変えましょう」
「おれには、重すぎる話だな。そういう事は、君に任せる」
「ショードファ軍を離れてこれからどうする気?」
「どうするかな? 可能なら、また八王子の野菜工場で働きたい。新政府は、当然チャマンカがもたらした理想的な生活を維持するんだろ?」
「そのつもりよ」
「そうでなくちゃな。でなかったら暴動が起きる。その時は、おれも暴動に参加する。それが嫌なららここでおれを殺してくれ。君がかつて、そうしたように」
「そんな事はしない。あなたはわたしを許さないだろうけど、一色さんを殺そうとしたのは間違いだった」

 結局蒼介はショードファ軍を除隊して地球に帰った。地球は解放され、ショードファ星の同盟国となったため、彼が寝返った件は追及される事はなくなったのである。
 チャマンカ総督府は撤退したが、代わりに地球各国にチャマンカの大使館が設立された。日本では久々に総選挙が行われ、笠岡率いる党が勝ち、再び彼が総理になる。
 今まで投票に行かなかった蒼介だが、今回は生まれて初めて選挙に行った。投票率は90パーセントで、これはチャマンカに征服される以前の日本では考えられなかった話だ。
 これからの日本が、そして地球がどうなるのかはわからないが、自分達で良い点は維持し、悪い点は変えていく事を、常に考えてやっていかねばならないと蒼介は心に刻んだ。

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