社会学を学んでいる話

みなさん、こんにちは。しおです。

12月に入り、本格的に年末の雰囲気になってきました。
私の年末の楽しみは、あの独特の空気感です。
クリスマスが終わり、大晦日とお正月の準備が始まる姿は、異国の文化をたくさん受け入れて楽しんでいる日本ならではの姿ではないかと思っています。

さぁ、今回は私の大学で学んでいる「社会学」についてです。

現在、私は韓国の大学で社会学を学んでいます。
他の人に「社会学って何?」と聞かれると、頭を抱えてしまう学問ではあります。なんせ、範囲が広大ですから。

社会学は、言葉の通り社会を学ぶ学問です。
中高生の時にやった、道徳や総合の時間と、現代社会の授業を思い出してもらえればわかりやすいと思いますが、あの時間って、身体的しょうがいのある人の話や、海外から来た人がどのように日本でくらいしているのか、日本国内にある人種差別意識、みたいなものを、感情的な側面からではなく、社会の構造や規則の部分を批判したり、論議したりする学問です。

他にも、建築物から見る社会集団の権力の発生とか、絵画から見るオリエンタリズムとか。それっぽいことも勉強しています。

社会学は文系に分類されることが多いですが、内容的には数学的な部分があったりします。
統計はバチバチに数学ですし、〜理論も多いので、それを理解するには論理的な思考も必要になります。

今回は、2年間私が社会学を勉強していて面白かった話をしていこうと思います。


①流行りの形成

これは、高校生の時、進路に悩んでいた私に、社会学を一気に魅力的にしてくれた話なのですが、流行ってどうやって形成されているか、考えたことありますか?
流行は「模倣」と「逸脱」から成り立っています。
難しいな、と思ったそこのあなた。全然そんなことありません。

流行って、みんながその流行を真似、つまり「模倣」するじゃないですか。多くの人がその文化を取り入れるから、それを「流行」と呼びますよね。

では、一番最初にその「流行」を作った人は、どうでしょう。
今までのものは、なんだか飽きてしまった。新しいものを作り出したい!!
これが大衆からの「逸脱」です。この逸脱した文化が、多くの人に受け入れられることで「流行」が形成されるんですね。

この、一見相反する現象が同時に起こることで、流行が形成されるんですよね。
当時の私には、この話ががん刺さりし、社会学を学ぶことを決めました。今思うと、若干マーケティング理論ぽいですが、私の学びたいを引き出してくれた思い出の理論です。


②建物から見る権力形成

これは、この話自体が面白かったというよりかは、社会学ってこんなとこにも影響するんだと、ある種の感動を覚えた話なのですが、みなさん、「パノプティコン」ってご存じでしょうか。

「パノプティコン」は簡単に言ってしまえば、刑務所の構造なのですが、真ん中に、監視官のいる塔を建て、その周りに囚人の部屋を作るという構造の建物なのですが、これで何が起こるかというと、「監視の内在化」が起こるんです。

引用元:https://images.app.goo.gl/yNzG7qzbmn5qFHMy8

真ん中にいつも監視官がいることで、囚人は24時間365日監視されていることになります。こうすると囚人は、無意識のうちに「監視されている」と意識するようになり、だんだん自分自身を監視するようになる、というものです。これを権力の内在化とみなす、としたのが、ミシェル・フーコーという社会学者です。(ざっくりとした説明なので、間違っていることもあるかもしれません、、、気になった方は調べてみて下さい!)

社会において、権力という概念は非常に大きな影響を与えます。
それまで、理論や概念をたくさん勉強していたので、実際に現実に落とし込んだ施設があるという事に非常に驚きました。



③意外と多いフェミニスト

一番衝撃的だった教授の自己紹介が「(名前です)。私はフェミニストです。」でした。
えぇ、、、言うんだ、、、、すご、、、、
思想の傾向というものは、基本的に教育の場において、教鞭をとる人間はなるべくフラットであるべきだという概念を早々にぶち壊してきた教授でした。

ただ、話を聞いていると、そのような考えになるのも理解しましたし、授業には特段、影響がなかったので、ただの衝撃的な自己紹介だっただけでした。

そして、過去の社会学者は意外とフェミニストが多いです。当人の性別にかかわらず、結構な数のフェミニストがいるのですが、面白いのは、フェミニストたちの考えが、人によって結構変わることです。

「女性の人権を尊重するべきだ」みたいな、現代の私たちがすぐに思い浮かぶようなフェミニストもいれば、
「女性も、そんなにバカではない。労働社会において活用するべきだ」的な、労働力として女性を採用するべきだみたいな方向性のフェミニストもいます。優秀な奥さんを持った男性の社会学者は割と、この考え方を持った人がいます。
一概に「フェミニスト」と言っても、いろんな方向性があっておもしろいですよね。


④配慮の権化、社会学科の教授たち

人種や少数者などの問題を研究する学問の教授たちなので、偏見というのもが少ないです。
大きなものを主語にするときは必ず「傾向として」とか「平均的に」のように、必ずしもあなたがどうでないかもしれない可能性を忘れないでいてくれます。
これは割と社会学科ならではというか、ほかの教養の授業ではあまり感じないのでうちの学科特有なんだと思います。

一番感動したのは、1年生の時のテストの時に、集団について論述するテストがあったのですが、最後の問題が「あなたの所属集団についても記述しなさい(ここでの集団は日本、中国、ドイツも含む)」と書いてありました。
この時授業を聞いていたのは韓国人だけでなく、私を含め4人の留学生が聞いていたのですが、所属集団はあなたの思う所属集団で良い。韓国に暮らしているからと言って必ずしも自意識下で韓国集団が所属集団ではない。という教授からの配慮の一文でした。

ちょっと面白かったのは、私たち留学生はそれが配慮だと気付いたのですが、韓国人の子たちの中で何人かその文のせいで混乱してしまった子がいたことです。そりゃそうなるよね笑
普段の授業から、教授たちが多方面に配慮していることがうかがえるので、社会学の教授たち大好きです。


以上、私の社会学エピソードでした。

理論まみれだし、納得いかないし、量は多いし、直接的に役に立ちそうなことなど、一つもありません。
ですが、物事を多角的にとらえる力はメキメキ上がります。何かを批判する、物事を裏側から見る、社会現象の二面性を考える、他人を気遣う。それが身につくのが社会学だと思います。

こんなことを言っていますが、社会学歴2年のペーペーです。間違ったこともたくさん考えますし、全然理論的になれないときもあります。まぁ、それでもいいような気もします。それが社会学だと勝手に思っています。

社会学は、文系に部類されがちですが、理系の人は割と向いてるんじゃないかなと思っています。実際私がそうなので。
結構論理的で、現象に理論や証拠を求める学問なので、数学が好きな私には結構あっていたんじゃないかな、と思います。

大学で本格的に学ばなくても、日常に社会学はあふれています。
私が最近買った本が「アニメの聖地巡礼から見る、観光社会学」という本です。なんか、勉強っぽくなくて面白そうでしょ??

もし、進路に悩んでいる方がいらっしゃいましたら、一つの参考になれば光栄です。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
では、またどこかで。

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