アフターオリパラ〜女子バスケ(立ち5人制)編〜

東京オリンピックとパラリンピックが閉幕しました。
立ちバスは5人制で女子が、椅子バスでは男子がそれぞれ銀メダルを獲得、日本中に衝撃と感動を与えてくれました。
スポーツに対して熱しやすく冷めやすい、そしてそのトリガーがオリンピックである事が多い国、日本。それぞれのカテゴリーで何をしなくてはならないのか?
皆さんそれぞれが考えるきっかけ、一助になれば幸いです。
前回の立ちバス男子5人制に続いて、立ちバス女子5人制編です。

1.追い風ムードの中で大きな変化を感じなかったオータムカップ
2.Wリーグだから獲得できた銀メダルなんだけど
3.Wリーグに変化は必要?

1.追い風ムードの中で大きな変化を感じなかったオータムカップ

ベスト4進出以降、日に日に世間の注目を集めるようになった立ちバス女子5人制。銀メダル獲得後も報道系番組からバラエティー番組まで引っ張りだこだったメンバー。
そんな中、群馬県の高崎アリーナで行われたWリーグのオータムカップ。私は9/3の午後から会場で観戦しました。いわばプレシーズンゲームなのですが、会場の雰囲気に大きな変化は感じませんでした。平日なのもあったのかもしれませんが、会場には根っからの女バス好きの姿しかなかったかな?と思いました。
判断するには時期尚早ですが、オリンピックの波をうまく掴めなかったのかもしれません。オリンピック効果はこれからくるのか?Wリーグの開幕後に注目です。

2.Wリーグだから獲得できた銀メダルなんだけど

Wリーグはプロリーグではありません。企業名を冠した実業団チームと、地域名を冠したプロチームによるリーグです。プロチームも完全なプロチームとは言い難く、スポンサー企業やパートナー企業で働きながら競技活動をしています。サッカーでいうと地域リーグやJFLに近いのかもしれません
そして今のところ、このリーグ形態が代表強化に貢献していると言えます。
Wリーグの主流である企業チームは、プロではないので、試合による興行収入やスポンサー収入に依存せず、企業の福利厚生費で運営されていると思われます。
つまり、試合数が多かろうが少なかろうが関係ないのです。
(プロチームはそういう訳にはいかないのですが、メインストリームは企業チームです)
これによりオリンピック前のWリーグは、レギュラーシーズンを短縮、ポストシーズンも早々に切り上げて、代表活動の期間を長くとるという柔軟的な運営が可能となります。これはプロリーグであるBリーグではできない芸当です。
こうして選手たちの努力と、入念に計画された強化試合や遠征で強くなった女子代表は、オリンピックで銀メダルを獲得するに至りました。

3.Wリーグに変化は必要?

何でもかんでもプロ化!とは思いません。しかしながらWリーグ、世界で2位をとった国のトップリーグとしてはかなり不思議な構造なのではないでしょうか?
まず、外国籍選手は留学生として来日した選手のみ。しかも来日後に5年間の就学歴がないとエントリー資格が得られないので、高校で来日すると最短でも短大や専門学校を卒業しないと、Wリーグにエントリーできないんです。
極端な言い方をすると、鎖国的なリーグともいえ、留学生のエントリー条件の緩和や、そもそも外国籍選手のエントリーについては、リーグの競技水準アップの観点からも、検討事項であると思います。
一方で、トヨタ自動車アンテロープスのルーカスHCや、デンソーアイリスのマルコヴィッチHCはそれぞれ、スペイン代表、セルビア代表のHCとして東京オリンピックを戦っています。そういう意味ではオープンなリーグなのかもしれません。
これからは世界から追われる立場になり、世界との関わり方も問われることになるでしょう。もし、何もしなかったら、今は強化面で順調でも、どこかで頭打ちになるのではないのでしょうか?
そんな中、オリンピック前のリリースではありましたが、リーグの陣営が刷新されました。
注目は、新会長の映画監督・河瀬直美さん、新任理事のバスケ解説・中川聴乃さん、NPO代表&現役3x3選手の有明葵衣さん、そして1年前に現役引退した伊集南さん。
就任挨拶を読むと、どちらかというとセカンドキャリアも含めた発展というニュアンスが強い印象を受けますが、新しい風が吹くことに期待したいです。

清野専務理事の言葉の通り、Wリーグの進む先が選手、ファンがワクワクするものであって欲しいものです。

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