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イブラヒモビッチの“悪行”が続く…。ギリギリを攻める大ベテラン

ピッチでも外でも話題のイブラヒモビッチ

 ミランのFWズラタン・イブラヒモビッチが、ピッチの内外で話題となっています

「このスウェーデン人はケタ外れの選手で、ミランに非常に多くをもたらした。だが、常に論争の的になっている」。

 こう記したのは、4月13日『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のウェブ版。同メディアはさらに、「ズラナタナータ」というフレーズを使って、今季の“悪行”をピックアップしています。

ズラナタナータ?

「ズラタナータ(zlatanata)」は造語です。カルチョファンにはお馴染みかもしれませんが、問題児で知られたアントニオ・カッサーノの悪行を指して「カッサナータ(cassanata)」という造語がかつて生まれました。そのカッサナータにかけて「ズラタナータ」と呼んでいるわけですね。

 39歳となった今もピッチで活躍を続けているイブラヒモビッチは、精神的にもミランの柱。“悪童”という表現はふさわしくないでしょう。

 とはいえ、最近は論争の的になりすぎているため、こうしてネガティブな側面にもスポットライトが当たっています。

 最近では以下のようなことを起こしています。

審判を侮辱したのか

 ミランは10日のパルマ戦でイブラヒモビッチが一発レッドで退場。この件については13日、スポーツ裁判所が1試合の出場停止と罰金処分を科して終了しましたが、論争を呼びました。

 イブラヒモビッチから事情を聞いたというステファノ・ピオリ監督は試合後、「彼は主審を侮辱するようなことは言っていない」と説明。審判団に対する侮辱行為は2試合出場停止が一般的で、ミランは上訴に動くだろうと言われていました。ただ、マレスカ主審にたびたびクレームを付けていたことは認めていました。また、イブラヒモビッチの言葉を聞き間違えてレッドカードを出したという話も。結局、「審判団に対する敬意を欠いた批判」という理由で、「1試合の出場停止(+罰金)」という中途半端な処分になっています。

 フランコ・オルディネ記者は「イタリアのカルチョの歴史で初めて敬意を欠いた批判という言葉で定義づけられた。マレスカ主審の報告書には明確な侮辱の言葉がなかったため、スポーツ裁判官は新たなルールをつくることでマレスカを正当化した」と発言しています。

ルカクに対する人種差別はあったのか

 1月23日コッパ・イタリアでの出来事。インテルとのダービーでは、イブラヒモビッチとロメル・ルカクが激しく揉める事件があり話題になったことはご存じの方も多いのではないでしょうか。

 イブラヒモビッチは当初から絶対に人種差別はしていないと主張しています。ただ、温厚なルカクをあそこまで激昂させるのだから、相当なことを言ったはずという意見も。実際、イブラヒモビッチが言ったとされる発言は、“スレスレ”な気がします。

 長く続いた調査の結果、人種差別には該当しないと結論。イブラヒモビッチは長期の出場停止を免れた形となりました。

レッドゾーンで食事をしたのか

 そんなイブラヒモビッチはパルマ戦のあと、ミラノのど真ん中のレストランに姿を見せたことがFanpageというメディアにすっぱ抜かれています。

 新型コロナウイルスの影響を受けており、ミラノ中心地はレッドゾーンに指定された地区。レストランでの飲食は(ほぼ)禁止されているそうです。
 イブラヒモビッチ側はビジネスの話をしただけと説明し、飲食には該当しないと主張しています。レストランに2時間いて話すだけというのは確かに違和感ですが、出回っている写真はレストランでテーブルを囲む姿だけで、イブラヒモビッチの行動がレッドだったかはグレーどまりというところです。

知的ゆえに厄介なズラタナータ

 ミラノ中心部での会合はちょっと毛色が違いますが、ルカクとのトラブルもパルマ戦のレッドカードも、イブラヒモビッチからしたらルールの範囲内での行為という認識であることがうかがえます。

 だからこそ、人種差別に該当するフレーズを避けるし、侮辱にあたる言葉も発さないという判断ができるのでしょう。

 それでもルカクの激昂はルカクに対する精神的な攻撃があったわけで、マレスカ主審に対して「家に帰れ」と連呼することはルール上レッドカードに相当しない言葉だとしても、褒められるものではないでしょう。イブラヒモビッチは、試合中の挑発行為も勝利のための手段と捉え、ギリギリまでやっているのではないでしょうか。

 ただ、レッドゾーン会食の件は一線を越えている印象を世間に与えかねないでしょう。イブラヒモビッチはすでに新契約を交わすことで合意済みと言われています。12日か13日には正式な発表があるのではないかとも噂されていましたが、今のところなし。このタイミングではないと判断したのかも……、と考えてしまうのが自然ではないでしょうか。

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