2023年の好きなボカロ曲について、いくつか語ります

はじめに

　はじめまして、caramelといいます。この記事は、ボカロリスナー presents Advent Calendar 2023 (二枠目)の参加記事となっております。

・・・・・・遅刻してしまいました。大変申し訳ございません！！！！！！

　・・・はい。もう12月も終盤に差し掛かっておりまして、2023年とさよならの日が近づいています。そこで、一年の振り返りとして、今年投稿されたボーカロイド曲の中で私が特に好きで繰り返し聞いている曲をご紹介しようと思います。

曲紹介

①Leon

　ボカコレ2023春ルーキーで17位にランクインした楽曲です。この曲との出会いはもちろんボカコレの周回をしている時でした。動画を再生して数秒で分かりました。「あ、これ絶対鬼リピしてしまう！」と。実際その通りになり、しばらく余韻に浸ってもう一回再生して、とループしてしまい、周回が全く進まなくなるほどでした。
　というのも、私、何を隠そうボカロバラード曲が大好きなのです。実はボカコレの参加作品はバラードが少ない傾向にあり、少し寂しさを感じていたので、この曲に出会った時は本当に嬉しかったです。

　さて、この楽曲の好きなポイントは2つあります。

　一つ目は「一つ一つの音を大切にしている」点です。それを感じるためにまず一度、歌詞や解釈など何も考えずに聴いてみてほしいです。・・・いかがでしたか？耳から頭の中まで、すっと音が響いていきませんか？
　このように感じさせる要因は、難しいリズムは用いられておらず、サウンドの量と数が想いを届けるために必要十分である、という点が大きいと思います。これはinstを聴くとすぐに分かるのですが、音の重なりと言うよりかは一音の響きや余韻が心に強く残ります。人が抱く感動というものは、(もちろん良い意味で) 素朴なものが内側から放つ美しさなのではないか、と考えさせられました。
　さらに、ボーカルを担当している裏命の「ボカロらしくも人間らしくもある」歌声。優しく、そして真っ直ぐ語りかけているようで、疲れきった心によく効きます。超絶個人的な意見ですが、この曲は人が歌うよりもボカロが歌う方が心に刻まれるんですよね。なぜかは分からないんですけど。でも、そう思うくらいボカロのポテンシャルを引き出している曲であると断言できます。

　二つ目は「身近なものの美しさを素直に表している歌詞」です。4分48秒の長さに対して歌詞の文字数は少なめではありますが、その中に想いがギュッと詰まっています。
　タイトルにもあり、曲の中で何度も出てくる言葉、「リオン」。これは、アメリカの東部に分布している多年草植物であり、藤紫色の美しい花を咲かせます。花言葉は「秘密の生活」、「秘めた思い」。まさにこの花言葉が示すような歌詞になっており、作者の伝えたいことを知ることができます。

　さて、私が特に好きな部分を引用します。

ねぇリオン。
死んでしまいたいのは
美しいからなんだね。

　美しい景色を見ると、心の内側を縛っていたものが解けて、不思議と希死念慮が湧き出てくる。そんな経験はありませんか？私は数えきれないほどあります。今考えると、そういう場所は旅行先や有名なスポットではなくて、何気ない日常の風景なんですよね。赤く染まった夕焼け、見知らぬ親子が遊んでいる河川敷、夜の歩道橋の上から見える車の列、足元に小さく咲いている花々。もしかしたら、この身近で綺麗な景色と自分を同一視している節があるのかもしれません。だからこそ、死んでしまいたくなるのかな、って。
　共感的な歌詞が心にそっと寄り添ってくれますね。

②Smile to Smile

　市瀬るぽ氏らしい爽やかなサウンドと、優しくて暖かくて勇気を貰える歌詞が特徴的な曲です。ニコニコ超会議2023のテーマソングでもあります。

　半年前、実は私も幕張メッセに訪れ、ニコニコ超会議に参加してきました。恥ずかしながら人生で初のニコ超参加だったのですが、会場に到着した瞬間、ここはこんなに楽しい場所だったのか！？と衝撃を受けました。開場前に並んでいる時、隣にいる初対面の方とお話して仲良くなれて本当に嬉しかったですね。それで開場時間になり、荷物検査を済ませて会場入り口までワクワクしながら歩いていたのですが。そこでこの音楽が聞こえてきました。ホールに近づけば近づくほどその音は大きくなり、いよいよ始まるんだー！と高揚した気分になりました。会場の各地でも大音量で流れていたので、とても印象に残っています。ニコニコ超会議の話題がでると脳内再生するレベルで。

　そういう訳で、私にとって思い出の曲です。

　好きな歌詞を紹介したいと思います。

下手くそな色で描いたって
ぐちゃぐちゃな音で奏でたって
君が君らしく居られる場所

　私自身、インターネットでの創作活動は始めたばかりですが、自分の「好き」という感情を自由に表現できる場所があるというのは最高ですね。大衆に人気のあるものやクオリティが高いものではなくても、誰かからは見てもらえる。どんな形であれ、唯一無二の作品が一堂に会する場所は、本当に輝いている。まさにニコニコ超会議の良さを引き立てる歌詞だな、と感じます。

おわりに

　大遅刻したのに加えて2曲しか紹介できなくて申し訳ないです。本当は10選を選んでいたというのに。
　ボカロ曲のレビューを書いたのは今回のアドカレが初めてだったので、とても良い経験になりました。本当にありがとうございます。全てに感謝。

　それでは、良いお年を。