自分の普通に「瞬時に」疑問を持てること

これもまた、現バイト先での話。

お客さんに瓶ビールを出すとき、私が栓を開けて渡す。

マンボウが明けて、今のバイト先で働きだして2回目の夜営業の日。
何も考えずにコブラビールの栓を開けた時、店長にえ?とびっくりされた。

私は、栓抜きの上側のツメを、栓の王冠にひっかけ、下向きに力を加えた。
普段栓抜きなんて使わないので、店長が驚いた反応を見て、あ、これは違う使い方なのか~ってすぐに思った。てこの原理を考えてこうすれば開くよなって感覚で開けただけだったし。

どうが正しいですか?って聞いたら、店長は、栓抜きの下側のツメを王冠に引っ掛けて、上向きに力を加えるのが“普通”だといった。下に力を入れる開け方は初めて見たとでも言わんばかりな反応で、へぇ私の開け方は普通ではないのね、まぁこっちでも原理的には開くけどね、と思った。

ただ、お客さん(常連さん。前の投稿にも登場した人)が、いや、もしかしたらそっちが正しいのかもよ?って言った。

俺らの普通はこっち(上向きに力)だけど、もしかしたら本当は下向きに開けるのが普通かも。
そうお客さんが言った時、この人、すごい、と思った。(一回り半歳上の人だから、すごいってなんか失礼なんだけど、その時の素直な感想……)

自分の“普通”に、瞬時に、疑問を持つこと。すごく難しいことだと思う。

物事を考えるときに、自分の普通は世界の普通じゃないかも、と意識すること。これ自体難しいことだけど、私自身も普段気を付けていることだし、大切だという認識を持っている人も多いんじゃないかなと思う。
だから、今回、お客さんが自分の“普通”に疑問を持ったこと自体はそんなに感動したわけじゃない。
今回の感動ポイントは「瞬時に」ということ。
時間をかけて考えているときは、考えているうちに矛盾に気付いたり、色々な人の話を聞いて色々な意見に触れたりして、自分の普通に疑問を持てる可能性が高くなる。でも、瞬間的だと、このような過程を踏めないので、疑問を持つのは難しいんじゃないかなと思う。

だから、この日、お客さんが瞬間的に、どうかな?って疑問を持っていたことに心底すごっと思った。普段気を付けていることだからこそ、尚更この、瞬時に、って言うのに感動した。
自分は今までできてなかっただろうなあって反省。これから気を付けてみよう。

どうやら栓抜きの正しい使い方は、下のツメを王冠に引っ掛けて、上向きに力を加える方だそうです(さっき調べた)。ま、どっちでも開くからいいんだろうけどね、ってその日は収めた気がします。

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