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インターネット回線の基礎

この記事で学べること

・インターネット接続についての知識が身に付く
・PPPoEの基礎知識が身に付く

インターネット回線について

私たちは日々、家庭内や社内のルーターを通してインターネットへ通信をしています。ルーターの先の回線はどうなっているのでしょうか。

回線の仕組み

インターネット回線を使用するには『回線業者』と『ISP(インターネットサービスプロバイダ)』の2社と契約を結ぶ必要があります。この2社は同じ会社で有る場合もありますし、別々の場合もあります。

回線業者

回線業者とは、物理的なケーブル配線を行い通信路を提供する業者です。例えば住宅で光回線を使用する場合、エアコンダクトや電話線の配管などを通して光ケーブルを宅内に引き込みます。この回線を管理しているのが回線業者です。
回線業者はNTT、KDDI、SOFTBANK、J:COMが有名です。

NTT東日本などの回線業者が光回線を管理

宅内に直接光回線を引き込む方式をFTTHといい、戸建て住宅で主に採用されます。マンションなどではMDFと呼ばれる集線装置までは光回線で、そこから各居へは電話線を配線するVDSL方式がよく採用されます。

・戸建て住宅へ引き込まれた光回線

▲エアコンダクト等の壁穴を通して屋内のONU(光回線終端装置)で終端される

・集合住宅のMDFボックス

▲中を空けるとスイッチが入っており、各部屋へ分岐させている場合が多い

このように回線業者は全国津々浦々に光回線を敷設し、電柱から建物までの物理的な配線までを担当しています。しかし、これだけではまだPCからインターネットへ接続することはできません。

インターネットを使うためにはインターネット上の住所となるグローバルIPアドレスが必要です。グローバルIPアドレスを取得するためにはISP(インターネットサービスプロバイダ)と契約する必要があります。

ISP(インターネットサービスプロバイダ)

ISPとはインターネット接続を提供する事業者です。
どの家庭も企業も、プロバイダから提供されたグローバルIPアドレスを使うことでインターネットへとアクセスしています。

先述の回線業者は大手キャリアの独占状態でしたが、ISPは実に多様な会社がサービスを提供しています。回線を提供するためには全国津々浦々まで光ケーブルを敷設する物理作業に莫大なコストが発生します。一方で、ISPの ”グローバルIPアドレスを付与してインターネット通信の入口を設ける" という作業は論理的に行うことが出来るために大きなコストは発生しません。そのため、昨今では多くの事業者がISPを担うこととなりました。

例えば、『OCN』『So-net』『BIGLOBE』等、挙げるとキリがないほどです。

OCNなどのプロバイダがIPアドレスを管理

余談ですが、昨今では回線業者がプロバイダへ回線を貸し出すことでプロバイダ1社との契約でインターネットへ接続できる、光コラボというものもあります。『NURO光』『DMM光』『コミュファ光』等が光コラボにあたります。

インターネット接続方式

家庭のルーターや企業のルーターはともにプロバイダのルーターへとつながっています。プロバイダのルーターとの接続方式は複数ありますが、最も多く使用されているのがPPPoE(Point to Point Protocol over Ethernet)です。

最近ではIPv4からIPv6への移行のため、IPv6を標準採用したIPoE(Internet Protocol over Ethernet)もよく使用されます。IPoEではIPv4通信がサポートされないため、IPv6網でもIPv4パケットも運べるようにしたDS-Lite、MAP-Eといったトンネリング技術も併せて採用されています。

この記事では、最も多く利用されているPPPoEに焦点を当てて解説していきます。

PPPoEの機能

PPPoEは、認証機能のあるPPPをイーサネットで使用できるようにした技術です。
PPPoEはサーバとクライアントで構成されており、プロバイダ側がPPPoEサーバになります。PPPoEサーバがパスワードによるクライアントの認証を行い、認証に成功するとグローバルIPアドレスをクライアントへ払い出して接続を可能にします。
そのため、契約した回線は契約者以外では使用できない仕組みとなっています。

室内の設備

回線業者が物理的な光ケーブルの敷設を提供し、ISPがインターネット上の住所(グローバルIPアドレスの付与)を提供することが分かりました。またインターネット接続は宅内ルーターとプロバイダルーターとでPPPoE接続することで実現することも分かりました。

続いて室内の設備について解説します。下記の画像は右から『光コンセント』『ONU(光回線終端装置』『ルーター』の順に並んでいます。

▲どの家庭にもあるので探してみましょう

光コンセント

前述しました通り、電柱から宅内へ光ケーブルが引き込まれるわけですが、その先には光コンセントというものがあります。光コンセントは室内に設置される光ケーブル用のコンセントです。光コンセントがあることで、室内に引き込んだ光ケーブルを宙ぶらりんにしておく必要がなくなります。画像では取り外してありますが、一般には電気のコンセントの差込口のように壁面に設置されています。

ONU(光回線終端装置)

光コンセントとONU(光回線終端装置)を光ケーブルで接続することで電柱から宅内のONUまで光回線が繋がります。
ONUでは光の点滅による信号を1と0のオンオフによるデジタル信号に切り替えます。デジタル信号に変換することで後述のルーターが信号を処理できるようになります。逆に、ルーターからやってくるデジタル信号を光の信号へ変換することもあります。

ルーター

ようやく聞きなじみのある機器名が出てきました。ルーターです。
ルーターではPPPoEセッションの維持、ルーティング、NAT等を行います。家庭用の機器ではDHCP機能、DNS機能、Wi-Fi機能も同時に持つことが多いです。(余談ですが、企業のインターネット通信用の設備ではONUまでは共通しているものの、ルーター以降の機器に関しては業務用の高価なものに置き換わります。)

このように、回線業者が敷設した光ケーブルは室内の光コンセントまで続いており、光コンセントにONUを接続し光信号とデジタル信号の変換、そしてルータがPPPoEセッションを確立することでプロバイダと通信を行うことが出来るようになります。

まとめ

  • インターネットには『回線業者』と『ISP(インターネットサービスプロバイダ)』の両方と契約することで接続できる

  • PPPoEは最も多く使われるインターネット接続方式であり、パスワード認証で正規のクライアントにのみIPアドレスが付与される

  • 回線業者の提供する回線はONUで終端・デジタル信号へ変換され、ルーターが通信の処理を行う

以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました。
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