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ストーンズの「Memory Motel」は実在するモーテルが舞台だった

Memory Motel

ストーンズ(The Rolling Stones)の1976年のアルバム「Black & Blue」。どうも彼らの70年代のアルバムの中では未だに評価が高まらないアルバムのようだ。

ハンド・オブ・フェイト、愚か者の涙、メモリー・モーテルといったストーンズらしい名曲揃いなのになぜという気がするが、やはり1曲目がホット・スタッフということと1976年という時代がいけなかったのか。

A面ラストの「メモリー・モーテル(Memory Motel)」なんかは稀代の傑作バラードだと思っていたら実は人気がなくて、ライブで初めて演奏されたのが90年代になってからだそうだ。

レコードでのギターはウェイン・パーキンス。キースは何をやっているかというとフェンダー・ローズを弾いていてギターは弾いていない。この手のバラードでは珍しい。

ずっとそのMemory Motelは比喩としてMemory Motelだと思っていたのだが、最近になってアメリカに実在するモーテルということを知った。

ニューヨーク州ロングアイランドのモントーク(Montauk)にある「Memory Motel & Bar」がそのモーテルである。
住所でいうと692 Montauk Hwy, Montauk, NY。
Street Viewで見るとしっかり ”MEMORY MOTEL" と書かれた建物が見えると思う。

モントークにはアンディ・ウォホールの別荘があり、Sticky Fingers以来の縁もあって1975年のアメリカツアー中はよくそこを訪ねていたそうだ。アンディ側からすれば、友人の有名人たちを泊まらせて恩を売りつつネタにする思惑もあったのだろう。

不動産屋のサイトにしっかりその別荘が載っていて、ミック・ジャガーの他にジャクリーン・オナシスやエリザベス・テイラーにジョン・レノンなどをゲストとして泊めたとか書いてある。
ちなみにお値段は5千万ドル。65億円くらいか。

アンディ・ウォーホルのところへ遊びに行く時に利用したのがここ「Memory Motel & Bar」だそうだ。

他にいくらでも立派なホテルがあるのにここを選んだのは、ビリヤードができてピアノがあるのがここだけだったから。やっぱりロックンローラーには楽器とビリヤードが必須なのだ。

Memory Motelの歌詞はHannah honey、Hannah babyとの思い出を歌っているのだが、昔からこの ”Hannah” は誰かという問題がストーンズファンの間にはある。

カーリー・サイモンに ”You're So Vain” と歌われたのでそのお返しがMemory Motelで、だからカーリー・サイモンという説もあったがちょっと年代が違う。

この1975年のUSツアーの時にカトリーヌ・ドヌーヴがここを訪れたのは確からしい。

ただ歌詞の内容と突き合わせると、このUSツアーの撮影担当として同行していたアニー・リーボヴィッツという線が濃厚らしい。
ジョン・レノンが暗殺される数時間前にジョンとヨーコの写真を撮ったことで有名な女性カメラマンである。





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