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霊現象と妄想の狭間(レビュー:『クロユリ団地』)

オススメ度:★★★✩✩

〉毒々しい色の花に囲まれたクロユリ団地。近隣の人々の間では「出る」と噂されるいわくつきのこの団地に、介護士を目指す明日香がなにも知らずに家族とともに越してきた。数日後、明日香は隣室に住む一人暮らしの老人が孤独死をしているのを発見。さらに、団地で出会った寂しげな少年・ミノルとの交流から次々と不可解な出来事に巻き込まれてゆく。それは彼女が味わう恐怖の幕開けに過ぎなかった・・・!

 中田英夫監督作品ということで身構えて視聴したが、結論から言うと、意外と悪くはなかった。

 中田監督は『女優霊』でホラーファンに評価され、『リング』『仄暗い水の底から』で足場を固めた監督である。この辺りまでは私の信頼感もかなり絶大だった。

 それが『劇場霊』で「どしたん?」となり、『事故物件』で「Oh..」となって今に至る。私は未見だが『スマホを落としただけなのに』も中田英夫監督作品らしい。

 本作『クロユリ団地』は『劇場霊』の少し前の作品なのでかなり腰が引けていた。「この辺りから微妙になってきたのではないか…」と。だが、上に書いた通り、『劇場霊』に比べればだいぶ見れる作品であった。

 ネタバレ無しで語るのは難しいのだが、本作には一種のトリックが仕込まれている。

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