異様なアハ体験(レビュー:『スイート・マイホーム』)
オススメ度:★★★☆☆
面白い作りの作品である。地下室の暖房器具による暖気の循環により、特定の部屋だけでなく家全体、玄関や廊下まで暖かくなる「まほうの家」という設定、そして、極寒の地、長野という設定が「えっ、そんな形で活かされるの!??」と、キョトンとするような笑ってしまうような……驚くような形で効いてくる作品だった。いや、そんな伏線、気付けませんわ……。
本作で発生するミステリー(連続怪死事件)は被害者の共通項に全く見当が付かず、後半に入るまでずっと「何が起こっているのかさっぱり分からない」感覚を覚え続ける。
と言っても、これはマイナス評価の「分からない」ではなく、むしろ、謎解きに向けての期待感を高められる、良い「分からない」の方だ。かなり期待感のハードルが高まってしまうので、「これを飛び越えるのは難しいのではないか?」と感じるものの、結果的にはギリギリで飛び越えてくれたとも感じている。
さて、ここから先はネタバレ抜きには進められないので、以下はネタバレご注意となる。家の中での「誰かに見られている」かのような不穏な空気、何者かの監視を警告する統失っぽい兄貴、そして、関係者たちの不可解な怪死事件、それらの真相は――、
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