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幻想に憧れ、現実に裏切られる、哀れな生き物、親


「お義母さんに娘を預けて二人で温泉宿にお泊りしたいね」

 先日、そう言って温泉宿のホームページを見ていた私と妻だが、見始めた数分後には、

「これ、娘が喜びそう!!」

 そんなことを、われわれは言い始めていたのである……。

 このように親という生き物は、キッズ向けプレイスポットを目にするやいなや、半ば条件反射的に、我が子がそこで笑顔になっている情景を想像し、それを現実にすべく散財してしまう(この親の条件反射を何らかビジネスに活用できないか……と、私は日々考えているのだが)。

 しかし、悲しいかな。親の抱く幻想に対して現実は厳しい。そのプレイスポットで我が子が笑顔になってくれる保証などどこにもないのである。私の両親も孫を喜ばせるために、今回の帰省前から計画を練っておいてくれて、遊園地のプールへと連れて行ってくれたのだが……。

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