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封印された?「そしじ」の謎

筆者のTLに、最近よく流れるようになってきた文字がある。
ウ冠に神と主で、「そしじ」と読むとされる文字である。

「GHQに潰された文字」とされ、確かに筆者の手元にある漢和辞典にも記載がなかった。一方、下記のツイートのように「『宗』『主』『神』を合わせた造語」として紹介されることもある。このツイートでは、直後に「古くからあった漢字」と言われており、一文の中で矛盾が生じているが、そんなことを気にしていては陰謀論界ではやっていけない。果たしてこの「そしじ」は、どこからやって来たのだろうか。

〜2010年頃:造語として紹介されている

現在では情報が溢れてしまっている「そしじ」だが、時系列を遡っていくと騒がれ始めたのは2020年代であり、それ以前にはほとんど情報がなかったことが分かる。最初期の例としては2006年に書家のブログで紹介されていた。ここでは「実在する文字ではない」「造語というか、作られたもの」とされている。

また、2010年には大手サイトで「そしじ」が紹介されていた。「にんげんクラブ」である。

にんげんクラブは船井幸雄氏によって設立された団体である。船井幸雄氏が「オカルトのドン」と言われていた通り、様々なスピリチュアルグッズや民間療法、自己啓発の情報が紹介されており、スピリチュアル業界では大きな影響力を持つ。

上記の記事では佐藤政二氏に紹介されたと記載されており、ここでも「宗、主、神を合わせた造語」と説明されている。

佐藤政二氏は「生体エネルギー研究所」の所長であり、その理論を応用した製品としては「これを持った人が100m以内に3人いれば囲まれた空間に生態系ができる」「空間の能力を高める」と謳われる『携帯用しらべ くきみ』がある(価格は10万円以上だ)。これがスピリチュアルグッズの世界である。

にんげんクラブでは他のページにも「そしじ」についての言及があり、「生体エネルギーの基本になる」「構造の説明」が行われていることから、確実ではないものの、佐藤氏による創作に思える。

「そしじ」は生体エネルギーの基本らしい

2021年:「古来から存在していた」という言説が発生

その後は「そしじ」についての情報はあまり見られなくなっていたが、2021年になると「古来から存在していた」という言説が見られるようになる。そのきっかけと考えられるのが下記の動画である。

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