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「何もせずに50万円もらえる」話に応募してみた

(全文無料)

ある日届いた「何もせずに50万円もらえる」DM

TwitterでDMを公開設定にしていると、日々怪しげなメッセージが届く。さすがに内容が似通っている定型文(「Amazonのアルバイト。定員は◯◯名」、「私は学生です。チャットでアダルトなサービスを〜」など)は相手にしないが、先日あまり見覚えのないパターンのメッセージが届いたため返事をしてみることにした。「何もせずに50万円もらえる」というのである。

物凄く怪しいが、筆者のスパムDMリストではあまり見ないパターン

ほのぼのした雰囲気で行われる、とんでもない要求

見るからに怪しいが、興味がある旨返信したところ、次のようなメッセージが返ってきた。

確かに簡単ではあるが…

「内容はとっても簡単💁‍♀️仮想通貨のアカウントを開設してレンタルするだけ👆」と絵文字で印象を和らげているが、要求していることは口座貸し・名義貸しである。この時点でやってはいけない。さらにやり取りを続けると、「指定の取引所が4つあり、1つあたり月10~15万円もらえる」こと(確かに月50万円以上もらえる計算ではあるが「何もせず」というわけではない)が説明され、Telegramに誘導された。

そこでTelegramのIDを連絡すると、しばらく経ってからメッセージが送られてきた。Gmailアドレスの新規作成とビットフライヤー(意外にも国内大手である)の口座開設依頼である。取引所は4つ指定される予定だったので、他の大手取引所も利用されていると推測される。

勿論、このような怪しい取引に関わるわけにはいかない。少し時間を空け、作った体で返信した。すると、次のようなメッセージが返ってきた。

Gmailと取引所のアドレス、パスワードを要求されるのだ。これでは好きに口座を使われてしまう。
正直に答えてくれるとは思えないが、どのような用途に使うのか(何か運用するのか)聞いてみたところ、返ってきた答えは「税金対策」であった。
ここでは税金対策と表現されているが、仮想通貨を使ったマネーロンダリングや、詐欺の取引口座に使われる恐れがある。

仮想通貨の口座貸しは刑事罰の対象になる恐れ

仮想通貨の口座貸しを行った場合、貸した側も刑事罰の対象になり得る(犯罪収益移転防止法)ため、絶対に行ってはいけない。マネーロンダリングの疑いがあるとして昨年届け出られた件数は58万件と過去最高で、決済アプリや仮想通貨交換業者の増加が目立つという。

告知:『コンスピリチュアリティ入門』刊行記念トークイベント

スピリチュアル混じりの陰謀論=コンスピリチュアリティについての日本初の論考集、『コンスピリチュアリティ入門』の刊行を記念し、ルポライター・ジャーナリストの清義明氏とのトークイベントが5/24(水) 19:00よりオンラインで開催される。謎の集団Xから「ある日金融システムが変わり、世界中が金本位制になると共に借金が帳消しになる」陰謀論まで、濃密な2時間になる予定である。



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