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全国から1万人以上が日比谷公園に集結し「日比谷一揆」宣言に歓喜〜反ワクチンの一番長い日〜(後編)

新党くにもり隊から出発したデモ

15:00過ぎ、ようやくデモが始まった。今回のデモは特に前半、参加した各グループを中心とした隊列が作られていたようで、その最初は新党くにもり隊であった。

新党くにもり、チャンネル桜、頑張れ日本!全国行動委員会などの幟が確認できる

新党くにもり、チャンネル桜、頑張れ日本!全国行動委員会(水島氏が設立した保守系政治団体)の幟が並び、多数の日章旗がはためく様子は完全に右翼のデモであった。

多数の日章旗が並ぶ中にワクチン(政策)批判が混じる光景は、今後珍しいものではなくなるだろう

勿論、「日本の主権が侵害されるのではないか」という懸念は保守思想へと自然に繋がるのでおかしいわけではないのだが、これだけ政治色が強い光景を見せつけられた一般参加者がどのように感じたのかは興味深いところである(ただ、これくらいで逃げ出していては政治運動はできないのではないだろうかという思いも筆者にはある)。

ワクチン忌避・非難系の運動では左派寄りの人も常にそれなりの割合を占めており、新党くにもり勢が明らかに強い存在感を放つ現場に合流することに不安はないのだろうかと非参加者ながら心配になった。逆に新党くにもり(だけではなく、参加団体全般に当てはまるが)からすれば、これだけの人数を集められる稀有な運動から、どれだけの人々を自陣に引き込めるかが活動手腕の見せどころといったところだろうか。政治運動の経験がほとんどない人が多数混じっているだろうことも重要なポイントだ。列に並んだ筆者の周囲からは、Youtubeから素朴な思いで参加したという雑談も多く聞こえてきた。この層は政治団体がまだ手を付けられていないフロンティアであり、うまく取り込めれば参政党と類似の旋風を巻き起こせる可能性はある。

この機会をどこまで党勢拡大に活かそうとしているかは未知数であるものの、解散場所の鍜治橋交差点では水島氏がデモ参加者を出迎え、「日本人らしい、良いデモ行進でした」と、ナショナリスティックな褒め言葉でねぎらっていた。

第一陣は新党くにもり中心だったため見るからに右派といった感じだったが、第二陣以降はWCHを中心としたグループ、「山梨県」のプラカードを高らかに掲げたグループ、「ワクチン反対!」を連呼するグループなどバラエティに富んだ布陣が見られた。いずれもお祭り気分で盛り上がっており、顔色は明るい。

WCHを中心とした陣営
「山梨県」を高らかに掲げたグループ

そんなデモ隊を追いかけているうちに時間は過ぎていく。第一部・第二部ではすぐに入場規制が掛かっていたところからして、夜の部を取材しようと思えば早めに並んでおかなければ入場できないだろう。そう推察した筆者は日比谷公園へと急いだ。

あまりに参加者が多いため、デモ行進に参加できない人々も発生

日比谷公園に到着し、状況を確認するため野音に向かう。すると既に講演の部は終わっていたはずなのにもかかわらず、野音の中から滝のように参加者が出てくるので驚いてしまった。どうやらあまりに人数が多いために路上へ出られず、野音に留まった組がいたようだ。

さらに言えばその人数の多さからデモ行進にも制限がかけられており、列に並んでいたのに出発できなかった隊も存在したため、仲間に不満を訴えている参加者がいた。

ぞろぞろと人が出てくるのでたまげてしまった

ここで野音から人が出てきたのは、夜の部に向けての聴衆入れ替えのためであった。筆者は無事早めの列に並ぶことができ、「イベルメクチンは効果があるが、利益が薄いので製薬会社の陰謀によって情報操作されている」「大事な情報はYoutubeで得ている(地上波から情報を得ていない自身は一般大衆とは違うのだ、というニュアンスが感じられた)」といった会話を聞きながら入場することができた。

夜の部では海外勢とzoom接続

昼の混雑から警戒していたが、夜の部にはかなりスムーズに入場することができた。今回のデモは解散場所が日比谷公園から離れており(鍛冶橋交差点であった)、日比谷公園に戻らなかった人が多かったようだ。告知画像には「林先生オススメのスポット」として日比谷OKUROJIが紹介されており、解散後にそのまま飲みに行くのもまたデモの楽しみとして主催側も想定していたようだ。

18時過ぎの様子。まだ明るかった。奥に見えるのは厚労省。

夜の部の内容はあまり詳しく告知されていなかったが、その主な内容は、林千勝氏と上條泉氏(WCH日本支部)を中心にした、ジュネーブの面々とzoom接続しての会談であった。

上條氏の通訳がざっくりだったこともあり、あまりメッセージを飲み込めていない雰囲気だった

大型スクリーンに欧米人が映る様子は世界との繋がりを感じさせ、会場の雰囲気も最初は若干の盛り上がりを見せたが、正直なところその後の熱気はいま一つであった。ジュネーブ側からのメッセージは英語だったが、通訳の方式がそれなりの時間相手が話した後に上條氏がまとめるというものだったため、「翻訳による多少の熱気」(この時間は短い)と「英語での発話中に発生する沈黙」(この時間が長い)の繰り返しが発生していた(このため「何を言っているのかよく分からない」と途中退場する人達もいた)。

盛り上がりに欠けた理由としてさらに大きかったのは、そもそもジュネーブの面々が何のために集まっているのかについての説明が薄かったことだろう。zoomの向こう側の面々は、一体何のためにジュネーブへと集っていたのか。それは「The Geneva Project」という運動体によって5月31日~6月1日にかけて行われていた集会・抗議行動に参加するためであった。

全ての人物を取り上げるわけにはいかないので、目立った人物を数人拾い上げてみよう。

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