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夏ドラマ① 月・火まとめ~脚本家・主題歌にも注目してみた~

夏ドラマ、だいぶ出そろってきました。今期は「全ドラマ1話は観る」と勝手に意気込んだものの、昨今の地上波ドラマの数が多すぎて、すでに頭の中で渋滞している。
まだ始まっていないドラマもあるけど、私が観たドラマを中心に、いつものように曜日ごとでまとめたい。
今回は特に主題歌と脚本家さんに注目して、簡単な感想などを書こうと思う。私の場合、この2点がドラマを観るきっかけになることが多いので。
まずは月曜日と火曜日。


月曜日

海のはじまり 7/1スタート

フジテレビ系 PM9:00~
出演:目黒 蓮、有村架純ほか

脚本:⽣⽅美久(オリジナル)
主題歌:back number『新しい恋人達に』

脚本は「silent」「いちばん好きな花」の⽣⽅美久さん。演出の風間太樹さん、プロデューサーの村瀬健さんという「silent」チームとともに、月9に登場。そして主演の目黒蓮さんも、同じく「silent」チームから。このドラマの企画が、そもそも目黒蓮さん主演が大前提ということだったみたい。

GINGERのインタビューで⽣⽅さんがお話されています。

脚本執筆を依頼された時点で言われたのは、「目黒さん主演で2024年7月期の月9。オリジナルで書いていいよ」ということだけだったので、親子を軸にした話がしたいと提案をさせていただきました。

GINGERの記事より

ちなみに

今回のドラマで一番大切にしていること、伝えたいことは?

という質問には、こんなことをおっしゃっている。

視聴者のみなさんにとって、考える余白のある作品にしたいと思いました。そのために、今回は本編中でモノローグやナレーションを一切使っていません。セリフも「言わせ過ぎない」と「あえて言う」のバランスを大切にしています。

GINGERの記事より

モノローグとは、心の声みたいなもので、これを多用しているドラマは意外と多い。ナレーションやモノローグによって状況がわかりやすくなるということもあるが、感情まで説明されてしまうと、かえって入り込めなくなってしまうこともある。3話まで視聴済みだが、なるほど「余白」のドラマだなって思う。
けど、ちゃんと伝えたいこともあるともおっしゃっている。

明確に伝えたいことはふたつだけです。ひとつは、がん検診に行ってほしいということ。すべての人が受診できる・受診しやすい環境が整ってほしいです。もうひとつは、避妊具の避妊率は100%ではないということです。大人でも「避妊すれば妊娠しない」という認識の人が非常に多い。今回のドラマのあらすじが公開されたときも「大学生にもなって避妊も知らないカップルの話なんて書かないでくれ」というご意見をもらいました。予期せぬ妊娠をした人とそのパートナーを「避妊しなかった」「性にだらしない」と決めつける風潮が、さらに彼らを追い込みます。

GINGERの記事より

これは、助産師や看護師の経験がある⽣⽅さんが言うと、説得力あるなと。
実は私も、その決めつける側にいたかもしれない。自分がその当事者になっていたということもあり得るのに。そして、もし自分だったらどんな選択をしていただろうと、考え込んだ。もうそんな時は絶対来ないが。

亡くなった元カノが知らないうちに自分の子を産んでいた。
という、昔の2時間ドラマに出てきそうな設定のではあるものの、なぜか前の2作品より感情移入している。特に主人公の今の彼女である弥生(有村架純)に。

それにしても、キャスティングが豪華。
3話の大竹しのぶvs有村架純とか、見応えありすぎ。これが「あえて言う」のセリフなのか。
あと、池松壮亮さんもね。私の中では月9のイメージがなかったので、出演が発表されたときは意外に思えた。
初回のうみちゃん(泉谷星奈)と津野くん(池松壮亮)のシーンですごく印象に残っているところがある。
母親の葬式で、海ちゃんが「ママにまた会える?」と聞いたのに対して、津野くんは「火葬の前にまた顔見れるから」って答える。幼い子どもに現実を突きつけるこのセリフ。冷たいようで実は津野くんなりの優しさなのかもしれないけど、このときの表情が何ともリアルで、さすがだなと。

目黒くん演じる月岡夏つきおかなつ、月9史上一番声が小さい主人公なのでは。夏という人物を表現するためにあえてボソボソと話しているのかもしれないけど、さすがに聞こえにくいときがある。ただ彼は、セリフがなくても、表情で伝わるからなぁ。そう言えば「silent」も声を発することがほとんどない役だったもんね。

あと、夏の弟を演じている木戸大聖くん、あとあと何かもっと大きく絡んでくるのかしら。さすがに、よくできた弟ってだけでは終わらないよね。と思っていたら、Tverでスピンオフドラマ「兄のはじまり」が始まるらしい。え、もしかして本編では描かれない?

簡単にまとめるつもりが、長くなってしまった。

最後に、主題歌について。これまでの2作品で、ヒゲダン、藤井風ときて、実はどちらもドラマより主題歌のほうが印象に残っている。今回も誰が担当するのか楽しみにしておりました。スピッツ好きを公言している生方さんと村瀬さん。もしや、スピッツ来るか?とも考えたけれど、主題歌ではなく今回もドラマの中で使用されていた。
そして、その手があったか!という納得のback numberでした。


マウンテンドクター 7/8スタート

フジテレビ系 PM10:00~
出演:杉野遥亮、大森南朋ほか

脚本:高橋悠也(オリジナル)
主題歌:Official髭男dism「Sharon」

完全オリジナル作品というところがいい。けれど、しかし、またアルファベット3文字のなんかチームもの。場所が山に変わっただけじゃないかという気もしないでもないが、主人公の杉野くんがわかりやすいキャラなのが最近では逆に新鮮かも。八嶋智人、宮澤エマなど脇を固める方たちにも安心感あり。

脚本は高橋悠也さん。劇団も主宰しながら、アニメや仮面ライダーシリーズなどの脚本も担当されている。これまでの作品をほとんど知らないので、今回のドラマで注目してみたいと思います。

ヒゲダンファンなので、主題歌を聴くために観ているとも言える。
さとっちゃんの声って、なんでこんなに心地いいんでしょう。


火曜日

南くんが恋人⁉ 7/16スタート

テレビ朝日系 PM9:00~
出演:飯沼愛、八木勇征ほか

脚本:岡田惠和(原案は内田春菊さんのコミック)
主題歌:ゆず「伏線回収」

これまで何度も映像化されている人気漫画「南くんの恋人」(内田春菊)の男女逆バージョン。ちよみちゃん(飯沼愛)じゃなくて、南くん(八木勇征)のほうがちっちゃくなっちゃう。
脚本は、1994年放送の高橋由美子&武田真治版『南くんの恋人』でも脚本を担当した岡田惠和さん。岡田さんと言えば、数々の名作ドラマを生み出しているレジェンド脚本家である。ただ、男女を逆転したところで、この令和の時代にこんなファンタジーがマッチするのだろうか。と思いながら1話を流し見しました。あれ、でも30年前のドラマのことぜんぜん覚えていない。というか、たぶん観ていない。
30年前に南くんを演じた武田真治さんが、ちよみの父親役で出ています。
南くん役の八木勇征さん、ドラマによって雰囲気が違って見える、不思議な魅力ありますね。

主題歌は、ゆず。北川悠仁の書下ろしとのこと。湘南が舞台のドラマということで、夏らしくて楽しい曲。挿入歌で「夏色」も流れたりして、ゆず色が加わることによって、よりドラマが楽しくさわやかに観られそう。

西園寺さんは家事をしない 7/9スタート

TBS系 PM10:00~
出演:松本若菜、松村北斗ほか

脚本:宮本武史・山下すばる(原作はひうらさとるさんのコミック)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「strawberry」

公式サイトにある紹介文↓

「偽家族」というちょっと変わった関係から始まる、ちぐはぐな大人2人と子ども1人の生活。互いを理解し、心を通わせていく姿を描きながら「幸せって何? 家族って何?」を考える今までにないハートフルなラブコメディ!

西園寺さんは家事をしない公式サイトより

原作は「ホタルノヒカリ」などのひうらさとるさんのコミック。
火10枠、前作の「くるり」がオリジナルでとても面白かったので、漫画原作のラブコメってだけで、ちょっと色メガネで見てしまう自分もいる。
脚本に名前が二人あります。お二人ともあまりよく知らなかったけれど、山下すばるさんは「私の家政婦ナギサさん」の脚本も担当されていたようです。今回のドラマも家事ができない主人公ってことで、「私の家政婦ナギサさん」と似てるのかしらと想像していたけど、1話を観たところ、ぜんぜん違ってた。ドラマ「ナギサさん」さんは最近のラブコメで私の中のトップ3に入るくらい好き。「くるり」の瀬戸さんも出てたし。

「海のはじまり」の子役もかわいいけど、こちらの子役もめちゃかわいいです。ルカちゃん役の倉田瑛茉ちゃん、まだ4歳なの? 癒しでしかない。
そして、相変わらず声が良すぎる松村北斗さん。声と言えば、津田健次郎も出てるし。

そして、主題歌はバンプ!
SixTONESも好きですが、何でもかんでも出演アイドルの楽曲が主題歌になることには、ちょっと違和感を感じているので、ホッとしたりして。

優しく包み込んでくれるような曲。これまた癒される。

まとめていて気付いたけど、ここまであげたドラマの主題歌、平成のJ-POPを代表するアーティストばかり。(ヒゲダンは令和か?)
長く活躍されている方たちって、聴いていてやっぱり安心できる。

家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった 7/9スタート

NHK PM10:00~
出演:河合優実、坂井真紀ほか
原作: 岸田奈美
脚本・演出: 大九明子
脚本: 市之瀬浩子、鈴木史子

作家・岸田奈美さんが自身の家族について綴ったエッセーを原作に連続ドラマ化。エッセーはnoteで読めます。

昨年BSで放送されたときは見逃したので、地上波でも放送されると知って、楽しみにしていました。
元になったエッセイが面白いということはもちろんなのだが、そこに脚色・演出が加わり映像となったとき、まるで自分がその中にいるような感覚になる。大変なことが次々と起こり苦しいはずなのに、主人公の七美(河合優実)がこんなにも輝いて見えるのはなぜだろう。時に羨ましく思える。

脚本にはお二人の名前があったが、2話のクレジットを見たところ、市之瀬浩子さんがメインで脚本を担当されていると思われる。
セリフの掛け合いが、心地よい。
そして、登場人物のキャラすべてに丁寧な作りこみを感じる。
もちろん、キャストの方がみな上手いということもある。
七美の友人・マルチを演じる福地桃子ちゃんが、なかなか良い。
2話までしかまだ観れていないが、家族の話がメインではあるものの、さりげなく描かれている友情に、実はグッときている。

結局いいドラマって、NHKだったりする。

あの子の子ども 6/25スタート

フジテレビ系 PM11:00~
出演:桜田ひより、細田佳央太ほか

脚本:蛭田直美(原作:「あの子の子ども」蒼井まもる)
主題歌:THE BEAT GARDEN「わたし」
オープニング曲:りりあ。「ねえ、ちゃんと聞いてる?」

すでに4話まで放送済み。30分ドラマなので、あっという間に1話が終わる。これまでは気軽に観られるラブコメ枠だと思っていたのに、急になんだかシリアスなドラマが始まった。高校生の妊娠がテーマになっているが、その妊娠が発覚するまでの過程までも丁寧に描いているため、第3話のラストでやっと妊娠が発覚する。「海のはじまり」の脚本・生方さんが伝えたい「避妊具の避妊率は100%ではない」が、このドラマでも表されている。どちらかと言うと、こっちのドラマのほうが、若い二人の心情や行動が丁寧に描かれていて、よりリアルだ。

私が好きな脚本家である蛭田直美さんが脚本を担当されているので、観ることにしたわけだけど、原作を知らないので、どれくらい脚色されているかわかりません。でも、ここまで観て、とても引き込まれる感じがするのは、蛭田さんの脚本だからなのかもとも思っている。

今後の展開も気になる。桜田ひよりちゃん、細田佳央太くんも、ちゃんと高校生らしく見えて、繊細なお芝居もとて良い。
あ、担任の先生、「Re:リベンジ」の若林先生だよね。どうか、いい先生であってほしいわ。

で、主題歌。
THE BEAT GARDENさん、福士蒼汰さんのドラマ「アイのない恋人たち」の主題歌で知りました。ドラマのラストにかかる「present」がすごくいいなぁと思って調べたのですが、自分たちで作詞作曲もするボーカルグループなんですよ。最近はダンスボーカルグループばっかりで、こういう方たちって珍しくない?歌声もメロディもすごく優しい。

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