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目的なんてなんだって良いと思った日の事

「あなたが人生において何を目標にして生きているのか分からない」

あなたの同僚に、私も全く同じ事を言われた事があります。
ああ、きっと、私達はとても似ていて、あの人にとって理解出来なかったんだろう。

だから逃げたのか。と思いました。

それが、私の感想です。

そもそも、人生における目的や、会社で働く意味なんて人それぞれだし、それを胸の奥底にしまっている人、あからさまに出している人、出していたとて、本当は嘘である人、様々なのだし、あの人が信頼していた元社長でさえも、目指す物がわからなくて苦悩しているのだから、年若いあなたが、自分が分不相応と思ってしまうその立場で、自分の事が分からなくなったとしても当たり前では無いのかと、私は思うんですよね。

あなたは若いから、と、私は言います。

けれど、私は自分より若い人達を自分より下に見る事はありません。
なぜなら、私よりも若くても、多くの知識を持つ人もいて、私より沢山の経験をした人も、世の中には沢山いたからです。

以前、あなたと夜通し話をした時に、私が会社を辞めようと思った日の話をしました。

あの日は、とても眠くて、楽しくて、はなしきれたかは、分からないので、もう一度伝えると、私は、結果的に会社を辞める事になっていたかもしれないけど、あなたの部下だったならば、辞めたくないと言ったかもしれません。

あの人は、私の限界を先に決めていました。私はもう、成長する側ではないと。
成長できていない下の人達に伝える側だと。

つまりは、もう私自身の人生における目標は達成しているのに、何故、それを周りの人に与える側になれないのかと。

酷く傲慢で、わがままだと、言われた日の事を、今でも思い出します。

私は皆と離れて、沢山の知識を得ました。慣れない言語習得をした事で、アメリカの企業における泥くさい現実や、日本の企業よりもシビアな生産性の達成のために、色々な問題がある事を知りました。

この年になるまで、知らなかった、読めなかった文献や知識は、まだ大量に死ぬほど世の中にはあって、悟りました。

面倒くさいと思ってやらなければ、やれると思えば、まだ、自分の上限は無限に広がるものなんだと。

それを知った時に、私の世界はまた、無限に果てしなく広がりました。
ずっと何年も、私はもう終わってしまって、消化試合をしている気分だったから、世界中にある本や、電車から流れてくる多言語や、コマーシャルにさえ、まだ新しく私の知識習得を広げる物があったのかと驚きました。

私はあなたの事を、私の選ばなかった未来のように思っていました。
自分のelseのような存在だと。
だから、あなたの未来がとても楽しみで、眩しく、羨ましくもあり、同時に心配でもありました。

あの人は、部下達を可哀想だと言ったけれど、私はそうは思いません。
可哀想というのは、自分より下に見て、自分にはとうてい追いつけないと思って出た言葉なんじゃないかと思うから。
私は、あなたの上司だった頃も、あなたの部下になってからも、誰しもが、自分より優れた所があるから、いつも追い抜かされ、追い抜き、それを繰り返している。だから誰にも、負けたくない。ずっと勝っていたいと思っていました。あなたは私の上限を勝手に決める事はなかった。昔も、今も。
なので、私は、あなたの部下であったなら辞めたくないと懇願したかもしれないと思います。

目標を達成する度に、やる気がなくなっていく気持ちはよく分かります。
いつまで続けていったらよいのか分からなくて、悩むだけで、何もできなくなる事もよくあります。

それは、人よりも早く走っていたら当たり前だと思うのです。

何回も、何回も、転んでしまうけれど、結局はいつか立ち上がるのだから、転んだまま、少しだけ休んだって誰も怒る権利はないのです。

救えないのに救おうとするのは偽善だし、上司だから、役職だから会社や、社員を思わないといけない、とは私は思いません。
皆、個人的な感情や事情や目的があって、
その先に会社を考えたり、社員の事を考えたりするものではないですか。
自分の個人的な事情よりも先に会社を優先するのなら、その人は、それこそ何のために生きているんだろう。

目的なんてなんだっていいんです。
なくなってしまったものが呪いなら、願わくば次の目的は希望になるものならいい。

大事なことは、何度も立ち上がること。もし、もう立ち上がれないと、そのままうずくまるのなら、しばらくうずくまっていたらいい。

きっと座っている事が苦痛になってきて、また立ち上がって、歩いて、走り出す。

あなたはそんな人じゃないかと、私は思います。

私と勝負をしましょうか。ifとelse、どちらが幸せになれるかを。きっとどちらも、恵まれている時には気付けなくて、弱音を吐いてボロボロになっていくんだろうけど、それでも、あなたも、私も、まだまだifの世界にもelseの世界にも行く事ができます。

だから、目的も目標もなんだっていいんです。