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Verve時代のウィリー・ボボ

ウィリー・ボボは、ニューヨークのスパニッシュ・ハーレム育ちのラテン・パーカッション奏者。
前回ご紹介したモンゴ・サンタマリアより10歳ほど若いウィリー・ボボは、モンゴ・サンタマリアがニューヨークに移ってきたときに通訳として行動をともにしながら、演奏を学んだようです。

その後、ティト・プエンテのバンドに参加したり、師匠のモンゴ・サンタマリアと一緒にカル・ジェイダーのバンドに参加したりした後、1960年代には自身のバンドで、ジャズの名門Verveから7枚ものアルバムを出しています。

そして、このVerve時代の演奏がめっちゃカッコいいんです!!
タイトに引き締まったバンド編成で、キャッチーにして奥深い、ラテン風味漂うジャズ。
ラテン・ジャズというより、その分かりやすいカッコよさは、もはやインストのブーガルーと言えるでしょう!

このVerve時代の7枚のアルバムの中でも、特にカッコいい3枚のアルバムをご紹介していきたいと思います。

まずは、「Spanish Grease(1965年)」。

アップテンポな曲もカッコいいですが、何といってもおススメは南国の夕暮れを思わせる、2曲目の「Hurt So Bad」!
この曲が、僕がウィリー・ボボを知ったきっかけでした。
そのきっかけは、またしてもローランド・アルフォンソ(笑)。

彼が、スカタライツ解散後に率いたバンド、ソウル・ブラザーズでこの「Hurt So Bad」をカバーしており、そのカバー元として知ったのが、ウィリー・ボボとの出会いでした。

ソウル・ブラザーズの演奏の方がよりスローで南国感が強く、ウィリー・ボボの方は引き締まった演奏でハードボイルドなカッコよさがありますね!

続いて、「Uno, Dos, Tres - 1, 2, 3(1966年)」。

このアルバムには、有名曲「Fried Neck Bones And Some Home Fries」などが入っています。

そして、「Bobo Motion(1966年)」。

7曲目「Evil Ways」はサンタナやビレッジ・カラーズのカバーで知られる、これまた有名曲です。
(ビレッジ・カラーズは、1枚のライブ・アルバムしか残していないラテン・バンドなのですが、そのライブ・アルバムが激アツです。)

1曲目は、5th Dimensionというコーラス・グループのヒット曲「Up, Up & Way」のカバーで、疾走感あふれるバージョンになっています!

また、個人的におススメなのが10曲目の「Night Walk」!
ラテン・ミュージックには珍しい、ひずんだギターが何となく007を思わせる渋さです。

そして、どの曲にも言えることですが、ウィリー・ボボの叩くパーカッションが生み出すグルーブがたまりませんね~

Verveからはベスト盤も出ており、もちろんこれら3枚からの曲も含まれていますが、Verveからの他のアルバムに入っている魅力的な曲を聴いてみるのにも、おススメです!

(今回の記事は、以下の本を参考にしています。)



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