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ニューオーリンズ meets キューバ

同じカリブ海の地域として古くから交流のあった、ニューオーリンズとキューバ。
しかし、フィデル・カストロやチェ・ゲバラによるキューバ革命(1959年)以降は、アメリカとキューバの国交が断絶し、ニューオーリンズとキューバの交流も途絶えていました。
(ちなみに、元々スペインの植民地であったキューバは、なんと全国民の60%がスペイン系白人と黒人の混血のようです。アメリカとはすごい違いですね。)

ライ・クーダーがキューバの老ミュージシャンたちと1997年に作ったアルバム「Buena Vista Social Club」の頃から、徐々にミュージシャン同士での交流が可能になってきていたようです。

そんな中、2000年に作られたアルバム「Mardi Gras Mambo」は、ニューオーリンズとキューバのミュージシャンがコラボレーションして作った最高のアルバムです!
ニューオーリンズからは歌手のジョン・ブッテ(John Boutte)などが、キューバからはキューバニスモ(Cubanismo)が参加しています。

お互いに共通する文化背景を持つ、ニューオーリンズとキューバ。
そんな文化の一つにブードゥー(Voodoo)があります。
ブードゥーは、アフリカの精霊信仰とキリスト教が混交した宗教で、黒人たちが奴隷としてアフリカから連れられるとともに、アフリカから西インド諸島(カリブ)へ、そしてニューオーリンズへと伝わりました。
蛇をシンボルとし、呪術、魔術、占いなどで多くの人の心をつかみ、ニューオーリンズでは19世紀にクレオール女性であるマリー・ラボー(Marie Laveau)の活躍により大流行しました。

まずは、マリー・ラボーのことを歌った、その名もズバリ「Marie Laveau」をご紹介したいと思います。

ブードゥーには、「男性の毛か爪を手に入れると、彼の行動を遠くからでもコントロールできるブードゥー人形を作ることができる」という教えがあり、髪や全身の毛に細心の注意を払っておびえる男性もいたそうです(笑)。

もう1曲、ご紹介するのは、ニューオーリンズを代表するソウル・ミュージックの作曲家、アラン・トゥーサン(Allen Toussaint)による「Mother In Law」のカバーです。
オリジナルと聴き比べると、ニューオーリンズの曲にいかにキューバ音楽が自然と混じり合っているかがよく分かります!

こちらが、オリジナルです。

そして、こちらがカバーです。

ともに芳醇な文化を持つ、ニューオーリンズとキューバ。
音楽も、そして言語(英語・スペイン語)も混じり合い、頭がクラクラするほどのカッコよさです!!

(今回の記事は、以下の本を参考にしています。)



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