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予想外のユーモアとドラマに引き込まれる「忘却についての一般論」(文学ラジオ紹介本)

文学ラジオ第32回の紹介本
「忘却についての一般論」
ジョゼエドゥアルドアグアルーザ 著
木下眞穂 訳
白水社

初めてアフリカの作家の作品を紹介します。1970年代のアンゴラの首都ルワンダ。革命の最中、主人公はマンションの自室に30年近くひきこもり…という設定ながら、魅力的な登場人物たちの物語が錯綜する、にぎやかな小説です。

「忘却についての一般論」はタイトルの固さからイメージがつかないような、ユーモア溢れるストーリー展開と爽やかさがあり、重い部分もありますが、読了後はポップな印象が残ります。

本書のあらすじ
27年間にわたる泥沼の内戦下を自力で生き抜いた女性ルドをめぐる目くるめく物語。稀代のストーリーテラーとして知られる現代アンゴラ作家による傑作長篇。
ポルトガル生まれのルドヴィカ(ルド)は空や広い場所が怖い。両親を相次いで亡くし、姉オデッテの結婚に伴い、鉱山技師の義兄オルランドがアンゴラの首都ルアンダに所有する豪華なマンションの最上階に移り住む。
長年にわたりポルトガルの支配下にあったアンゴラでは解放闘争が激化し、1975年ついに独立を宣言。動乱のさなか、姉夫妻が消息不明となる。恐慌をきたし、外部からの襲撃を恐れたルドは、マンション内の部屋の入口をセメントで固め、犬とともに自給自足の生活が始まる。
その後、アンゴラは27年間にわたる泥沼の内戦状態に陥る。その間、誰からも忘れられて孤独に暮らすルド。一方、外の世界では、独立の動乱を乗り越えた人々が、運命に手繰り寄せられるようにしてルドのもとへと引き寄せられていく。
魅力的で謎めいた登場人物と、詩的でユーモアに満ちたスリリングな展開。2013年度フェルナンド・ナモーラ文芸賞、2017年度国際ダブリン文学賞受賞作。

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