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最も大切な記憶が消滅してしまったら「密やかな結晶」小川洋子著
文学ラジオ第103回の紹介本
最も大切な記憶が消滅してしまったら
「密やかな結晶」
小川洋子 著
講談社文庫
近年、英訳版が「全米図書賞」、「英国ブッカー国際賞」の最終候補になり再注目を浴びる長編小説。記憶が消滅していく島で小説家は穏やかに暮らしていたが、次第に大切なものが消滅していくことになり…。最後のネタバレはせず物語のストーリーを紹介し、作品の魅力や印象的な点を語っています。ぜひお聴きください。
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本書のあらすじ
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2019年度「全米図書賞」翻訳部門、2020年度「英国ブッカー国際賞」最終候補作。『博士の愛した数式』など数々の話題作で知られる著者が描く、澄明に描く人間の哀しみ。記憶狩りによって消滅が静かにすすむ島の生活。人は何をなくしたのかさえ思い出せない。何かをなくした小説ばかり書いているわたしも、言葉を、自分自身を確実に失っていった。有機物であることの人間の哀しみを澄んだまなざしで見つめ、空無への願望を、美しく危険な情況の中で描く傑作長編。
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