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レバノンの2人の女性監督作品上映--イスラーム映画祭

イスラーム映画祭2日目。レバノンの女性監督のナディーン・ラバキとエリアーン・ラヘブの作品が上映され、この2人について、アラブ映画研究者の佐野光子さんがトークを行った。
ラヘブ監督の「そこにとどまる人々」は、シリアとの国境に近いレバノン北部に暮らすキリスト教マロン派の男性のライフヒストリーを通じ、「モザイク国家」と言われるレバノンの複雑な近現代史を描き出す。この国の歴史背景を知らないと、とっつきにくい面がある作品で、上映後の佐野さんのトークが理解を助けてくれた。東地中海地域の山岳部の四季折々の美しい風景も見ごたえがあった。
ラバキ監督の「キャラメル」。だいぶ前に日本でも話題になった、監督の「出世作」。女性を中心にしてレバノン社会を説明くさくなく描いた秀作。その後に作られた「私たちはどこへ行くの」や「存在のない子供たち」は以前に観ていたので、これでようやくラバキ監督の主要作品を見終わったことになる。以前、「ドニヤ」という作品をみたことがあるジョスリーン・サアブも含め、レバノンの女性監督のアラブ・レバノン社会を見つめる骨太の視線を改めて確認した。

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