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小学生の軽度発達障害児の実例

学年が上がるごとに通常学級から支援学級に通級する児童が増えているとも聞きます。そんな彼らは、学習面、情緒面、行動面、友人関係など、なにかとつまづきがちになります。はっきりした診断がないけれど、ちょっと気になる、いわゆるグレーゾーンの子供たちが、軽度発達障害児といえます。一見すると、元気、やんちゃ、子供らしいともいえます。しかし、軽度発達障害というのは、年齢が上がるにつれて顕著にあらわれてきます。幼少期には子供らしいふるまいと多少目をつぶっていても、学年が上がるにつれて、トラブルや困りごとが増えてきます。子供自身も、自分は一生懸命やっているのに、なぜうまくいかないのだろう?や、親や先生になんで注意されるのだろう?と不満が溜まります。しかし、自分の気持ちをうまく言えなかったり感情をコントロールできずに乱暴な行動をとることもあります。ここでは、通常学級に通いながら、支援級に通級している小学2~6年生の実例をいくつか紹介してみたいと思います。なんでも思ったことをそのまま悪びれもせずに口にしてしまうAくんや、逆に嫌なことされてもなにも言葉にできないSくん、先生の目を盗んで何も言えない子に意地悪な事をするKくんのお話です。

学校での行動、特徴

・Aくん(小学2年生)

おしゃべりが大好きでずっとしゃべっている。授業中も張り切って手を挙げるが、まだ先生がしゃべっていたり友達が発表しているときも、それを遮って「それ知ってる!あのね…」と自分勝手に話し出す。いいことも悪いこともすぐに口に出てしまう。相手の気持ちを考えながら、思考して話すことが苦手。手先が不器用で、細かい作業が苦手。すぐ集中力がきれる、飽きっぽい、ずっと座っていられず教室内をウロウロしだす。運動が苦手で、自分の足にもつれて前のめりに転びそうになることが度々ある。

・Sくん(小学4年生)

心を開いた相手にしか話したがらない。男性の先生よりは女性の優しい先生のそばにいたがる。学習面での理解度は普通にあるが、少しでも分からない事があったり、不安に襲われると自信がなくなり、パニックになる。答えを分かっていても授業中の挙手はほぼしない。自分が知っている遊び、繰り返しの遊びが好き。誰か友だちと遊びたいと思っても、周囲にチラチラ視線を泳がせているだけで、自ら話しかけることはほとんどない。

・Kくん(小学6年生)

体を使った遊びが大好きで、友達や男の先生と思いっきり遊んでもらうと喜ぶ。口が悪く「うっせー」など短く乱暴な言葉遣いをすることがある。低俗な言葉を面白おかしく言い、それを聞いた大人の反応を楽しむ節がある。気弱な子、文句を言えない子などに先生が見ていないところでちょっかいや意地悪をしやすい。学習面で漢字、計算が苦手。本人もその自覚があり、勉強ができないことを恥ずかしいと思っている。

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