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20年間以上カフェを巡ってみて感じたこと。

カフェはいつの時代も人を虜にします。特に若い世代の人を。

現在のインスタ界隈においても、カフェ巡りを趣味にしているのは10代後半〜30代の女性が多いようです。(カフェ巡りが趣味というか、「カフェで写真を撮ってSNSにアップする」という趣味なのかもですが…)

カフェが持つ「おしゃれ」「洗練されている」「自分と波長が合う人が集まりそう」「流行の発信源」「なんだかわからないけどワクワクする」といったイメージのせいでしょうか。昔からカフェには若い女性が集まり、カフェ自体も若い女性をメインターゲットにしているように思います。

これが昔からそうだったかと言えば、昔は「カフェ」というジャンル自体がなく、「喫茶店」しかありませんでした。

現在49歳の僕がまだ幼少だったころ、喫茶店は「大人の溜まり場」といった雰囲気で、タバコの煙がもくもくした店内で、おじさんがスポーツ新聞を読み耽り、おばさん達がひっきりなしにしゃべっている場所でした。メニューは洋食(ピラフとかカレーとかスパゲッティとか)と妙に苦いコーヒーとデザート(パフェとかホットケーキとかクリームソーダとかですね)が中心で、そこそこの値が張るゆえに親からは行事ごとなどの「とっておきの日」にしか連れて行ってもらえないような場所でした。

やがて高校生になると、コンビニすらない田舎町では喫茶店が仲間たちの溜まり場となります。飲みなれないコーヒーを片手にタバコの煙を燻らせながらヤンチャ話や恋愛話に花を咲かせていました。マスターも学生服着た高校生の客であっても、そっと灰皿を出してくれる。そんな粋すら感じる場所でした。(⚠️当時はおおらかだった昭和のなごりがまだ残ってましたので。。。)

それから約10年の時が経ち、東京で「カフェブーム」というものが誕生します。カフェブームと言っても若い世代の方にはピンと来ないかもしれませんが、例えばスタバが日本に初上陸したり、内装や音楽やインテリアにこだわったカフェや、珍しいメニューを提供するカフェ、デザイナーが監修したカフェが登場するなど、それまでの「喫茶店」とは全く異なる価値観の、当時の若者の好きなジャンルが詰まりまくった、それはそれは衝撃的な存在の業態でした。そしてカフェというジャンルは瞬く間にトレンドとなって芸能人や文化人も足繁く通うようになり、それをきっかけに若い女性から全国的な圧倒的な支持を受けることになります。(この東京カフェブームについては、ググって調べていただいた方が早いので、ここでの詳細な説明は割愛します)

東京でカフェブームが誕生したのが90年代の終盤からと言われています。僕が住む福岡という街は東京で流行ったものが2〜3年後に流行るというのが通説でした(当時はまだインターネット黎明期で、最新のトレンド情報はテレビや雑誌からしか得られませんでしたからね)。なので、福岡に「カフェ」がちらほらと出来始めたのが2000年前後だと記憶しています。地元のテレビの情報番組やタウン情報誌ではやたらと「カフェ特集」が組まれはじめました。

喫茶店に主軸を置いていた20代中盤の僕も、この「カフェ」という存在がめちゃめちゃ気になりはじめ、当時今泉にあった「エピカフェ」に行ってみることに。ドアを開けてびっくりしたのが、まー若い女性の多いこと!ちょうど同年代くらいの女子たちがほとんどの席を埋めており、男はなんと僕ひとり。「なんとも場違いな店に来てしまった…」そう思うくらい、当時のカフェって「女子のもの」だったのです。居心地の悪さを感じながらも、店内のセンスの良いインテリアや内装、洗練されたクラブミュージック、古い雑居ビルの3階というロケーション、そしておしゃれなメニュー。魅力的なモノで構成された「カフェ」という空間に、僕は虜になってしまいました。

それからというもの、雑誌やテレビで情報を得て、いろんなカフェを巡りはじめました。福岡の「今泉」というエリアは「個性派カフェの聖地」とも言える場所で、先述のエピカフェをはじめ、様々なスタイルのカフェが点在していました。その一軒一軒を訪ね、こだわりのメニューをオーダーし、空間に身を委ねることに楽しさを感じていました。

でもやっぱりどのカフェも女子だらけ。やはり居心地の悪さを感じずにいられませんでした。「女子だけじゃなく自分のような男でも気軽にカフェに行けるようなキッカケを作ろう!」それが僕が長年運営しているポータルサイト「CAFE@TRIBE(https://cafetribe.com)」誕生のきっかけだったりもします。

サイトを運営し始めてから、精力的にカフェ巡りを続けました。そして気がつけば20年以上の歳月が流れていました。カフェといってもその時代時代でトレンドというものがあり、当初は「東京カフェブーム」で流行ったお店のコピペのようなカフェばかりでしたが、やがて空間やロケーションもさることながら、「いかに個性的なメニューを提供するか」に主軸を置き始めるカフェが増えました。

ざっと挙げるだけでも「オーガニック」「スペシャルティーコーヒー」「パンケーキ」「カレー」「タピオカ」「こだわりパフェなどの映え系スイーツ」などです(ざっくりすぎてすいません)。

特に近年のインスタブームで、「カフェに行く」というより「人気のカフェのバズったメニューの写真を撮りに行く」という風潮(ライフスタイル?)が一般化し、徐々に「カフェ」というより「特定のメニューの専門店」になってきているような気がしてならないのです。

本来カフェの魅力は、「飲食を楽しむ」というベースがありながらも、「空間と時間」「オーナーやスタッフとのコミュニケーションを楽しむ」という部分が醍醐味であり、そのお店が持つ個性であると思っています。

今、カフェ巡りを楽しんでいる若い子たちも、「おしゃれカフェで映えスイーツの写真を撮ってSNSに載せた」だけではなく、「空間と時間」や「オーナーやスタッフとのコミュニケーション」をぜひ楽しんでいただきたいと思います。じゃなきゃ、あまりにも勿体無いと思うよー!

長々と駄文を綴りましたが、以上が「20年間以上カフェを巡ってみて感じたこと」でした。

僕は「カフェのファンを一人でも増やし、カフェシーンがこの先も長く続いていけるようなお手伝いをすること」を(勝手に?)ライフワークとしています。

カフェはとっても楽しい場所です。居場所であり、コミュニケーションの場であり、美味しいメニューでお腹を満たせる場であり、新しい発見に出会える場所です。そんなカフェが1日でも長く続くように、お気に入りのカフェにできるだけ足を運んでみてくださいね。

どうぞみなさま、これからも素敵なカフェライフをお過ごしくださいませ♪

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