政治と金と権力と美少女!~伝説の諭吉さんをさがして~②

「みんなあー、オラにもっと! もっともっともぉぉぉぉーっっと!! 現金をおくれ~!!!!」
 とあるえらい人が、金色に輝くえらいひと用の椅子にふんぞり返って言いました。
 しかし誰も、このえらい人に自分のお金を渡そうとしません。
 最初は黙って無邪気に手を降っていたえらい人も、しばらくすると(だいたい十秒くらい)だんだん顔を真っ赤にしていきました。
「みんな! 現金をおくれ!! でないとこの国は、大変なことになっちゃうズラよぉー?」
 えらい人はしばらく手に持った札束をぶんぶんと振り回していましたが、そのうち誰も自分の言うことを聞いていないことに気づいて激怒します。
「んむむむむぅぅぅー!!!!! ボクちゃん怒ったもんね! 怒っちゃったもんねええええええ!!!!」
 えらい人はビシッビシッとえらい人用の椅子をたたきました。
 えらい人用の椅子がたたかれる度にあんっあんっと泣き叫びます。ちなみにこの椅子は、生きている人間の女の子です。
 椅子の人の給料は、だいたい年収にして考えるといっせんまんえんくらいです。
 えらい人は札束でビシバシと椅子の人のおしりをたたき続けると、そのノリと勢いでなんかの協定書にサインしました。
 椅子はあんっあんっと、札束でたたかれる度に嬉しそうに鳴きます。
 豪邸の庭には桜が咲き、金はたんまり、金庫にははみでる勢いで国中の現金が詰められます。
 春爛漫! あたたかい陽気!
 えらい人は微笑み、さらに豪遊の限りを尽くしました。
 壁の外には冬が来ているというのに……

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