有り余りすぎて足りなくなった世界
夜の街を歩いていて思う。駅チカの、チカではないロフトの上の、駅の改札から出て10分もあるかないところにあって、建物から一歩も出ない立地にある、ここは薄暗い商店街だ。
午後5時を過ぎると総菜屋がcloseの看板を店先に出し、人通りはまばらでおしゃれな店が多い。
そう。店は多い。店先に並んでいる商品はとても多い。カジュアルで、洒落ていて、なのにほとんど売れておらず完全に冷えたサンドイッチが凍えるほど寒い冬空の下に、透明なビニールに包まれたままカチカチに凍っている。
寒空ではない。