CAEは暗黙知を意味づけするための道具である

CAEの使い方の一つとして、技術や技能の暗黙知を意味づけするために利用する。

例えば、CAEの一つの使い方として過去からの流用設計でなぜこの形状になったのか、なぜこの値になったのか、すでにそれを一番初めに設計した人がいなくその理由がわからないまま問題が起こらないがゆえに引き継がれているものが多くある。この理由をCAEを使って解明するというのはCAEでよく使われる方法である。

これを応用すると技能工や設計者が無自覚で感覚的に行っている行為をCAEで解き明かすということに使うことができる。技能工同士、設計者同士が使っている感覚的な表現や彼らの頭の中だけに描かれている図をCAEにより可視化するということである。

これをすることで、頭の中にしかなかったり、仲間内だけでしか通じなかった言葉を可視化し数値的な基準をもって語ることができるようになる。まさにCAEを使って語られる言葉を変える、ということである。また、CAEにより可視化されることで理論的な意味づけも可能となり、誰もが共通の現象として理解し語ることができるようになる。

CAEはまさに技術者や技能者のモノづくりのインタープリターを担う技術ではないかと思う。

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