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トレーニング・ラボラトリとは何か

感受性訓練の中の記載に、教育における2つの技術革新として、Tグループとトレーニング・ラボラトリがある。Tグループについては別途記載しているが、トレーニング・ラボラトリについてもまとめておく。

トレーニング・ラボラトリ

行動科学の成果を民主主義の実践的要請に結び付け、研究と実践の相互浸透による前進を目指すために、人間行動と社会的関係性を再教育するための新しい方法を検討吟味する目的で設計されたものであり、主要な学習方法は、参加者が特別に設計された環境状況の中で、行動と関係性を素材としながら診断し実験することができるように援助する方法である。
トレーナーは、ラボラトリという共同体の中での学習に、実験的かつ共働的なアプローチをする際に、ガイドとしての機能を果たす。トレーナーはまた、ラボラトリ以外の場面に、こうしたアプローチを転移させるにあたって参加者たちを指導することもある。

ラボラトリ法の設計

参加者が自らの参加の仕方にみられる不完全さを発見し診断できるように助力を与えるよう設計されている

参加者たちがより完全で、しかも損傷をあまり与えないような反応パターンを生み出し、それを吟味することができるように他者から援助が与えられるようにも設計されている

ラボラトリの学習目的

自己及び他者の情緒的反応や感情表出に気づくようになることであり、感受性を高めること

自己と他者の感情に注意を払うことによって、自己の行為の結果を認知し、それを通じて学習する能力を高めること

社会的でかつ個人的な意思決定や行為の問題に対する民主的、科学的なアプローチと両立する価値観や目標を発達させるように参加者を刺激すること

学習者たちが自己の個人的な価値観、目標、意図を行為と結びつけ、彼らの内部的諸要因やさらにまたその状況からくる要請とも矛盾しないように行為することができるための道具として有効な諸概念や理論的洞察を発達させること

人間組織のある単位が、変化に対する要求について評価することを助け、かつ変化を作り出すための諸々の方法を編み出し試すことができるよう助力を与えること

新しく学習した行動様式を復帰した職場の代表的な行動様式に統合させることができるように助力を与えること

学習者に学習の仕方を学ばせること

ラボラトリ学習の中心目的

様々の制度的環境における人間問題の処理に広く民主的・科学的方法論を活用すること

科学的方法は、知識の形成とその検証に関連した機能を持つもの

民主的方法は、個人及び集団の行動を管理し統制することに関連した機能である

参考文献


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